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(渡辺視点)
ボーッと、浴槽に浸かる。
なんか、1人になりたかった。
1回、頭の中を整理するために…
俺は、盛大なミスをやらかした。
俺だけだったらよかった。
でも、あいつらに危険が及ぶ可能性もある。
それに、阿部と目黒は気づいてた。
気づけなかったのは俺だけ…
「…くっそ…」
すんげー悔しい…
俺は、気を抜いてた。
俺は大丈夫だろうっていう自負があったんだ。
これは、俺のミスなんだ。
だったら、俺が解決しねーと…
本当は、今すぐにでもあの女を探し出して捕まえたい。
でも、深澤…
俺のこと、止めやがった…
共同生活、たしかに今の状況にピッタリだ。
同時に、”監視”にもなるんだから。
あいつは、俺の気持ちを読んでた。
だから、共同生活なんて言い出したんだろ。
俺が、突っ走らないように…
しかも、俺が安心できるようにわざわざ涼太の家にして…
なんだよ、あいつ。
自分の感情には不器用なくせに、本当に周りはよく見てる。
「そういう優しさが、狙われんだろーが…」
そんなこと思いながら、浴槽を出る。
(向井視点)
「蓮、こーじ!出たぜ!!」
部屋のドアがバッと開かれて、さっくんが入ってくる。
さっぱりした様子のさっくんを見て、俺も早く入りたくなる。
やけど……
さっきから、めめの視線が!!!
ほんまに、この時間しんどかったで!?
ずーっと、めめからの熱い視線向けられとんの!!
サウナにいるんかなってくらい熱い視線!!
「…行こっか、こーじ。」
「…う、ん…」
めめに手を引かれて、俺らは浴室に向かう。
あれ、なんかな?
めめは、その付き合うと重くなるタイプだったん?
付き合う前は、俺が抱きついても、はいはい…って、嫌そうなフリしとったやん?!
服を脱いでる時も、ずっとめめの視線感じとるし…
なんやろな?
その、めめはすごい情熱的な人やったんやね?
いや、それは知っとったけど、なんか違く…て…
なんていうんやろ?
その、今のめめは…
“獲物を見てる肉食獣”……
(目黒視点)
「わっ!浴槽めっちゃでっかいやん!!」
こーじが浴槽を見て目を輝かせる。
可愛い、ほんとにそういうとこ可愛い。
それに、これなら俺ら2人でも入れそうだね。
ありがたすぎる。
徳積んどいてよかった。
今のこーじは、ノーガード。
つまり、俺にとって絶好のチャンス。
この機会、絶対に逃さないから。
俺は、軽く唇を舌で舐めた。
お互い洗い終えて、浴槽に浸かる。
「おっきいから俺ら2人も入ってまうなぁ!」
笑顔でこーじは俺に話しかける。
今の状況も知らないで…
こういうこーじの鈍感なとこも好きだよ。
でも、さすがに無防備すぎない?
俺の前に、こーじが三角座りしてちょこんと座ってる。
さらされるこーじのうなじ。
水が滴る髪。
少し赤くなってる身体。
その全てが、俺の理性を問答無用に削ってくる。
もともと、我慢する気はなかったけど、ここまでこーじに色気があるとは思ってなかった。
キス、したい…
「…?めめ…?」
俺の視線に気づいたのか、水を手で掬って遊んでたこーじが、俺の方に顔を向ける。
俺の視線は、こーじの唇に釘付け。
俺は、無意識にこーじの顎に手を伸ばす。
そのまま、顔を近付けた。
チュ…
浴室に、リップ音が響いた。
お互いのまつ毛が重なる。
一瞬、時が止まったような気がした。
ゆっくりと、重なった唇を離す。
柔らかい感覚を覚えた俺の唇は、まだ足りないみたいで、舌なめずりをする。
こーじは、目を見開いてる。
可愛い。
また、唇を重ねる。
今度は、さっきよりも長く。
「…ん…め…め…?んぅ……」
こーじは、まだ状況が飲み込めてないみたいで、俺にされるがままになってる。
しばらくは…このままで…
(阿部視点)
「2人とも遅いね。」
部屋で佐久間と勉強をしていた。
佐久間が、時計を見てそんなことを呟く。
たしかに、めめとこーじが浴室に行ってから結構時間経ってるな…
と思ったら、
コンコンコン
控えめなノック音が聞こえてきた。
来たのかな?
