芥中
太中
芥中◀︎太
過去捏造
口調迷子
キャラ崩壊
前回の続き
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???視点
彼処を出てから1年と数ヶ月
未だに隣に君が居ないことに慣れていない
自分が置いていったクセに寂しい
その寂しさを紛らわす為に、国木田くんや周りの人にちょっかいを掛けては街をぶらぶら歩いていた
もしかしたら、君に会えるかも……なんて思いながら今日も街を歩く
すると見覚えのある、小さな影が見えた
それは紛れもなく君だった
こちらを見た目は、遠くからでもわかるほど大きく見開かれていた
昔はサファイヤのように濁りがなく、キラキラとしていたのに、今は濁りきっていて何処にも光なんて見当たらなかった
私のせいだと瞬時に理解した
本当は話しかけたかった
抱きしめたかった
だけど、拒絶されるのが怖くて、君を見ないふりをしてしまった
でも、それももう辞めるよ
また会う時は絶対にこの気持ちを伝える
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芥川視点
中也さんが好きだ
それも恋愛的な意味で
そう気付いたのはつい最近
きっと中也さんは僕がこんなことを思っているなんて考えもしないだろう
中也さんは僕を恋愛対象として見ていないだろうから
…… 気付かなければ良かった
銀「兄さん」
芥「何だ」
銀「中也さんの事、恋愛感情で好きなんでしょ」
芥「は、?な、何を言って……」
銀「…兄さん、自分の気持ちを素直に伝えるのも大事よ」
芥「……」
銀「気持ちを伝えるのが怖いの?」
芥「!!」
銀「もし断られたら、今迄の関係じゃ居られなくなったら……それが怖いの?」
芥「、怖くなど…」
銀「ならどうして?」
……銀の言う通りだ
怖いのだ
今迄通り一緒に居られなくなるのが
あの方の笑顔を見れなくなるのが
怖い
銀「兄さん」
芥「……」
銀「中也さんは優しい人よ。もし断られても、今迄通りに接してくれるわ」
芥「…そうか」
気持ちだけでも…伝えてみる、か……
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中也視点
中「彼奴が…捕獲された……?」
突然の出来事だった
首領から電話がかかってきて、何事かと思えば『太宰君が見つかった』と言われた
なんで…
俺はあの日、あの時、あいつを見た事を言ったことは1度もない
あいつだって組織につかまるなんてヘマはしないはずだ
なのに、なんで…
やっと忘れかけてたのに
やっとケジメをつけれそうな所だったのに
でも、『太宰君に会うかい?』という首領からの提案に、俺は頷いてしまった
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久しぶりに会った太宰は拘束された状態だった
拘束されても尚、ニコニコと気色悪い笑みを浮かべている所は、昔と何も変わっていなかった
話し方も、態度も全部あの時と同じだった
相変わらず俺はちょっかいをかけられて、またそれに引っかかって…
この十数分は、昔に戻ったみたいだった
くだらないけど、暖かい時間
太宰のことは大っ嫌いだけど、太宰と過ごす時間は、安心できて大好きだった
嗚呼、ダメだなァ
俺は此奴を信じてたンだ
此奴はまだ俺の事を『相棒』だなんて言うけど、俺は知ってんだ
もう、此奴にはあたらしい『相棒』が居るって事
相変わらずの糞野郎だ
だからつい、言ってしまった
中「裏切り者のくせに、よく俺の事『相棒』なんて言って笑えるな」
急いで口を抑える
中「ぁ、ごめ、こんな事言うつもりじゃ…」
太宰がとても傷付いた顔をしていた
太宰だって出たくて出た訳じゃないのに
本来なら今頃あの二人と楽しく過ごしていた筈なのに
太「ごめん」
中「ちがっ、違う、!謝らせたかったんじゃないンだ…ほんとに…こんな事……」
太「ねぇ中也、1つだけ、いい?」
中「、なんだ?」
太「私、君が好きだよ」
中「は、?」
急な発言に思考が停止する
太「昔からずっと、君の事が好きだ」
中「っ!嘘だ!!どうせそうやってまた裏切るつもりだろ!?」
太「嘘じゃない」
中「もうやめてくれよ!黙ってくれよ…だって俺は手前のせいであんな事されたんだぞ!?信じられるかよ!!!」
太「あんな事、?何かされたの?」
中「嗚呼!!されたよ!手前のお陰で散々な目にあった!!数日間地獄みたいな拷問されて!太宰が出てったのも、失敗も全部俺のせいにされて!!1部からは罵倒されて!!全部手前のせいなのに!」
違う、違う違う違う
こんなこと言いたいんじゃないだろ、!?
