年を越した数ヶ月後…
冬風が少しずつ収まり、暖かく感じるような風が吹き始めた立春の頃…
休日
フレイムは駅にいた
「あった」
フレイムが探していたのは、駅の中にあったピアノ
「さて…」
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
響くピアノの音、弾いているのはフレイムだということはまだわかっていない
すると
「ねぇ、あのお姉さんピアノ弾いてる!」
「本当だね!上手だわ!」
親子の2人がフレイムのピアノ姿に見とれていた
ちなみにフレイムが弾いているのは木漏れ日エール
「…素敵な音色」
1人のウマ娘がいた。髪の色はアルダンとほぼ同じ水色のウマ娘
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
『やっぱり弾くのって楽しいな』
そして弾き終わると、既に大勢の人が見ていた
素敵な音色だろうか拍手する人もいた
「ふぅ」
「ピアノ上手だったよ」
「誰?」
「ケイエスミラクル、初めまして」
「メジロフレイム、チームスクーデリアのメンバーだ」
「おぉ、あのスクーデリアのメンバーなんだ」
「そうさ、三冠を目指してる」
「三冠か、頑張らないとね」
「頑張って三冠、チャンスは1度、逃せばもうないクラシックだからな」
「おれもみんなに恩返ししたいから、日々頑張らきゃね」
「ここで話すのもあれだから別の場所で話さない?」
「君って、有名なメジロ家の子だよね?」
「あぁ、俺は生まれつき声が低くてな、男子みたいなやつって言われたことがあって」
「声が低い?むしろおれは長所だと思うよ」
「長所?」
「カッコイイよ!声が低い女の子中々いないからね」
「…ありがとう…なんか照れるな…」
「そうだ!フレイム、ちょっと付き合ってくれない?」
「…?」
ケイエスミラクルと共にやってきたのが。
「え?病院?!具合でも悪いのか?!」
「ううん、お願い事があってね」
「お願い事?」
院内
「みんな!」
「わぁ!ミラクルお姉ちゃん!!」
フレイム達のところに集まってきたのは子供達。だが、怪我や病気の子がほとんど。
「ミラクル…この子達は?」
「俺が入院してた時に仲良くなった子達なんだ」
「…後ろのお姉ちゃんは?」
「メジロフレイム、名門メジロのウマ娘」
「…声が低いね」
「生まれつき声が低くてね、男子みたいな声なんでね」
「…そうそう、フレイムねピアノ弾けるんだよ!」
「ピアノ弾けるの…?」
「…まぁある程度知ってる曲なら」
「やってみてくれる?駅中で引いてた木漏れ日エール」
「OK」
フレイムは院内のピアノに座り。木漏れ日エールを弾いた。
「よし!!」
🎼.•*¨*•.¸¸♬🎶•*¨*•.¸¸♬•*¨*♪♬•*¨*♪¨*♬🎶•*
「「「わぁ〜!!!」」」
「凄い!圧巻だね!!」
メジロフレイムのピアノ演奏は院内に響き渡った。
♬*.*・゚ .゚・*.🎼.•*¨*•.¸¸♬🎶•*¨*•.¸¸♬•*¨*♬•*¨*♪•*¨*♬🎶•
帰り道
「凄いね!おれも感動しちゃったよ!」
「ありがとう!院内の子供達も見とれちゃったみたいだし!」
「おれもピアノ少しなら弾けるけど、今度教えてくれないかな?」
「いいぜ!何弾きたい?」
「えーっと、overrunnerかな?」
「overrunner?」
「おれ初めて舞台やった時のエンディングなんだ!」
「あぁ!なるほど!後で教える!」
ピアノ披露で現れたケイエスミラクル。優しいな。
翌日
フレイム達の教室
「フレイムさん!今日は放課後遊びに行かない?」
「悪い、ピアノ教えくれって友達から言われて」
「じゃあまた今度ね!」
「誘ってくれたのに悪い!」
「いいのいいの!気にしないで!その子のピアノ上手になるといいね!」
「そうだな!」
廊下
「さてと、音楽室は…」
「え?!」
「ねぇ、フレイムって言うんだっけ?」
「あぁ…メジロフレイムだけど?」
「やっぱり!めちゃめちゃ声がクールでかっこよくてマジ惚れる〜!!」
突然現れた元気なギャルウマ娘に遭遇したフレイム。けど、この子…
「これからどこ行く〜?」
「音楽室、ピアノ教えてくれって頼まれてて」
「それってミラクル?!」
「え?!知ってるの?」
「知ってるもん!ミラクルとズッ友だし!」
「君…確かパーマと仲良いダイタクヘリオス?」
「ウチのこと知ってるの?!」
「パーマと同じメジロだし」
「ねぇねぇ、ウチもミラクルのピアノ練習付き合ってもOK?」
「…邪魔しない程度なら」
音楽室
「待たせて悪いミラクル!」
「全然、ヘリオスも一緒だったんだね」
「ウチ、ミラクルのピアノ練習応援するから!」
「あんまり騒ぐなよ、旋律覚えずらくなるから」
「全然大丈夫!」
「じゃあ始めるか!」
ミラクルのピアノ練習が始まった。
「ここってどうすればいいかな?」
「ここはできるだけ速く弾いた方がいいね、最初は難しいけど、繰り返せば完璧になるよ」
「そうなんだ!!」
その後も練習を続けた。
「今日はここまでかな」
「今日はありがとう!また練習付き合ってくれるかな?」
「もちろん、いつでも付き合うぜ!」
「………」
「ヘリオス?」
「寝てんのかよ…」
