イギフラに見えますが違います
ただの仲いいお友達関係です
ここでのイギリスはかわいい………というか優しい
オチの無理矢理感半端ないです
オレンジ色の光が教室を明るくする。その中には、日の光に照らされて出来た人影があった。
その二人……フランスとイギリスが、向かい合わせで何かを話している。
仏「……なぁ、イギリス。」
英「なんですか、フランス。」
仏「……僕って、何しても報われないの?」
淡々と冷静に言うフランスだが、顔には悲しみと悔しさが表れている。
この日は、学校の美術展コンクールの日。たくさんの生徒がこれに応募し、優秀賞を狙う。無論、フランスもその1人だった。
けれど、フランスが丹精込めて描いた絵は、最初の段階で弾かれてしまった。
…つまり、コンクールに出して貰えなかったのだ。
英「…、そんなこと、ありません。…いつか貴方の作品に、目を向けてくれる人が……」
仏「ッ『いつか』って、いつだよ。」
英「っ、それは……」
フランスのネガティブな発言に、イギリスはそんなことないと元気づけようとしたが、 あの一言によりイギリスは言葉を詰まらせてしまった。
仏「……みんなそうだよね。僕が描いたからって見向きもしない。」
英「……」
イギリスは何か掛ける言葉を探すが、何も見つからなかった。
仏「…君だから言うんだけどさ。…、僕、絵を描くの、やめようと思うんだ。」
英「…えっ……?」
仏「……いつか認めてもらえるって思ってずっと描いてきたけど……君が、イギリスが僕の絵が好きだって言ってくれるから頑張ってたけど……」
仏「もう、無理だ。」
仏「僕、もう……頑張れないよ、イギリス。」
そういう彼の顔には疲れが滲み出ていた。
……ずっと彼の頑張っている姿を目にしてきた。…それはもう、ずっと。
彼が描く絵はどれも美しくて、見惚れてしまうほどだった。
私は彼の絵が好きで、彼が絵を書いている姿が好きだった。
……もう、そんな彼の姿を見ることが出来ない。
そう思うと……
英「……少し寂しい、ですね、」
フランスが絵を描かなくなってから数日。彼は、学校に来なくなってしまった。
その日から私は彼の家を尋ねているが、チャイムを鳴らしても、声をかけても出てこない。
……少し、心配です。…ほんとうに、少しだけ……
英「……。」
今日はフランスの家に行く理由がある。学校のプリントを渡す、という理由が。
…これで、出てきてくれるといいのですが。
少しの希望を胸に、フランスの家へ向かった。
ぴーんぽーん
…………
フランス家のチャイムを鳴らす。けれど、彼は出てこない。
次は声をかけてみる。
英「…フランスっ、私です。イギリスです。」
反応はなし。
もう一度声をかける。今度は理由も添えて。
英「…学校のプリント、持ってきたんです。……出てきて、くれませんかっ…?」
それでも反応はなかった。もう諦めて、ポストに入れて帰ろうとした時。
かちゃり
玄関のドアの開く音がした。
英「……!」
扉の向こうには、先日と変わらないフランスの姿があった。
英「フランスっ…!」
思わずフランスに抱きついてしまった。するとフランスは、
仏「…イギリス………」
と私の名前を呼んだ。
仏「…ごめん…頭の整理したくて…」
英「いいんですっ……あなたの姿が見れただけで十分ですから…」
しばらく私たちは抱き合ったままでいた。
時間が経ったあと、フランスが口を開いた。
仏「…ねぇ、イギリス。」
英「…?はい、どうしましたかフランス。」
仏「…君の姿を、絵に描いてもいいかな。」
仏「………。」
筆を動かす音だけが聞こえる。目の前の彼は、顔は見えないけれどあの時のように真剣な顔をしているのだろう。
…そう思うと、自然に口角が上がってしまう………
仏「………イギリス、口。」
英「へぁっ…す、すみません…」
うぅ…気をつけないと………。
…でも、フランスがまた絵を描いてくれるとは…思いませんでした。たったの数日間だけでしたけど、すごく………怖かったです。もう「絵描きのフランス」は見れないのかと…
もちろん、普段のフランスも好きですけど…。
仏「……一応、できたよ。」
英「!…見ても、いいですか…?」
仏「うんっ、もちろん。」
英「!!」
英「き、れい…」
英「っ、凄いですっ!!フランスっ!私がほんとにいるみたいですっ! 」
仏「…へへ、褒めすぎ…だよ、イギリス。」
英「全然褒めすぎてないですっ!褒め足りないぐらいですっ!!」
仏「…えへへ、そっか…//」
そう言った彼の顔は赤くなっていて、少し照れているように見えた。
こんな絵を描けるのに、正当な評価をされないのは勿体ない。
………いつか、フランスの絵が多くの人に見られて、認められますように。
私はそう願った。
終