注意事項
・イタリア王国→ドイツ帝国描写
・ドイツ帝国×二重帝国描写
・ナチ→イタリア王国描写
「ひっどいなぁ〜〜。そこまで拒絶することも無いだろう?」
あはは、とわざとらしい笑いを見せながら明るい声で話すのは海軍のものと思わし軍服を身にまとう、イタリア王国である。
暗いこのドイツ帝国の古城にはロウソクの火が良く合う。見当たるだけでも数十個のロウソクらがそれぞれ赤々と光っている。
その淡いロウソクの火に照らされ、その場に居るのは3人だとわかるだろう。
まずはイタ王、そしてその彼にしつこく話しかけられ拒絶し続けているのがドイツ帝国だ。椅子に座り、酒を飲みながら、
「うるさい。俺はお前と馴れ合う気はないんだ。」
裏切り者のお前とはな、と釘を刺す様に言うが、彼にはダメージは微塵もなさそうだ。ニコニコとうざったらしい笑顔を見せながら、ドイツ帝国の手に自身の手を添え、仲良くしようよもう終わったんだしさと、言う。その言動からは反省の色は微塵も見えず、ドイツ帝国がイライラするのも仕方ないと言える。ぱしっと手を払い除けイタリア王国の胸板を強く押し視界から外し、
「お前はしつこいんだよ!昔からッ!そういう所だ!自分勝手なんだよお前は!昔から妙に気に入らないんだ!」
と、声を荒げてはそう叫んだ。それが耳に入り込み、脳が理解してしまうと、彼は少し悲しそうな顔をする。
「あはは…誰のせいでだと思ってるわけ?………はぁ、邪魔したね。君はそこの彼といちゃついていなよ。」
そう、言い放つ様に言うと、どうすればよいのか、とどうにか二人を仲介しようと考えつつ困った様におどおどしている、オーストリア・ハンガリー帝国(以後二重帝国)を指差し、硬い軍用靴で更に硬い石床を蹴りつけては、彼らに背を向け歩き出す。ただ、部屋をでる最後まで、ドイツ帝国を気にしているようだった。
「ッはぁ…イタリアのヤツ……」
「大丈夫ですか…?」
「大丈夫だ…心配は要らないさ。お前も酒飲んで休むといい」
「私は大丈夫ですよ。あまり強くないので。にしても、しつこいですね、アイツも。こう、いつまでも執着するものでもないでしょうに」
「アイツは…ホント、よくわからないヤツだ…」
頭に右手をやり、はぁ、とため息をつく。
「でもまぁ、気にすることもないだろう。アイツもアイツで居場所あるだろうしな」
「ですね、……」
と言う会話をイタリア王国が聞いていたのは言うまでもない。
「はぁ、二重帝国め……かわい子ぶちゃって。うっざ…な〜んもわかって無いくせに」
そう、不快そうに呟くと、今度こそ、城跡をでていった。
「ただいま、…」
自身の居住地に戻ってくると、返って来る筈はないのに、癖でただいまと、言う。この場に普段から住んでいるのは自分のみ。ごくごくたまに、年下の元同盟相手のあの人が勝手に上がり込んでいる事もあるが、今朝追い返したばかり。さすがにいないだろうと思っていたが、
「おかえりなさい!イタリア王国さん!待ってましたよ」
「え、ちょっとちょっと!?何、勝手に上がってるのさ」
「だめですか?」
「当たり前だろ?いいわけないだろ」
顔を顰めてそう言うと、年としては子供にあたる年齢のナ☒スドイツ(以後ナチ)は少し悲しそうな顔をする。
「、…やめてよその顔。罪悪感でも植えたいわけ?」
「はい!」
「はぁ…、変な所で素直だなぁ…君は…」
ため息をついては、グチグチと文句を言う。
そして、イタリア王国は、少し考える仕草を見せてから、
「ま、良いや。あとで帰ってもらうからね?取り敢えず、僕はあの子の様子見てくるヨ。…………荒らすとかやめてよ?」
「わかりました。お気をつけて、」
ナチはと言うと、敬礼をし、了解という意を表すと、イタリア王国の姿が見えなくなるまでその背を見つめた。
コメント
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1話の最後の謎の会話はここで繰り広げられていた会話説もある気がする、、