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ネコの退屈
28
目玉おやじside
「…行ってしまったのォ」
目玉の親父がせいが出ていった方向を見ながら、悲しそうに目線を提げながら言った。
「えと、あの人も妖怪なんですか?」
犬山まなが不思議そうに質問をした。
その言葉に、鬼太郎は1度ぴくり、と身体を反応させたが何事も無かったかのように、目玉の親父の入っている茶碗風呂にお湯を注いだ。
「いいや、あの子は“呪術師”じゃ。」
「“呪術師”?“陰陽師”じゃないんですか?」
その言葉に目玉の親父は、頷いた。
鬼太郎はせいが出ていった方を心配そうに、犬山まなが見た事のない顔をしていた。泣きそうで苦しそうな顔だった。
「……父さん、」
鬼太郎は、静かに立ち上がり、せいが歩いていった方に体を向ける。
「せいと話してきます。」
「おぉ、頼んだのぉ。」
鬼太郎は一人でせいを追いかけて行った。
目玉の親父は、犬山まなに説明すべく、語り始めた。
「このゲゲゲの森は、まなちゃんたちが住む世界とせいちゃんたちが住んでいる世界、妖怪が住んでいる世界など様々な世界と繋がっておる。」
目玉の親父は、茶碗風呂から上がり、小さなタオルで身体を拭きながら、説明を始めた。
「せいちゃんの世界には、“呪い”を倒すべく現れた“呪術師”という職業があるんじゃ。」
目玉の親父から出た、“呪術師”という言葉にまなは首を傾げる。
「呪術師というのは、陰陽師と近いしい。
陰陽師は一般的に正で負を払うが、呪術師は呪いをもって呪いで払うんじゃ。」
ウンウンと頷きながら、目玉の親父は答える。
そして、昔を思い出すかのように目をゆっくりと閉じた。
「せいちゃんのひいおばあちゃん、千代がわしらと妖怪が住んでいる世界と手を取り合って、仲良くしていた人間の1人じゃった。」
水木と言う青年の次に出会ったのが、千代だった。千代は冷静に見えるが本当はおっちょこちょいでドジっ子だった。だが、誰よりも優しく正義感に溢れている子だった。
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