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取り敢えず露理葉さんがネットに上げていた動画のURLは確保した。
何かあったら(なくても)締め上げるとして……
さっき渡された新しい冒険者証を起動してみる。
「あ、マモルッチ、それってウチラのと色が違うけどひょっとして……」
起動後にステータス画面(表示内容限定版)を表示してテーブルの上に置くと3人が覗き込んで、
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[名前] 小野麗尾 守
[クラス] サマナー
[ランク] C
[所持スキル] 《剛幹+1》《冥府魔道耐性》
[踏破実績] IFL:一回
G:六回
F:一回
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「おい、小野麗尾、お前、ランクが……」
「IFLって実績にカウントされるんですねぇ……」
「ていうかスキル少なっ!……これで大丈夫なの?」
「良かないけど、モンスターが優秀だから……IFLで報酬貰ったから強化するし……」
「お、やっぱり報酬は貰っていたのか!で、ドン位出たんだ?次は俺達も参加できるし、稼げるなら積極的に行かないとな!」
「う~ん。俺と言うより、こっちの黄泉大毘売命の二人が稼いだようなものだから胸を張って言えるような物でもないけど……ざっと、一億位?(小声)」
「小野麗尾君、急な話ですが、恵まれない子供達の為の寄付とか興味ありませんか?」
「恵まれないボクサーへのスポンサー枠もあるぞ?」
「〇×四天王最弱と評判の子も支援が欲しいで~す♪」
「ダンジョン池。もしくは逝け」
タカリダメ、絶対。
「スポンサーといえば、DM社の十文字君の担当が僕に話が有るとか聞いたけど?」
「ああ、この間のスタンピードの映像を見た担当の人、茂野造(ものづくり)さんって言うんだけど出来るだけ早く小野麗尾と話がしたいって連絡があってな。連絡先はこれな。何時でもいいから掛けてくれってさ」
「わかったよ、近日中に連絡してみる」
スタンピードって事はドワーフ製の武具の事かな?
話は商談か技術交流か。どちらにしても実り(げんきん)多い物だと良いなぁ。
「この目の前を札束がベルトコンベアで運ばれていくような感覚……マモルッチ、私も何か出来る事ない?」
儲け話に喰い込みたい、その気持ちは痛いほど理解(わか)るんだが……
「青葉さんの召喚モンスターって生産・加工技術持ってたっけ?」
「ううん…… 私含めてそんな技能スキル持っている子はいにゃい……(泣」
「そっかー……本人はともかく、バードマンの弓使いなら、矢の作成位できるような気がしたんだけどなぁ……」
「ううっ(泣、全部公式ショップで買ってる……(号泣」
それは……な、涙が止まりませんよ。バードマンくんはもっと本気出してどうぞ。
「僕もドワークが来る前は全部買ってたから分かるけど、高いよね、あれ……」
使い捨てが勿体さすぎるからモンスターを倒した後の回収作業の癖が抜けないんだよなぁ……
「えっ!!マモルッチ、ドワーフが作ってくれるの!?それって無料で矢が使い放題って事!?」
タダじゃあないんだよなぁ……
「原材料+工賃込で酒払いを要求されるんだよなぁ……」
「酒払いって……」
「ビール1樽分?」
「待って、それって普通に買うより」
「知り合いに酒屋が居ると纏め買いで割引が効くんだよなぁ……」
「小野麗尾君は何気に謎の人脈がありますねぇ……」
「教会組織とか言う秘密結社めいたサムシングに所属している人に言われてもねぇ……」
何故か適当に情報交換というグダりをしばらくした後は〇×県庁に向かう。
受付で用件を告げ、案内先の窓口前で待っていると、
「小野麗尾さん?小野麗尾さんじゃないですか?」
偶々通りがかったっぽい役所さんに声を掛けられた。
驚きで固まりかけたが、急いで立ち上がり、
「役所さん、こんにちは、ご無沙汰しています!」
役所は若干苦笑いをして、
「いやいや、そんなに大仰に振舞わなくても良いですよ。この間は大変でしたね。今日はどうされましたか?」
「はい、私の召喚モンスターの戸籍作成と役所さんにいくつかお話を窺いたく、こちらを訪ねさせていただきました」
「戸籍作成、ですか。興味本位ですみませんが、一体どんな……おや、6体も……」
「いえ、5体の予定ですが……」
書類を再確認すると、予定メンバー分+1の書類が確かに。
「失礼しました。どうやら書き損じの書類が1枚混ざっていたようです」
「保証人欄のみ未記入の様ですからそこを書いていただければ」
「いえいえ、私の召喚モンスターにこんなの(イザナミ)居ませんから」
「大丈夫なんですか?その……祟り的に」
「ええ、シュレッダーにでも掛けといてください。何かあったら手遅れになる前に私に連絡いただければ」
「それは、何かが起こる事を前提とした発言ですよね!?」
神ならぬ人の身には未来は分からないので予想するしかできないんですが。
「それで、相談したい事なんですが……」
若干のトラブルがあった物の書類の受付が終わり、恙無く相談も出来て県庁を後にして最後に異常空間対策局に足を向ける。
受付で相談希望の旨を告ると、何故か前回報酬の話をした応接室っぽい部屋に通されて待つ事しばし。
廊下を走るような気配がして何となく身構えると、板挟見さんと何人かの人が入室してきた。
「いや~お待たせしました、小野麗尾さん。本日は如何なされましたか?」
「先日報酬で頂きましたレメゲトンの運用に関しての確認と、これ自体の危険度が上がってしまったのでそのご報告に窺ったのですが……」
「危険度が上がったですと? ……失礼、自己紹介が遅れました。
私、東京都冒険者装備販売店の召喚カードのフロア責任を担当しております鈴木 太郎と申します。宜しければ私もお話を伺わせていただいて宜しいですか?」
「はい、こちらの受領後にルシファーを名乗る悪魔との接触がありまして、悪魔召喚初回無料の特典と、ルシファー本人の召喚許可が追加されまして……」
「何ですと! ……失礼、拝見させていただいても?」
「はい、こちらになります」
そう言って該当のページを開いて見せると、
「おお、何と言う……これは確かに仰る通りの物の様です。小野麗尾さんは今後これをどのように?」
「例の御方を除いて自分で運用できればと考えてますが、召喚機の管理から外れた召喚となりますので、私独自の召喚様式と併せて運用の許可の確認をさせて頂ければと……」
ここまで言うと板挟見さんが、
「これは申し訳ありません。私共の手落ちですね。レメゲトンに関しましては召喚運用に関しましては小野麗尾さんに一任させて頂くことになりますが、召喚したモンスターが被害を発生させた場合は、小野麗尾さんにその責任が発生する事になりますので、その事はご留意頂ければと。また、小野麗尾さんの独自召喚様式に関しましては現在検討中となります。今後此方からお話を窺わせていただく事もありますが、ご協力お願いいただければと。また、結論が出るまで小野麗尾さんの独自召喚様式に関しまして使用を控えて頂けますと……」
「分かりました」
「お忙しい中お時間頂きありがとうございました。それでは私はこれで失礼致し……」
まそうとした所、左右から腕を掴まれる。
片方は鈴木さん、もう片方はさっき板挟見さんと一緒に部屋に入ってきた人だ。