俺と佐久間で扉を開ける。
「はーい。」
「阿部ちゃん、遅くなってごめんね。お風呂あがったよ。」
目黒が、すごい爽やかな笑顔で答える。
その後ろに…
「こーじ?」
めめの後ろに隠れてるこーじもいた。
…なんか、顔赤い?
「こーじ?のぼせた?」
佐久間もこーじに気づいて、心配そうに声をかける。
でも、こーじはフルフルと首を振るうだけ。
…となると、これは…
佐久間と顔を合わせる。
何かあったんだな。
それを確信して、俺らは何も言わずに、佐久間は勉強の続き、俺は浴室に向かった。
(深澤視点)
「ふっか、お風呂空いたよ。」
ん!
阿部ちゃんが呼びに来た!
「はーい!今から行くねぇ!」
ゲームを中断して、俺は浴室に向かう。
照は、もう寝ちゃったのかな?
ゲームに集中してた俺のことを邪魔しないようにかな…
先に部屋に戻ったみたい。
こういうとこ、ほんとに…
えっと、なんだっけ?
スパダリ、だったっけ?
そんな感じ!!
「ふんふんふーん♪」
俺が最後だし、ゆっくり入っちゃおっかなぁ?
浴場の姿見で自分の身体を見てみる。
だいぶ、傷も治ってきたかなぁ?
傷…
過去に何回か、その…
自傷行為?で…?
ちょっと、やっちゃった傷…
これは、照にも話してない。
それに、バレてはないし…?
そもそも、バレるとこにはやってないもん。
でも…治ってきててよかったなぁ…!
それに、もうこんなことする必要ないし!
照が、俺のそばにいてくれるもん。
だから、早く過去の傷跡は消えて欲しいな…
……今、俺の傷が噂になってる…
それも、憧れの存在として…
あの龍は、俺の苦しかった過去の象徴だ。
でも、あの龍は消えたはずじゃ…?
なんで、今更噂になって…?
「……」
嫌な予感が、ずっとしてる。
太ももの傷を撫でる。
ザラついた感触がする。
俺は、これからどうなるの…?
ガラガラッ!
「…っ!」
ドアを開けて、誰かが入ってくる。
「ふっか…?まだ入ってたの!?」
阿部、ちゃん…!?
「結構長く入ってるね…のぼせちゃうよ?」
「あっ、阿部ちゃ…!待って!」
今、自分が傷をさらけ出してる状態なことを思い出して、咄嗟に叫ぶ。
でも、俺の方が少し遅かったみたいで…
「…!あ…ごめ、」
気づかれちゃったか…
俺の傷を見て、阿部ちゃんはすぐに離れようとする。
「待って!待って、阿部ちゃん!」
俺は、阿部ちゃんのことを引き止める。
「これ、照には内緒ね…お願い。」
とりあえず、口止めはしとかないとだよね。
阿部ちゃんだから、大丈夫だとは思うけど…
「…うん。分かったよ。」
阿部ちゃんに、この傷のことを話してみる。
照以外が、俺のことをどこまで知っているのかは分からない。
だから、実質俺の過去をさらけ出すことと同じ。
だから、ちょっとだけ伏せながらね。
「……そっか…」
阿部ちゃんは、しっかり俺の重い話を受け入れてくれる。
「うん…聞いてくれてありがとう……ヘックチ!」
うわ!
なんでこんな時にくしゃみしちゃうんだろう!?
阿部ちゃん、笑ってるな…!?
「ずっとそれじゃ寒いでしょ?早く上がろっか。」
「…ぅん…ズズ」
阿部ちゃんに促されながら、俺は体をさすりながら浴室を出た。
(岩本視点)
「…ふっか、もう風呂に入ったのかな?」
部屋に戻ってきてから結構経つけど…
ふっかが戻って来ないな。
…のぼせてる…?
ふっか、考え事すると周りが見えなくなる。
その可能性が高いな。
「……行くか。」
ガチャ
「…っ!」
控えめに、ドアが開いた。
「!照…起きてたの?」
ふっかが驚いた顔で立っていた。
心配した。
俺は、急いでふっかを抱きしめる。
「…よかった…」
ふっかは驚きながらも、俺の背中に手を回す。
ちょっと冷たい。
湯冷めしてるな…
「早く、ベッド行こうか。」
俺は、ふっかの手を引く。
けど…
「…へ…ぇ…!?///」
ふっかは顔を真っ赤にする。
何か、変なこと言ったか…?
