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それからの私は体調が良い日は必ず、菊さんのもとへ行きました。菊さんは私のことはけしてご家族には言わないでと釘を刺されておりましたので、いつもこっそり家を抜け出して、まるで忍者にでもなったような気分でした。

「菊さん!」

「あら、こうちゃん。こんにちは」

私がいつも参る時、菊さんは綺麗な菊の花の世話をしていました。一輪しかなかったのですが、大切に大切に育てられているのか、その菊はまっすぐ空に向かって伸びていて、何輪も咲き誇っているように華やかでした。

「いつも思ってるんだけど、菊さんはいつもその綺麗な菊の花を育ててるよね。……大切なものなの?」

「ええ。……大切なものですよ。私は日本ですから、日本を象徴するこの菊が一番好きなのです。太陽の方を、ずっと見続けているから、前向きなれる。苦しいことがあっても笑顔になれるのです。……もちろん、桜も好きですよ。」

「ふうん。でも、一番は菊なんだね」

「ええ。……昔を思い出して、そう、一番、落ち着きますしね。……こら、ぽち。粗相をしない。」

菊さんの柴犬は菊さんの足元で小さく便をし、それを楽しそうに菊さんに見せているのでした。菊さんは恥ずかしそうに耳まで真っ赤にして、

「ぽち。お願いですから、こうちゃんがいる時だけでいいですから、どうかお庭の隅っこでしてくれませんか? ……恥ずかしいですから」

とおっしゃって、私に、はにかみながら頭を下げるものですから、私はすっかり楽しくて仕方ありませんでした。

「もう。笑わないでください、こうちゃん」

「いひひ。ぽちって可愛いね。ぽちっていつもふわふわしてるし、遊んでくれるし、ぼく、いつも楽しい!」

「もう。……よかったですね、ぽち。ぽちのこと、可愛いって。もう、そう言ってくれるのはこうちゃんだけなんだからね」

ばう! と嬉しそうに柴犬は菊さんの周りをくるくる走り始めました。もう、と言いながら幸せそうな眼差しで柴犬を見つめる菊一さんは、綺麗でした。

だから、だからこんな、こんな日が続けばいいとばかり思っていました。大きくなっても、菊さんのそばにいられると、菊さんの笑顔を見ていられるとばかり、思っていたのです。ですが現実は、思ったよりも甘くは、ありませんでした。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

1

ユーザー

何があったんでい!!?えええ!?何何何何何!!!!!!?? もしかして体調悪化でもしちゃった!?それとも周辺国との関係悪化とか…?なんか後者っぽい…!! てか、本当に何があった!? そしてもう何度も言いましたが、羊右様の文章力やキャラの性格の伝え方、キャラの魅力を引き出す力……! 全部凄すぎです!! なんでこんな二次創作でこんな、凄いんですか…!!(語彙力よ……)

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