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ある日、僕は学校の裏山で遊んでいた。本当はこの山に登るのは禁止されている。ずっと昔、がけ崩れとかがあったそうで、地盤がもろく危ないとのことだ。
だけど僕は、そんなことは無視して山に登っていた。特に何があるわけでもないので、他に禁止を破ってわざわざこの山に登るやつはいなかった。だから、ここには僕しかいない。それがちょうどよかったのだ。
「今日はちょっと、上の方にも登ってみるか」
その日、僕は初めてこの山の頂上まで行ってみることにした。理由は特にない。ただ登ってみようという気分になっただっただけだ。
「お、ここまで来ると学校が見えるんだ。……あれ?」
それほど高い山ではなかったが、見晴らしはそれなりによかった。学校がすぐ真下に見える。けれどそれより、そこにあったものが僕には気になった。それは、ボロボロになった家だった。昔、誰かがこんなところに住んでいたんだろうか。近づいてみると、玄関の扉も壊れていた。ちょっと興味を持った僕は、その家に入ってみることにした。
「うわ……ひどいな」
中はあちこちにゴミや家具が散乱している。僕は、なんとなく部屋の一画にある机の引き出しを開けてみた。そこには女の子の写真が入っていた。……その子はなぜか裸だった!
「なんだこれ?」
その机の別の引き出しも調べてみた。すると、そこにも女の子の写真――どれも裸だ――があった。
「なんで女の子の裸の写真なんか持ってるんだろう?」
……まあいいや。こんなところからは早く出よう。僕はそう思って、玄関へと戻ってきた。そのとき、不意に後ろから声が聞こえた。
「ね……アソボ……」
「え?」
僕は振り返ったが、そこには誰もいなかった。
「……なんだ、気のせいか」
僕は再び玄関へと向き直る。すると、そこには異様な姿をした化物がいた。全身は小さな子どもくらいで、人間とは思えない青い肌をしており、何も身に着けていなかった。体はやせて、手足は長く、まるで餓鬼とよばれる妖怪みたいだった。さらに、頭には大きな目がひとつ、顔の真中についていた。
「な、なんだよお前!」
僕が叫ぶと、そいつは化物はにやりと笑った。そして、僕に向かって飛びかかってきた!
「うわーっ!!」
僕は必死になってそいつを振り払った。化物は簡単に吹っ飛んだが、またすぐに起きあがる。
「遊ブ……ノ……アソボ」
「や、やめろ!」
僕は後ずさるが、すぐに壁に当たってしまった。
「オレ……ハァ、かめらノ悪魔、ダヨ」
「カメラの悪魔?」
異様な姿に驚いたが、どうやら悪意はないらしい。僕は少しほっとした。
「キミ……写真……好き?」
そいつは、急にそんなことを聞いてきた。僕は正直に答えた。
「うん、好きだよ。僕、写真撮るのが趣味なんだ」
「ソウカ……ソウカ……」
するとその悪魔は、嬉しそうに何度もうなずきながら、僕の方へ近づいてきた!
「オレ……特別な力、モッテルヨ……」
「特別な力?」
「キテ」
その悪魔は僕を家の外に連れ出し、学校が見下ろせる場所まで連れてきた。そして、その悪魔はカメラを構えて、学校の方を撮りはじめた。
「よし、撮レタ」
悪魔はそういうと、僕の方に近づいてきた。そして悪魔は思わぬことを言った。
「……アノ女の子の裸の写真、ホシイ?」
そういうと悪魔は、校庭で遊んでいた女の子を指さした。
「え? あ、ああ……」
僕は思わずそう答えてしまった! すると悪魔はにやりと笑い、カメラの画面を僕に見せた。そこには校庭で遊んでいた女の子が写っている。……と、その写真の女の子の服が消えてしまった!
「ドウ?」
僕はそれを見て、ちょっとがっかりした。
「なんだ、その程度か。そんなの、別に悪魔じゃなくったって、今ならAIが同じことできるよ」
「ソウナンダ……」
さっきの引き出しにあった写真も、こいつが作ったのかな? 悪魔の力だけあって、あの裸は本物なんだろうな。でも、似たようなことはもう人間でもAIを使えばできる。もうこいつは時代遅れなんだ。……そんなこと考えていると、
「デモ、コンナコトモ出来ルヨ……」
そういうと悪魔は、写真に写った女の子を触りはじめた。その触り方は、なんだかいやらしい。……すると、校庭で遊んでいた女の子の方がもじもじし始めた。
「何をやっているの?」
「写シタ女の子ニ、サワレルンダヨ……」
え、まじか? つまり、写真に写した女の子は、写真を通じて触ることが出来るってこと? だから悪魔は、今写真を通して校庭で遊んでいる女の子を触っているのか?
「ほんと? ほんとにそんなことできるの?」
「ジャ、タメシテミルヨ」
パシャ! 悪魔はそういいながら僕の写真を撮った。そして、その画面を指でピンっと弾いた。すると、僕のち・こに衝撃が走った! わかった、悪魔は今、僕の写真を撮って、その写真のちん・を弾いたんだ! その衝撃が、確かに僕に伝わった。
「すごい!」
僕は・んこがジンジンするのをがまんしながら、そう叫んだ。これは確かに、人間には不可能な力だ!
「それ、僕もさわれるの?」
「出来ルヨ。ヤッテミル?」
そういうと悪魔は、校庭で遊んでいた別の女の子を写した。そしてその画面を僕に見せてくれた。僕は画面の中の女の子の股間を指で押さえてみた。すると、校庭で遊んでいた女の子が、突然股間を押さえて立止った! 触った感じはただのカメラの画面に触れたのと変わらない。けれど、僕の指は、写真を通じてあの女の子を刺激しているみたいだ。
「すごいね! じゃあね、例えば、TVとかに出てる人を、このカメラで撮って、同じように触ったりは出来るの?」
「ソレハ無理ダネ。ソノ場合、触レルノハTVニナルカラ」
「ああ、そういうことか……」
どうやら、これが出来るためには直接その人をカメラで写す必要があるらしい。
「それじゃあ、一度写した人は、いつまでも写真を使って触れるの?」
「ウーン、イクツカ条件ガアルネ。例エバ、写ッタ人ノ姿ガオオキク変レバ、ダメダネ」
「大きく変わる?」
「例エバ、コドモノトキニ写シテ、ソノ人ガ大人ニナル、トカ……」
「ああ、そういうことね」
「アト、人数制限モアッテ、コノあるばむニ入ルダケシカ、すとっくデキナイネ」
といって、悪魔はどこからか一冊のアルバムを取り出した。
「コレ、アゲル」
「いいの!?」
受けとったアルバムをざっと見てみると、100枚くらいは写真が収められそうだった。
「コノかめらデ写真ヲ撮レバ、勝手ニあるばむニ写真ガ入ルヨ。入レ替エモデキル」
人数制限といっても、これだけの写真をストックできるなら、不便はなさそうだった。
「ジャア、かめらモ貸シテアゲルカラ、写真ヲ撮ッタラトキドキ見セニ来テ。約束、ダヨ……」
「わかった! ありがとう!」
これは、すごいものをもらったぞ。僕はそのカメラの使い道を想像するだけで、わくわくした。さあ、これを誰に使おうかな……。(続く)