あ……
今の俺の発言…まるで…
誘ってるみたいじゃん……
(深澤視点)
今の…!今のって…!?///
違っ!えっ!?
待って…どう…っ!!
照…!?///何考えてんの…?
もしかして…ほんとに…
その…?
“そういうこと”なんじゃ……?
俺…心の準備なんてできてな……
おい、まてまてまてまて!!!!
何、何そっちに思考がいってるわけ!?
いや、だって、照がそんな言い方するから…!
でも、でもでもでも!!
もし、照はそんな気じゃなかったら…?
「……ッッッ!!//////」
やばい、顔が熱い……
ど、どうしよう…!?
もし、本当に照に…
俺が…求められてたら……?
……ん?待てよ…
俺、照に求められたいの…?
付き合ってもないのに?
別に、そういう関係ではないけど?
ん???
それに、俺……
なんで、照に”抱かれる”前提で考えてんの……?
「…いや、ふっか…?ごめん、全然そんな気なくてさ……」
「……ふぇ…?」
「その、湯冷めしないようにな…って…」
「…あ、ぅん…?」
「だから、その…深い意味は無い…から……」
うん、と…
あ…
うわあああああああ!!!!///////////////
俺、ただの恥ずかしいやつじゃん!!!
しかも、照に気づかれてんじゃんかっ!?
頼む!!今だけ誰が俺を殴って気絶させてくれ!!!!!
でも、照とは一緒に寝ないといけないわけだよね…?
同じ、ベッドで…
いや、待って!それはまずくない!?
照がどう思ってるかは知らないけど…!
俺、寝れる……?
「俺は、床で寝るからさ…ふっかはベッドで寝な。」
「…へ…?」
ひか…岩本さん?
今、なんて?
「ふっか、腰悪いでしょ?多分一緒に寝たら腰痛めるよ。」
え…?
いやいやいや…
ベッドおっきいから入るって!!
問題ないよ!?
「明日早いからさ、もう寝よっか。おやすみ。」
「…ぇあ、ちょ…!」
俺の意見なんて無視して、照は床に布団を敷き始める。
それに、さっきから顔合わせてくんない…
俺が考えてること…バレた…?
それとも…
照も……?
(阿部視点)
ふっかを部屋の前まで送り届けて、俺も自分の部屋に戻る。
たまたま、浴室の電気を確認しに行っただけだったけど…
行って良かった。
こうやって、少しでもふっかの抱えてる荷物を下ろせたらいいな。
佐久間は、さすがに寝てるかな?
起こしたら申し訳ないし、ゆっくりドアを開ける。
部屋は真っ暗…
俺ももう寝ないとだから、ベッドに近づく。
佐久間は寝息を立ててる。
多分、寝てるのかな?
それか…
俺も佐久間の隣に入り込む。
と…
グイッ!
佐久間に引っ張られて、抱きつかれる。
やっぱり起きてたか。
「おかえり~!いやぁ、これもバレてたかぁ…!」
佐久間が、またもや作戦失敗って顔をする。
佐久間の行動、わかりやすいじゃん。
佐久間のかわいいイタズラ、これからはしばらく浴び続けるのか。
俺も、ちょっと頑張んないとかな…
(向井視点)
「…ん…ふっ…め…め…」
「ん~?チュ…チュッ…」
あかん、そろそろ息できへんくなってきた…
風呂上がってからも、めめの勢いが止まらん。
もう寝なあかんのに、ずっとその…き……き、す…してくるやん…!!///
すごい、幸せやと思う。
俺やって、いつかめめとキス…したいな思っとったし……
まさか、めめの方からしてもらえるなんて…
でも、止まらん!!!
全然止まってくれんやん!?
俺の唇、もうふにゃふにゃになってきてるで…?