何で止まんないんだよ!止まれよ!!
中「体はボロボロになった!!1部からの信頼も失った!」
黙れよ、何で止まってくれねぇんだよ、
中「それでも耐えたのに!!まだ認めて貰えねぇ!!何でだよ!?俺が何したって言うんだよ!?俺は…俺はただ……!!ずっとあのまま、フツーに皆といたかっただけなのに!!!」
涙が溢れてくる
あー、まじで最悪
何で言っちまうんだろ
「俺は嫌いだ」って言おうとしただけじゃん
太「ごめんね、辛い思いさせて、無責任に置いていってごめん」
ほんと、無責任すぎるだろ
太「ねぇ、これからはもう絶対置いて行かない。こんな事にならないようにする。だから、私と付き合って?」
中「…」
付き合うわけないだろ
だって1回捨てられてんだ
信じられる訳ねぇじゃん
太「中也、私の事は好きかい?」
中「……大っ嫌いだよ」
太「そっか…じゃあ私の失恋だね…」
太宰はそう言って笑った
俺は其の儘その部屋から逃げ出した
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走って自分の部屋に行くと、さっきとは比にならないくらい涙がでてきた
声を押し殺して泣いていると、ドアをノックする音が聞こえた
涙を止めて返事をしようとしたが、止めようとすればする程悪化していく
何も出来ずにいると『ガチャ』と音を立ててドアが開いた
芥「中也さんっ!」
芥川は部屋に入るなり、俺の近くに駆け寄ってきた
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芥川視点
太宰さんを捕らえた
中也さんに思いを伝えようと意気込んでいたが、それ所ではなくなってきた
太宰さんは昔から中也さんに好意を抱いていた
『嫌いだ』と言いつつも、太宰さんが中也さんを見る目は優しく、楽しそうだった
中也さんに近づく人間は太宰さんによって牽制されていた
もしかしたら、中也さんを太宰さんに取られてしまうかもしれない
唐突にそう思った
今は太宰さんと中也さんは2人で話している
太宰さんは今まで何でも手に入れてきた
もしそれなら今回も……
そう考えていると2人がいるはずの部屋の扉が開いた
そこから中也さんが走って出ていく
芥「中也さん!?」
声を掛けたが、気付かなかったらしい
其の儘中也さんが走り去っていく
何か嫌な予感がして、僕は中也さんを追うことにした
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息を整え、中也さんの部屋の扉をノックする
返事はなく、僕は其の儘部屋に入った
中也さんはうずくまって泣いていた
芥「中也さんっ!」
声をかけても何も言わない
否、言えないという方が正しいか
声を押し殺して泣く姿は、あの日、太宰さんの部屋で泣いていた姿と似ていた
中「カヒュッ ゲホッ 」
泣くのを無理矢理止めようとしたのが影響したのか、過呼吸になりかけている
芥「中也さん!?大丈夫ですか?」
中「ゲホッカヒューッカヒュッ」
どんどん悪化していく
芥「ゆっくり息を吐いてください!!ゆっくり…ゆっくりです。」
中「ケホッ」
芥「大丈夫ですよ、そしたら其の儘ゆっくり息を吸ってください…」
背中を擦りながらできるだけ優しく話す
何回か其れを繰り返すと、だんだんと収まってきた
芥「大丈夫ですか、?」
中「嗚呼、すまねぇ…見苦しいとこ見せたな、」
そう言って中也さんは無理矢理笑った
芥「…失礼なのは承知の上で聞きます…何かあったのですか、?」
中「……何もねぇよ」
芥「中也さん…」
中「俺は仕事に戻る、お前も早く戻った方がいい。心配してくれてありがとな」
頭を撫でながら辛そうに笑う中也さんを見て、自分まで辛くなってくる
そして其の儘、耐えきれなくなった僕は、重い口を開いた
芥「中也さん、僕は貴方の事が好きです」
