テラーノベル
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登場人物
・中西亜子 (ナカニシ・アコ)高校一年 顎にコンプレックスを持つ主人公。
・橋本聖亜 (ハシモト・セイア)高校一年 亜子の憧れの人。亜子とダンスパフォーマンスユニット(せいあこ)を組む。
・七瀬流賀 (ナナセ・リュウガ)高校一年 亜子のクラスメイト
・菊田小町 (キクタ・コマチ)高校一年 亜子の仲良しの友達
・滝川礼紗 (タキカワ・レイサ)高校一年 亜子と小町と三人組でつるむ。
・中西忍 (ナカニシ・シノブ)中学三年 亜子の妹 亜子に対して上から目線。
・中西正彦 (ナカニシ・マサヒコ)亜子の父親
・七瀬さえ 流賀の妹 喘息持ち
・朝倉舞歌 (アサクラ・マイカ)二年の時の亜子と聖亜のクラスメイト
・本郷弓弦 (ホンゴウ・ユズル) 亜子と同じ小・中学校。
「おーい、しゃくれー!あごー!あごー!」
「そ、そーゆーこと言うのやめて……欲しい……な……」
「なになにー?全然聞こえなーい」
「あ、あの……。だからっそーゆーこと言うの、やめて……ほしい!」
「うわっ。顎が出てる亜子様がお怒りになってまーす~~!!お~こわいこわい!」
……わたしは小学生の頃、自分のしゃくれた顎をからかわれながら過ごした。
そのたびに落ち込んで、
こんなんじゃダメだ、強くならなきゃ、我慢しないでもっと言い返せるようにならなきゃ、と思い続けてきた。
そう、わたしの最大のコンプレックスは、
この「しゃくれた顎」
小さい頃から顔立ちは綺麗だねと言われ続けた。
ただしそれは……この「顎」が出てなければの話。
「残念ねー。せっかく綺麗な顔立ちなのにあの顎がねぇ」
「ほんとー。残念」
わたしが中学二年の時に亡くなった大好きだった母は近所の人がそう言ってるのを聞いて、心を痛めてた。
わたしもきついけど、お母さんも可哀想。
わたしが……。こんな顎さえしてなければ……。
___高校入学式。
儚げに桜が散りしきる中、下駄箱を出たわたしは友達と楽しげに歩いている彼女……「橋本聖亜」に出会った……
風になびく長い髪。
丁寧に一歩を踏み出す細い足。
光り輝くオーラをまとった天使のような横顔。
それはまるで、美しい一枚の写真を見ているかのようで。
わたしは……この子と絶対、仲良くなりたい。そう願ってしまった。
それはきっと……彼女といれば、自分自身を変えられると、直感したから。自信が持てるようになるってそう思ったから。
そう、その日から彼女は、わたしにとっての「希望」になった。
そして……。
わたしの中に大きな「革命」が起こった。
苦しみと喜びが交差する「革命」が……。
「お母さん、わたし強くなるね!」
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