明日、荒れてへんといいなぁ…
でも、俺は抵抗できひん。
めめも、それがわかってやっとる。
俺やって…ずっと唇寂しかったもん…///
「…こーじ、好き。大好き。」
「…ん…お、れも…好きやで…」
(宮舘視点)
「翔太、寝ちゃったかな?」
ゆっくりドアを開けて、ベッドを覗き込む。
「スー…スー…」
静か寝息を立てる翔太。
よかった、ゆっくり寝れてるみたいだね。
今日は急な生活の変化で疲れたはずだから、翔太にはゆっくり休んで欲しい。
翔太は、堂々とベッドの真ん中を占拠してる。
だから、俺の寝る場所はない。
別の部屋に行ってもいいけど…
俺は、翔太と一緒の空間にいたいな。
床に布団を用意しようか。
「おやすみ、翔太。」
頬に、キスをしてみた。
フランスは、日本と違ってこういう場面でもキスをする。
俺も、真似してみたいなって思った。
翔太が起きてる間だと絶対に嫌がるから。
唇は、さすがにやめとこうか。
いつか、俺の気持ちを翔太に打ち明けた時…
その日まで、取っておこうね。
(佐久間視点)
どうしたら、あべちゃんは照れるんだろ?
一日中、ずーっと考えてたのに、全部あべちゃんにはバレてる!!
おかしいな?
全然ドキドキしてくんないじゃん?
これは、駆け引きだ。
ドキドキした方が負け。
俺の中で勝手にできたルール。
だって、あべちゃん全然照れねぇんだもん!!
あべちゃんと付き合ってからは長いけど…
1回も照れ顔を見たことがなかった。
俺とあべちゃんは、今向かい合ってベッドに寝転がってる。
あべちゃんの綺麗な寝顔が目の前に…
あべちゃん、寝てる…よね?
ちょっと、ちょっとだけ驚かせるつもりだった。
あべちゃんの薄く開いた唇に、俺の唇を重ねる。
「…ふふ、可愛いことするね。」
「…おぉ…起き、てたか…」
あべちゃんが、しっかり目を開けてニコニコしてる。
なんだよ!あべちゃん起きてるのかい!?
でも、諦めないかんね!!
絶対あべちゃんの照れ顔を見てやる!!
覚悟しとけ!!
(岩本視点)
はぁ…
全っ然寝れねぇ…!
一応、ベッドで寝てるふっかとは離れてるけど…
やっぱり、緊張するのは緊張する。
いつも寝ている時に向く向きだと、ふっかの方に目がいくから、あえて逆向きに身体を向ける。
そうじゃないと、俺がやばい。
ふっか、寝たかな…?
さすがに寝たはず、ふっかも疲れてるだろうし…
俺も、早く寝よう。
明日も早いんだから……
「…ふっ、ふーん……」
ん?
ベッドの上から、なにか聞こえる。
一瞬、かわいすぎて天使がいると本気で思った。
寝言…?
ふっかの…??
「…くぅん……ん……ぁっ……」
あ、まずい、これダメなやつだ。
いくら、いくら寝言だとしてもまずいやつ。
ふっかの寝言、こんな感じなの?
いや、は?
もう、寝るどころじゃねぇだろ…
その、なんて言うの…?
無自覚なんだろうけど、どんな夢見てんだよ、ほんとに……
やばい、意識がふっかに集中してる。
集中した途端、意識しないようにしてたふっかの息の音とか、布団と肌がかすれる音とか、そういうのも耳に入ってくる。
まだ、1日目だよな…?
これ、どんだけ続くんだよ…
俺は、割と理性は強いと思ってる。
それこそ、あの時までふっかへの気持ちを隠し続けてたから。
俺は、自分の意思で理性を止めない限り、ずっと理性は残ってると思う。
…思ってた。
今、その限界をふっかが越えようとしてる。
めちゃくちゃ頑張って、抑えないとな……
……寝れなかった。
いや、普通に寝れなかった。
ふっかの声にうなされて、全然寝れなかった。
寝れないまま朝を迎えて、どうすればいいのか迷ってる。
ふっかは、まだ気持ちよさそうに寝てる。
起こすべき…なのか?
いや、多分起こすべき。
どうせ、ほとんど寝てなかったか、夜遅くに寝て、午後まで寝てたんだろ?
