泡沫の眠りからまだ目覚めない少女が居た。
(周りの緑は、培養機の栄養液体だと思ってください)
___完成まで、後何時間掛かるんだろうな?
___未だにもう少し時間が掛かりそうです。
少女の耳には、誰かの会話が聞こえて来るが反応を示さない。
少女の目覚めはまだまだ時間が掛かりそうだと感じている研究者達は、この少女にとある”呼び名”を付けていた。
氷のように感情を持たず、雪のように白い髪を持つ子その呼び名は『氷雪の救済』__________
“アイススノー・メシア”と。
その少女が未だに目を覚まさないが、遺伝子を徐々に組み換え実験をしていた。
天使、神、星座………その3つの遺伝子がバランス良く保てるように試行錯誤を研究者達は繰り返していた。
様々な声が少女には聞こえて居る筈だが、少女は反応を示さなかった。とはいえ、理由は1つだった。
_____少女は、”無自覚”だからだった。
…研究者達は、黙々と実験と研究を繰り返していた。様々な遺伝子を試行錯誤に副作用が出ないようにも。
元からのベースは存在せず、少女は”人造人間”として…産まれた。
“培養機から産まれた人造人間のエレメントゲール”どして____
重なる程の時が経った頃だった。
少女が目覚めた。
とはいえ、目覚めたのに感じてないのかぼーっとしていた。
手首と足首には、手錠をされていたが。
研究者達は、手錠の鎖を真っ二つに斬り落とした。
自由になった、と言う訳では無いが手と足を動くかどうかの様子見をした。
しかし…………
少女は、座り込んだままになっていた。
研究者達は、精神状態を確認した。
そこには成長段階と書いてある横には”赤ん坊”と書いてあったが、研究者達は冷静に対処していた。
まずは、服を着替えさせる事を優先順位としていた。女性の研究者達は、とりあえず肌に優しい服を選んだ。
そして、女性の研究者の1人が少女の髪色の変化を目撃した。
____どんどんと、白くなっていってる……………
深紅の瞳には、変わらず光は無かった。
深紅の瞳に光が無いのは、目覚めた時から無かった。勿論、少女の意思関係無くしてだった。
彼女の遺伝子がやっと組み換え成功したのが、何年の月日が経った頃でもあった。
彼女自身の遺伝子の組み換えはこうだった。
神=北欧神話に登場する霧の巨人族『ユミル』
天使=ミカエル
星座=北斗七星の星『メグルス』
その少女には、人の血が無かった。ホムンクルスの栄養だけで作られた人造人間。
しかし、研究者達は彼女の感情を目覚めさせて居なかった。ましてや、言葉すらも教えて居なかった。
“少女の宿すエレメント・コア”が狙われているから
……………これが僅かなる理由でもあったからだった。
少女の体内には、生命活動及び魔力(マナ)を保存する為に必要な貯金箱の役割も持っている。
勿論、属性も司っている。
エレメント・コアの名前は、『粉雪』及び『氷水』。
_この少女は”水属性関連を司る”エレメントゲールでもあるのだった。
少女が僅かに着替えられた後、少女は変わらず前しか見ていなかった。
少女は変わらず
今日もまた
その研究者達と共に
過ごすのだった_____…
おまけ
女性の研究者達が少女にぬいぐるみを渡したら
不思議そうに持ってくれたようで、嬉しかったようだ
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