テラーノベル
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放課後の帰り道、僕と若井、
それに妹の綾華と三人で並んで歩く。
穏やかな風が頬に触れ、なんだか普段より
道が明るく感じられた。
綾華『若井先輩、
今日もお兄ちゃんと一緒でいいなぁ』
綾華はニコニコしながら、
僕たちの間にひょいと入ってくる。
若井が苦笑混じりに答える。
滉斗『綾華ちゃんも一緒で賑やかじゃん。
元貴、綾華ちゃんにいろいろ
暴露されそうでドキドキしてる?笑』
元貴『あ…や、やめてよ、
綾華、今日は静かにしてろよまじで、』
元貴の声はどこか怯え気味だ。
ところが綾華は早速、
いたずらな目をして若井に話しかける。
綾華『無理かな!
若井先輩、知ってます?
お兄ちゃん、若井先輩の話になると必ず
真っ赤になって目を逸らすんですよ~
家でもバレバレ』
滉斗『そうなんだ?可愛いね?』
若井は笑顔で僕をちらりと見るが、
案の定、僕は顔を背けて頬を赤らめている。
綾華はさらに続ける。
綾華『それでね、それでね――
お兄ちゃん、この前なんて、
若井先輩の写真ずーっとスマホで見てて、
にやにや笑ってたんですよ、
私、その現場見ちゃいました、笑』
元貴『嘘…!?///』
元貴の顔はさらに赤くなり、
耳まで熱さが伝わっていた。
綾華『しかもお兄ちゃん
ずっと若井先輩のこと話してます』
元貴『や、やめてほんとに……っ、///』
僕は恥ずかしさで小さくなりながら、
妹に抗議するも効果なし。
綾華は止まらない。
綾華『あとね――お兄ちゃん、
若井先輩が部活で活躍してる動画、
10回以上リピートして見てたよ!
ベッドの上で寝っ転がりながら』
元貴『綾華、ほんとに…!///』
僕は顔を伏せ、
両手で自分を抱きしめるようにして蹲る。
若井はますます笑顔が和らぐ。
滉斗『元貴、なんか俺、
めっちゃ好かれてる自信出てきた』
綾華『あ、あと、こないだお兄ちゃんが
部屋で若井先輩でヌいてました』
元貴『は…!!!???////』
僕が慌てて綾華の口を片手で押さえ、
綾華を止めようとしていると、若井が
僕の手を取ってぎゅっと優しく握った。
滉斗『もっと聞かせてよ、気になるじゃん』
元貴『何馬鹿なこと言って…!////』
僕がそう言って若井から目を逸らすと、
綾華はまた口を開き、
綾華『ママとパパがいない間、
お兄ちゃんが部屋で1人で若井先輩の
写真見ながらシコってましたよ
若井、若井〜って言いながらヤってました!』
元貴『は…??!!お前っ…何言って、!!!
てか、まだ中2なのにそんな言葉どこで、!///』
僕がそう言って綾華を見ると、
綾華『友達から教えてもらった!
お兄ちゃんがヤってるところ
見ちゃったんだよね〜
だって隣からすんごい声聞こえるんだもん!
若井先輩の写真にお兄ちゃんの愛液
いっぱいかけちゃってさ〜!笑』
早口でペラペラと僕の秘密を暴露していく
綾華。親にも知られていない秘密を
当の本人である若井にまでバラされてしまった。
元貴『最低…っ、!!!
よくないってそういうの!!!////』
僕がそう言って顔を両手で覆うと、
若井はにやっと笑って揶揄った。
滉斗『そんなに綺麗な顔してる元貴が
家では俺をオカズにしてヌいてるんだ〜?笑
今度オカズ送ってあげようか?笑
俺の腹筋とか笑』
元貴『黙れ……っ、
お前らいい加減に…!!!////』
俺がそう言って若井を睨もうとした、
その瞬間――
綾華が僕の背中を『えいっ』と軽く押す。
バランスを崩した僕は、若井の方へ倒れ込み…
元貴『あっ——!』
2人の唇が、不意に触れ合う。
時が止まったような一瞬。
僕は我に返ると同時に、
これ以上ないくらい真っ赤になってしまった。
綾華がぱっと両手を上げて叫ぶ。
綾華『うわー!お兄ちゃん大胆っ!
若井先輩と初キス!?
青春漫画みたい~!!!』
元貴『綾華っ…!!や、やめてってば!////』
叫ぶ元貴の声は上擦り、顔は火照っている。
若井はちょっと照れながらも、
『ほんと、元貴は反則級に可愛いよ』と
耳元で呟く。
綾華は調子に乗って
『今度はハグも見せてねー!』と
両手を振る。
僕は顔を覆って俯くが、
若井がそっと手を取ってくれて――
3人の帰り道が、
何倍もあたたかく感じられるのであった。
コメント
4件
うん、可愛い尊い甘々、最高照れ顔びっくりの六点セット、最高過ぎますね!!!!!!!!
このお話の大森くん初心みたいな可愛さがある\(●°ω°●)/大森くんの1人でしてる所見てみたい絶対可愛いだろうな((o(。・ω・。)o)) 今回も最高でした。次回も楽しみに待ってます(*^^*)