中「…は、?」
芥「恋愛的な意味で中也さんを好いています」
中「はっ、師弟揃って俺を騙す気か…?」
芥「僕は今迄貴方に嘘をついた事は有りますか?」
中「……」
芥「僕は貴方に笑っていて欲しいのです、僕では駄目なのですか?」
中「ダメだろ……手前まで評判悪くなっちまうんだぞ、!それに……」
芥「太宰さんが貴方のことを好きなのも、貴方が太宰さんの事を好きだったのも知っています」
中「…!!」
芥「それを知った上で言っています。それ位貴方の事が好きなのです。」
中「でっでも、俺はまだ!!」
芥「太宰さんの事を諦めきれていないんですよね」
中「そこまで分かってるのに何で…何でそんな……」
芥「誰よりも貴方の事を愛しているからです。例え貴方が太宰さんの事を忘れ切れていなくても、其れも全部愛します。」
中「……」
芥「中也さん、もう一度聞きます。僕では駄目ですか?」
中「ぉ、俺は……」
中也さんは矢張りまだ悩んでいるようだ
芥「どんな中也さんでも愛します。どんなに貴方が変わっても、僕は貴方と共に生きたいのです。」
涙を流す中也さんを優しく抱きしめる
中「俺、まだ彼奴の事を諦めきれてないんだぞ、?」
芥「知っていますよ」
中「手前の事もまだ信じきれてない…」
芥「信じて貰えるように努力致します」
中「拷問の所為で体もボロボロだ、」
芥「充分美しいですよ」
中「っ、手前には他の女の方が…」
芥「僕は中也さんじゃないと駄目なんです」
中「手前は、俺を置いていかないか…?」
芥「置いて行く所か、中也さんにしつこく思われても着いて行きます」
中「ははっ、其れは困ったなァ、」
中也さんが昔と同じような、優しい笑顔をうかべた
芥「矢張り、貴方にはこっちの笑顔の方が似合います」
中「へ、?」
芥「僕は貴方のその笑顔が何よりも好きです。貴方にはずっと笑っていて欲しい。」
中也さんの顔が赤らんでいく
自分でもかなり恥ずかしい台詞だと思う
いや、もう既に何回も恥ずかし事を言っているな
中「ぁ、ありがとな」
芥「!!」
中「ちゃんと芥川の事愛せる様になる迄、長くなっちまうかもしれない。それでも…それでも待っていてくれるか、?」
芥「いくらでも待ちますよ。何年経っても、何十代になっても待ちます」
中「ありがとう」
もういちど強く抱き締めると、中也さんも抱き締め返してくれた
芥「貴方の隣に立たせてくれますか?」
中「嗚呼、喜んで」
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『優しい貴方』終了です!!!
この1話でどうしても終わらせたくて、最後の方ごちゃごちゃになってしまいました……
すみません!!
付け足しですが、中也が太宰さんを振ったのは、「酷いことを言ってしまった罪悪感」と「置いてかれる事の恐怖」、「また騙されているのではないか」という疑いとかが原因って事にしてあります
やつがれぴっびの台詞は幼い頃に見たドラマと少女漫画とかから抜き取ったりしました
幼い頃見たものなのでかなり記憶がある曖昧です
やつがれぴっびがスパダリになりましたね(?)
ご視聴ありがとうございました!
さよなら(o・・o)/~
コメント
27件
うぅ、、(;ω;) 中也受けが好きで思わずタップしたんですけど、読んでいる内にだんだん吸い込まれてきて、、🌀 そうですよね、、中也太宰さんが居なくなった後も『太宰は何処だ』って言われて、自分も置いてかれた側なのに疑われて。 こんな奴に同情された所で意味ないけど、長々とすみません💦🙇 久しぶりに号泣してしまいました。 お身体に気をつけて頑張ってくださいね!╰(*´︶`*)╯
え、好きです(突然の告白) 待って普通に泣いたんだが?! 神作だよありがとう…😇 それとね、言いたいことあるんだ… 地雷も好きなカプも全部一緒やぁぁぁ!!