テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
夕暮れの道を妹と2人、歩いて帰る。
新しい靴がコツコツ鳴るたび、
さっきの帰り道での出来事ーー
若井とのキス、妹の暴露話ーーが、
ぐるぐる頭を回っていた。
家の前に着くと、
綾華は待ちきれない様子で玄関を開けた。
僕はため息をつきながら靴を脱ごうとした、
その時だった。
綾華『ただいまー!ママ!パパ!
今日、お兄ちゃんすごいことあったよ!!』
綾華の声が、玄関からリビングに響く。
母『え?なになに、どうしたの?』
台所から母が、ソファから父が顔を覗かせる。
綾華『実はね!お兄ちゃん、
若井先輩と帰ってたんだけど…なんと!
若井先輩と道でキスしちゃったの!!
しかも私の目の前で!!!』
元貴『はぁっ!!??///』
僕は一気に顔を真っ赤にして声を上げた。
だが、もう遅い。
母も父も、思い切り目を輝かせている。
母『ええーっ!?元貴、あんた学生のうちに
ドラマみたいなことしてるの!?
恥ずかしくないの~?』
母がにやにや。
滉斗『すごいじゃないか元貴!
おお、今どきの若者は行動力が違うなぁ』
父も手を叩いて大喜び。
僕は抵抗するも、綾華の
『ほかにもお兄ちゃん、
若井先輩の写真見てニヤニヤしてたし〜』
など、どんどん詳細をばらされる。
すると母が、
元貴『で、いつから若井くんのこと
好きだったの?告白はどっちから?
どういう雰囲気でキスしちゃったの?』
父も、
父『相手のご両親にはもう挨拶したのか?
どっちがリードしたんだ?』
と、質問の嵐。
元貴『ちょ、ちょっと待って!
べ、別にそんな…ただの事故でっ、!!
若井がちょっと横にいて、
それで、綾華が押したから……!///』
綾華『えぇ〜、でもお兄ちゃん
照れてる顔可愛かったよ!』
母『若井くんのどんなところが好きなの?』
父『将来のことも考えてるのか?』
母と父はとまらない。
僕はついにうずくまり、
手の甲で顔を覆いながら、
元貴『だからっ!やめてってば!
静かにしてよもう!!!////』
と必死に叫ぶ。
だが、家の中には笑い声と、
僕の照れ隠しの悲鳴と、
綾華の自慢げなおしゃべりが、
いつまでも響いていた。
コメント
2件
うん、可愛い尊い最高照れ顔家族可愛いの五点セット最高過ぎますね!!!!!!!!