TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

イギフラに見えますが違います

ただの仲いいお友達関係です

ここでのイギリスはかわいい………というか優しい

オチの無理矢理感半端ないです








オレンジ色の光が教室を明るくする。その中には、日の光に照らされて出来た人影があった。

その二人……フランスとイギリスが、向かい合わせで何かを話している。


仏「……なぁ、イギリス。」


英「なんですか、フランス。」


仏「……僕って、何しても報われないの?」


淡々と冷静に言うフランスだが、顔には悲しみと悔しさが表れている。

この日は、学校の美術展コンクールの日。たくさんの生徒がこれに応募し、優秀賞を狙う。無論、フランスもその1人だった。

けれど、フランスが丹精込めて描いた絵は、最初の段階で弾かれてしまった。

…つまり、コンクールに出して貰えなかったのだ。


英「…、そんなこと、ありません。…いつか貴方の作品に、目を向けてくれる人が……」


仏「ッ『いつか』って、いつだよ。」


英「っ、それは……」


フランスのネガティブな発言に、イギリスはそんなことないと元気づけようとしたが、 あの一言によりイギリスは言葉を詰まらせてしまった。


仏「……みんなそうだよね。僕が描いたからって見向きもしない。」


英「……」


イギリスは何か掛ける言葉を探すが、何も見つからなかった。


仏「…君だから言うんだけどさ。…、僕、絵を描くの、やめようと思うんだ。」


英「…えっ……?」


仏「……いつか認めてもらえるって思ってずっと描いてきたけど……君が、イギリスが僕の絵が好きだって言ってくれるから頑張ってたけど……」


仏「もう、無理だ。」


仏「僕、もう……頑張れないよ、イギリス。」


そういう彼の顔には疲れが滲み出ていた。


……ずっと彼の頑張っている姿を目にしてきた。…それはもう、ずっと。

彼が描く絵はどれも美しくて、見惚れてしまうほどだった。

私は彼の絵が好きで、彼が絵を書いている姿が好きだった。

……もう、そんな彼の姿を見ることが出来ない。

そう思うと……


英「……少し寂しい、ですね、」











フランスが絵を描かなくなってから数日。彼は、学校に来なくなってしまった。

その日から私は彼の家を尋ねているが、チャイムを鳴らしても、声をかけても出てこない。

……少し、心配です。…ほんとうに、少しだけ……


英「……。」


今日はフランスの家に行く理由がある。学校のプリントを渡す、という理由が。

…これで、出てきてくれるといいのですが。

少しの希望を胸に、フランスの家へ向かった。








ぴーんぽーん


…………



フランス家のチャイムを鳴らす。けれど、彼は出てこない。

次は声をかけてみる。


英「…フランスっ、私です。イギリスです。」


反応はなし。

もう一度声をかける。今度は理由も添えて。


英「…学校のプリント、持ってきたんです。……出てきて、くれませんかっ…?」


それでも反応はなかった。もう諦めて、ポストに入れて帰ろうとした時。



かちゃり



玄関のドアの開く音がした。


英「……!」


扉の向こうには、先日と変わらないフランスの姿があった。


英「フランスっ…!」


思わずフランスに抱きついてしまった。するとフランスは、


仏「…イギリス………」


と私の名前を呼んだ。


仏「…ごめん…頭の整理したくて…」


英「いいんですっ……あなたの姿が見れただけで十分ですから…」


しばらく私たちは抱き合ったままでいた。




時間が経ったあと、フランスが口を開いた。


仏「…ねぇ、イギリス。」


英「…?はい、どうしましたかフランス。」


仏「…君の姿を、絵に描いてもいいかな。」






仏「………。」


筆を動かす音だけが聞こえる。目の前の彼は、顔は見えないけれどあの時のように真剣な顔をしているのだろう。

…そう思うと、自然に口角が上がってしまう………


仏「………イギリス、口。」


英「へぁっ…す、すみません…」


うぅ…気をつけないと………。

…でも、フランスがまた絵を描いてくれるとは…思いませんでした。たったの数日間だけでしたけど、すごく………怖かったです。もう「絵描きのフランス」は見れないのかと…

もちろん、普段のフランスも好きですけど…。


仏「……一応、できたよ。」


英「!…見ても、いいですか…?」


仏「うんっ、もちろん。」


英「!!」


英「き、れい…」


英「っ、凄いですっ!!フランスっ!私がほんとにいるみたいですっ! 」


仏「…へへ、褒めすぎ…だよ、イギリス。」


英「全然褒めすぎてないですっ!褒め足りないぐらいですっ!!」


仏「…えへへ、そっか…//」


そう言った彼の顔は赤くなっていて、少し照れているように見えた。

こんな絵を描けるのに、正当な評価をされないのは勿体ない。


………いつか、フランスの絵が多くの人に見られて、認められますように。


私はそう願った。





この作品はいかがでしたか?

42

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