テラーノベル
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第8話
「弱い。だから、必死にしがみついて、だから、必死に守ろうとして……ね。だから、何も恨むなよ」
私は、目の前に現れた二体目と三体目と四体目の黒影に殺意を向けて剣を振るった。
イマ、ここで逝けば黒猫を傷つける事になる。だから、死ねない。
理由がある。生きる理由がある。
久しぶりにそう思えた。生きる理由なんて、不必要で、不合理的で……無駄の塊でしかなかった。
私の中では、無駄の塊。それ以外に評せない。
でも、これは除けなかったな。と私はまた自嘲的に笑う。
いくらでも、殺してやる。殺し尽くしてやる。
人でも、魔獣でも関係無い。私の大切なモノに傷をつける奴は……
「斬り伏せるッ!!!」
私の本気モードスイッチの入れ方。『斬り伏せる』と叫ぶ事。本当に、それだけ。
私は、黒影の弱点を集中狙いした。
喉仏と、頭と、心臓。
その三点。
そこを突けたら、殺せる。一発だ。
……でも、感覚、五感まで鈍らせる能力。それが一番厄介。
それで、さっきもこんなに多くの傷を負ってしまった。そこがあれば、三秒後には殺せるはずなのに……
黒影に立ち向かった、いつしかの仲間もそれに苦戦していた。
私は、私より少し強い人に守られ、弱い妹に守られ、物凄く強い先生にも守られ……守れなかった。結局、何も守れない無能だ。
今世こそは……守りたいっ!!!
残りは後、一体。
でも、私の体の限界を超えた限界が刻々と近づいてるのが分かる。
「私も、それまで。そんな風にこいつに殺されたくないッ!」
「なら、仲間の力を借りろ。ウィザード」
ハッとして、後ろを向いた。
魔力で分かるはずなのに。姿を見たくなった。
黒猫を抱えた、ルイスだった。
「ッ……! 失いたくないモノが増えるだけ。だから、私は斬り伏せる。どんなモノでも、時には取捨選択をして」
……この前は、自分の命ってのを捨てたな。
私は、前世の事を思い出して苦笑しながら、ルイスの事を……ルイスの緑色の瞳を見つめた。
上野文
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#探偵
橘靖竜
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ライラ🔮🌸🌙
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#シェイプシフター
柊遊馬
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若緑色。
そう表すのが正しいだろう。生き生きとしている。光が……綺麗な光が灯っている。
「……そうか。悪いが、俺も同じだ」
「ふぅん」
私が黒影に向かって構えるとルイスが剣を構えた。
その、いつまでも真っ直ぐは視線の先には……黒影がいる。
……剣だけで戦ったら、負けるな。
ルイスには、いつか組手で圧倒的に、先生みたいに勝ってやろう。
「斬り伏せる」
私は、不敵な笑みを浮かべてから剣を振り上げた。
ギアは全開。
先生。後で相棒の黒猫と、一緒に戦ってるこのルイスっていう私の命の恩人とまた、行きますよ。
でも、そちらの世界にはまだまだ行けるような私じゃないので……許してください。
私は、心の中でそう呟いてから足を進めた。
一発で弱点を突いた。
でも、私のお腹には魔法が当たった。肋骨が折れ、口からは、赤い血がダラダラと出る。
あ〜ぁ。私は……認めたくないけど、ココまでか。
皆はきっと、もっと多く倒してるバスなのに……顔が合わせられないし、あんな事思ってるのがお見通しだったら……はぁ。
でも、後ろにいたルイスは、いつの間にか、胸に剣を。腹に数カ所、矢が刺さってる。
「ルイスッ!!!」
駄目だ……もう……
私は、絶望した……誰にも見せられないような顔だろう。
「ル、イス……」
トボトボと黒猫も歩いてきた。
でも、ルイスの近くに来るとぐったりと、伏せてしまった。こんなにも無理をしたのだ。
いくら、治癒に特化してるからって、流石に……って、これこそチートだ。さっきまで虫の息だったのに……
「そ、んな……かお、す、るな……わらえ……わ、らって、くれ……」
息絶え絶えになりながら、ルイスは笑って喋っている。
「無理だよっ……」「こんな時に……」
「こん、な時っ、こそ……だろ……ッ?」
私に向かって何かを握っていた手を差し出した。
もう、ルイスの腕は半分制御不能なのに……
手を開くと……ルイス愛用の耳飾りだった。
「つか、ってくれ……お、守りだ」
「ッ!」
私は、それを受け取った。
銀メッキ加工で、ルイスと同じ若緑色の宝石が使われている。
「おま、えもこ、っちを……」
ルイスは、黒猫に対してもう片側の耳飾りを渡した。
「ありが、とう……」
「……生き残ってやるよ」
私は、ボソリと二人にしか聞こえないくらいの声量で呟いた。
「「え?」」
「生き残ってやるっ! ルイス。黒猫。痛いかもしれないけど、我慢して」
私はルイスを抱えた後、黒猫をその上に抱えた。
それから、風魔法と重力魔法の重ね掛けて、学校まで急いだ。
コメント
1件
いや、正直この第8話、めっちゃ熱かったし切なかった……。弱さを自覚しながら「生きる理由」って言葉にしちゃう主人公の覚悟が重すぎて心臓痛かったわ。ルイスが息絶え絶えで耳飾り渡すとこ、マジで泣くかと思った。二人一匹で「生き残ってやる」って叫んだ決意、ちゃんと報われてほしい……🔥