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私には友達がいる。
2年前からの友達。
とても、とても良い人だ。
この人以外に優しい人はいるのか、と思うほど。
そして、言う事が全て私に突き刺さる。
正しいことも、褒め言葉も、意見も、注意も。
言葉の選び方がとても上手い。
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今日もいつも通りにその子と一緒に帰った。
奥行きのない、ごく普通の会話をしながら。
その子は、よく分からない質問をしてきた。
「あのさ、もし自分が自分じゃなくなったらどう思う?」
何を急に。また、不安になるような質問を。
「何を急に。前も言ってたよね、それ」
「いやさ、もし、自分が他になっても友達でいてくれるかなって」
前も答えた。
「前も答えたよ、友達だって。裏切ったら話は別」
「……裏切りは流石にね」
今回はちょっと変だな、と私なりに思った。
いつもなら
「裏切りなんてするような人じゃない!!!!!」
とか言ってるはず。
……まさか、漫画でよく見るようなことにはならないだろう。
そんな世の中都合よくない。
「あ、家ついたや。今日は早く着いちゃったね」
今日は確かに早かった気がする。
「ホントだっ!!じゃあここでばいならかな」
今、家に親はどっちもいない。
「…入っていいよ」
驚く様子を見せる。
「…えっ!?いいのか!?んじゃお邪魔しますっ」
のしのしと遠慮気味ではあるが、踊るように足をつけた。
「はい、どうも〜」
と私も応える。
「うわぁ……すげえええ……模様替えしたのか」
「そうだよ、ソファーとか机とかも変えてみた」
関心しながらソファーに座り込む。
「流石、なんか〜っぽい感じするw」
「ぽい感じってなんだw」
またまた薄い話。なんだかんだ楽しい。
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カタカタッ
「あ、まずい。親が帰ってきた。」
相手の表情が曇る。
「あ、それはまずいな。今でたらバレるよね。」
「うん確実にバレる。」
二人の間に緊張が走る。部屋の温度が下がっていく。
「今日、泊まりな」
驚きを隠せない様子。目が満月になってる。
「とりあえず隠れよう」
正気に戻り、再び隠れる場所を見つける。
とりあえずは自室に隠れこんだ。
だが、靴がある事をすっかりと忘れていた。
リュックは持ってけたものの、1番重要な靴が頭から飛んでっていた。
「大丈夫かな……靴」
「大丈夫だって!!心配ご無用!!!」
(なんって無責任な…)
とは思ったが、それはもうどうでも良くなった
玄関の扉が勢いよく開く音が家中にこだまする。
「ただいま〜」