練習が長かっただろうかヘリオスは寝てしまった。
「ヘリオス、起きろ!」
「…ふわぁ〜、あれ?練習終わったん?!」
「終わったよ、ぐっすり寝てたけどな」
「え〜、ミラクルのピアノ演奏大半見れなかったし〜!マジでガックシ…」
「ハハハ、また見に来てもいいんだよ!」
「ホント?!次もウチ応援する!!」
「次は寝るなよ???」
「大丈夫!」
確かなひとときを感じた。
ミラクル・ルビーの部屋
「ミラクルさん、お帰りなさいませ」
「ただいまルビー」
「…その冊子?」
「これ?フレイムが教えてくれたoverrunnerのピアノの楽譜だよ」
「フレイム?」
「メジロフレイム、おれにピアノ練習の先生だよ」
「メジロフレイムさんピアノ練習の先生…お上手ですね」
「本当に凄かったよ、フレイムのピアノ演奏!」
ダイイチルビー
華麗なる一族の娘。ケイエスミラクルと同室でもあり、ダイタクヘリオスとはライバルでもある。
(メジロフレイムさん、明日会ってみたい…)
「ルビー?」
「い…いえ、なんでもありません」
ルビーもフレイムに会ってみたいと思った。
翌日
「フレイムさんピアノ弾けるんだ!」
「まぁある程度知ってる曲はね、幼少期かなりやったから」
キタサン達と一緒に登校していた。
「フレイムさんのピアノ弾いてる姿見てみたいな!」
「なんならホームルームまで時間もあるし、見に来る?」
「本当に?!」
「見てみたい!!」
「僕も…見てみたいな」
「決まりだな!!」
音楽室
「じゃあ弾くね、ユメヲカケル!!」
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朝から響く室内。フレイムのピアノの腕前は凄かった。
🎼.•*¨*•.¸¸♬🎶•*¨*•.¸¸♬•*¨*♬•*¨*♪
(あれがメジロフレイムさん…!)
音楽室の外からルビーが眺めていた。フレイムのピアノに見とれてしまった。
「ふぅ〜!」
「凄い!フレイムさんかっこいい!!」
「かっこいいって言われると照れるな…」
「凄いよ!コスプレもできる、ピアノも弾ける!」
「本当に…かっこいい!」
「…ありがとう!んじゃ戻るか!」
チー厶スクーデリア トレーナー室
「トレーナー、テスト好調?」
「悪くは無いよ、けど今年のホンダは速い」
「まさかの1分42秒台出しちゃうなんて!」
三井とローマは、今年のテストで話していた。鈴鹿でホンダのチームが圧巻のタイムを出してくるとなると、かなり手強そう。
「フレイムはさっきからなにやってるの?」
「あぁ…ミラクルにピアノ練習の先生役任されてまして」
「えぇ?!フレイムピアノ弾けるの?凄い!」
ローマも驚いていた。すると…
「失礼します」
「はい、どうぞ」
入ってきたのはダイイチルビーだった。
「ルビー先輩?」
「メジロフレイムさんはいらっしゃいますか?」
「ここだけど?」
フレイムの方に来たルビー。何があったのか分からなかった。
「初めまして、ダイイチルビーです」
「…メジロフレイム、初めまして…」
「ミラクルさんのピアノ練習の先生やってますね?」
「やってる…同室なの?」
「はい、今朝ピアノ弾いてましたよね?」
「え?見ていたの?」
「…凄かったです、他の方にも見とれてしまう演奏、誰もマネ出来ないメロディーが感じられました」
「誰もマネ出来ない…?」
「…練習見に行ってもいいですか?」
「…別に構わないけど?」
ルビーもピアノ練習の応援?か分からないけど、練習風景を見に来た。
音楽室
「ミラクル、また1人来ちゃって」
「ルビー、見に来たの?」
「ミラクルさんのピアノ、聞いてみたいと思いまして」
「ありがとう、まだ弾ける段階じゃないけどね」
「始めるか、ミラクル!」
「うん!」
🎼.•*¨*•.¸¸♬🎶•*¨*•.¸¸♬•*¨*♪
また響き渡る音楽室。昨日より上手になったか響きが長く感じた。
「スゲェじゃん!上手くなってるよ!」
「ありがとう!」
(楽しそう…ミラクルさんがあんなに笑顔を見せること…)
そして、第一旋律が全て弾けたミラクル。嬉しそうだった。
夜
「第一旋律のところミスなく弾けて凄かったぜ!」
「ありがとう!楽しかったよ!」
「全部弾けるようになったら感謝祭で弾こう!」
「うん、その為に頑張らないと!おれを救ってくれた人たちにも恩返ししたいから!」
「救ってくれた…?」
「…実は、おれ2度も死にそうになって」
ミラクルは2度も死にそうになった事があり、それを聞いたフレイムは驚いてた。
「…怖かったよ、もう会えなくなるって」
「……」
「けど、奇跡があったから今のおれがいるんだ!」
「……ミラクル」
「?」
フレイムは何を言い返したらいいか分からなく、あるとしたらあれしか無かった。
「フレイム?」
「…怖かっただろう…今思えば」
「…そうだね」
「…俺も恩返しの協力してもいい?」
「いいの?」
「…うん、だって…2人だとその想いが多くなるだろ…」
「…ありがとう!」
ミラクルとフレイムの微かなひとときを感じた夜だった。
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次回、皐月賞書きます!