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特に望んでもいない奇跡を偶然と呼ぶならば、その偶然に甘んじてしまいそうになる自分が許せない。

こんな自分に、恋愛する資格なんてない。

「すみませんっ!」

清水フウカ、独身27歳。つまらない大人になった私は現在OLとして働いている。

仕事でミスをしてしまい、上司に叱られペコペコ頭を下げる毎日に嫌気がする。

完全に私が悪いのに、そんなの分かっているのに上司を嫌ってしまう。

「はあ…」

仕事終わりの飲み会、思わずため息をついた私に鈴木先輩が「大丈夫?」と笑って声をかけてくれた。

「ああ、すみません、ちょっと」

無理やり笑うと先輩に「目が笑ってないよー」と言われ、よく分からない笑いを取ってしまった。

「でもほんとにしんどいなら、言ってよ?」

頬杖をついてこちらを見つめる先輩は、後輩からよくモテる。

鈴木洋平29歳、市内出身で現在一人暮らし。

彼女がいるくせに、誰にでもこんな優しい性格を見せてくる危ない大人だ。女性の先輩からは悪い噂しか聞かない。

でもそんな顔で見つめられると…ダメだ。

「すみません、ちょっとトイレに」

そう言って席を立つと「フウカ?具合悪いの?」と同僚のナツキに言われた。

「うん、でも大丈夫」

トイレの個室に入ると、一瞬目眩がした。

…帰ろう。自分の軽薄さに吐き気がする。

あんな目で見られなくても、自分の汚さくらい十分に分かってる。

あの時の後悔を、忘れてはいけない。

「すみません、体調悪いので先帰ります」

少しでも酔いを覚ますために水を飲み干してからそう言って店を出た。

高校二年生の頃が人生のピークだったと思う。

「あのさ、神様って信じてる?」

新学期、一人で本を読んでいた私に話しかけてきたのはクラスメイトの星野ミドリだった。

「…宗教勧誘ですか?」

「違いますっ」

焦っているようにも見えるその笑顔は、今でもよく覚えている。

「そういえばなんであのとき、話しかけてくれたの?」

ミドリと出会ってから数ヶ月が経ち、すっかり親友になった頃ふとそんなことを聞いてみた。

「…なんとなくかなぁ」

「なにそれー」

今にして思うと、その少女は私の「日常」の中に突然現れた「非日常」だったのだと思う。



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