コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
桃赤
赤『なにいってんの!笑 』
いつも通り仲間と馬鹿みたいな話をして、
いつも通り撮影して、配信して、
永遠ではないけど、まだまだこんな日々が続くと思っていた。
赤『……』
紫『赤くん?なんか暗いね…どうしたの?』
赤『ぇ……』
なんか、なんかわかんないけど…
赤『…俺が、いなくなっちゃいそう…っ』
橙『な、なにいっとん…笑』
青『赤くんは赤くんだよ、?』
黄『それって…活動やめるってことじゃ…』
赤『違うのっ、なんか…わかんないっ、』
桃『……』
桃くんは、なにか知ってるのかな。
赤『やだっやめてっ!』
母『うるさいっ!!』
赤『いたいっ、やめてっ』
『おかあさんっ…!』
母『黙れっ!あんたなんか…!』
『生まれてこなければよかったのに…! 』
赤『っ…!』
こんな夢ばかり見ていた。
見ていたら、思った。
俺、家族に会ったことない。
家も、住所も、名前も、顔も知らない。わからない。
この夢の出来事はなに一つ覚えていない。
そういえば、今に夢中で過去のことなんて考えたことなかった。
考えると、俺の小さい頃の記憶って、ない。
よくよく考えると、過去を聞かれてもちゃんと答えてなかった。
みんなに出会う少し前からしか、記憶がない。
赤『っ、』
『ぁ、あれっ…』
『俺っ、』
【みんな、ありがとう。】
そう書いた紙を残した。
『…終わっちゃったね、』
『また今日から、私だね。』
『赤くん。』
、『おはよ!』
紫『今日はテンション高いねぇ』
黄『よかったです!』
橙『やっぱり赤は赤やーん!』
、『疲れてたみたい笑』
黄『そんな日もありますよね〜』
青『…?桃くん?』
桃『……』
黄『青ちゃん、?』
青『あー、いや、桃くんテンション低いなぁって』
、『桃くんっ、…?』
ねぇっ!戻ってよ…!
俺の仲間はっ!?リスナーさんは!?
ねぇっ…!
みんなっ…!
もう、入れ替われないよ。
だって私の身体だもん。
そんなの嫌だっ…!
今まで幸せだったのに…!
ねぇ、たまにでいいから…っ
………
、『ねぇ、桃くん』
桃『ん、?』
、『私のこと、わかるんでしょ?』
桃『…知らないな。』
『お前なんか。』
、『まさか気づかないうちに桃くんと…笑』
桃『だから知らない。』
『俺は赤と一緒に、みんなと活動していきたかった。』
、『…っ、』
桃『似てるかもとは思ったけど…やっぱ気づきたくなかった。』
、『そっか…私より赤くんのほうが…』
桃『……ごめん。』
紫『あ、赤くん!桃くん!撮影行くよ〜!』
桃『はーい、、』
、『……』
桃くんは、私のことを覚えていてくれた。
でも、赤くんと一緒に過ごすほうがよかったの。
じゃあもう、私はこの世から消えてしまおう。
でも、もうちょっと楽しんでみようかな。
ごめんね、お兄ちゃん。
もう少しだけ、愛されている赤くんで居てみたいの。
それから、1ヶ月ほど赤くんで楽しんでいたある日。
桃『なぁっ、』
、『へっ、』
黄『どうしたんですか急にっ、』
桃『いつになったら赤に戻るんだよっ!!』
、『…は、?』
紫『桃くんっ、離してっ!なんで赤くんをっ…!』
桃『赤じゃねぇよっ!』
、『でもっ!元々は私の身体よっ…!』
青『え、?』
橙『私って…、赤…?いや…だれ…っ?』
、『……お兄ちゃん、』
桃『その呼び方はやめろ…』
紫『ちょ、なにが…?』
桃『簡単に言う。』
『こいつは俺の妹。』
『何年も前に行方不明になって、結局見つからずにいたんだよ。』
『だから、今更戻ってくんなよ…っ』
、『そんなこと言わなくたって…!』
桃『今はっ…赤といるのが幸せなんだ…』
『俺の知らないところで辛かったのかもしない…』
『けど…大切な仲間を失いたくない…』
、『…わかった。』
『ごめんね、』
紫『なんで、いなくなったの?』
桃『親が離婚したとき、あいつは父親の方に行ったんだ。』
『そしたら再婚したって聞いて、』
『あとは、…会いに行ったら行方不明になった』
『記憶が曖昧で…』
『でも、行方不明になってる間に赤っていう人格が生まれたんじゃないかな。』
『ストレスで。』
青『まるでゲームみたいだね…』
黄『ほんとですね…』
橙『…赤、ちゃんと戻ってくんのかな。』
【〇〇付近の海で遺体が発見されました。
身元は不明ですが、数日前に姿を消した
赤さんかも、とネット上で話題になっていました。 ですが…】
まだ、行方不明のまま。
身元もわかっていないから、
結局どこかで生きているのか、
海で死んでしまったのか、
別のところで死んでいたのか、
そもそも、あいつと赤は別人だったのかもしれない。
なにもわからない。
『俺じゃない俺が俺のフリをする。』
𝐸𝑁𝐷𓂃𓈒𓏸◌