その生活は、直すべきだな。
ふっかの健康を守るのも、俺の仕事だろ。
「ふっか、起き…て……」
ベッドに、初めて顔を向けた。
やばい……
見ちゃいけないものを見た気分になる…
ベッドの上のふっかは、その…なんつーんだろ…
すごい、かわいいのと、色気があるのが混ざってる。
うつ伏せで寝てたのか、右頬が少し赤くなってる。
目を瞑ってるのもあって、綺麗なまつ毛が目立つ。
髪は少し乱れてて、すごい”完全にオフ”なふっかって感じ。
…挙句の果て、服の隙間からチラチラ覗いてるふっかの白い肌は、なんとも淫らなことか……
俺は、逆に真顔だと思う。
でも、顔を背けてると思う。
ふっかの顔と、身体を極力見ないようにして、俺はふっかに声をかける。
「……んぅ…?ひ…かる…?」
しばらく声をかけ続けて、ようやくふっかが起きたみたい。
ここで、俺の顔が別方向向いてるのはおかしいと思って、さすがにふっかの方を向く。
「…おはよぉ…おこしてくれて…ありがとぉ…」
寝起きの瞼を、左手で擦りながら、朝から甘い声を出してる。
それに、寝起きだから呂律なんて回ってない。
「……?ひか…?」
俺は、すごい速さで近くにあったシーツをふっかの肩にかける。
ぽわぽわしながら、ふっかは不思議そうに蕩けた瞳で俺を見つめる。
服が、いい感じにはだけてる。
そのせいで、肩が露になってる。
それが、目に毒すぎて俺は物理的に目に入らないようにするしかできなかった。
「早く、顔洗ってきな。」
それだけ言って、俺は逃げるように部屋を出た。
(深澤視点)
照、行っちゃった…
眠い…
今、何時なの……?
6:30…?
「6:30!?」
大声を出したおかげで、ようやく目が覚める。
こんな早く起きたのっていつぶりだっけ?
起きちゃったせいで、二度寝もできなそうだし、照が帰ってきた時に怒られそう……
それに、結構ぐっすり寝れたなぁ…
こんなに気持ちよく起きたの、久しぶりすぎる!
「ふっふーん♪」
歌いながら、顔を洗って…っと。
そういえば…
「大烏も、おはよーね。」
虚空に呼びかける。
俺の顔に反応して、烏の姿が見える。
こうやって、毎朝大烏の嘴を撫でてやるのが習慣。
こうすると、大烏は気持ちよさそうに目を閉じる。
しばらく撫でたら、大烏はまた虚空に消える。
「んー…!今日、いい天気だなぁ…」
軽く伸びをして、カーテンの隙間から溢れる陽の光に目を向ける。
こんなに、朝日を綺麗に感じることなんか、最近なかったな…
俺は、静かに笑みを零して、カーテンを開ける。
そういや、照は走りに行ったのかな?
すごい、急いでたみたいだけど…
朝から走ろうなんて、俺は絶対無理だな。
みんなは、朝どうしてるんでろう?
多分、阿部ちゃんは朝早いだろーね。
舘さんも早そうだな。
逆に翔太とラウは弱そう。
2人は、寝たら死ぬって言われても寝ちゃいそう わら
そんなこと考えながら、階段を降りてリビングに向かう。
…?
なんか、匂いする?
誰かが、キッチンに立ってる。
「こーじ?」
「あ、ふっかさん!おはような!」
こーじが、コーヒー入れてる…!?
「おはよう、こーじ…えっと、なにしてんの?」
「ん~?見てわかるとおりやん。コーヒー入れとるんよ!ふっかさんのも入れる?」
こーじって、コーヒー入れられるんだ…
朝早くからコーヒー入れるなんて相当だよ?
俺は何も言ってないのに、俺の分までコーヒーを入れてくれた。
早く飲んでって顔で見てくるな…
「……おい、しい…!」
「せやろ!」
自分でびっくりしてる。
前に、舘さんのケーキを食べた時もそう。
ちゃんと、”おいしい”って思える…
(目黒視点)
「……?」
朝起きたら、俺の腕の中にいたはずのこーじがいなかった。
髪をかきあげながら周りを見てみると、こーじの服が綺麗に畳まれてた。
もう、起きてたんだ…
起きたなら、声くらいかけて欲しかったな…
たぶん、こーじの優しさなんだろうけどね。
ふと、昨日のことを思い出して、唇に手を当ててみる。
昨夜、俺は衝動でこーじとキスした。
それを、こーじも受け入れてくれてた。
何回もキスを重ねて、こーじが息できなくなるまで…
深いキスは、まだできなかったけど…
こーじ、可愛かったなぁ……
でも、昨日唯一失敗したこと。
俺もほとんど本能に任せてたから、こーじの顔をよく見れなかった。
風呂場でも、後ろからだったし…
部屋は暗かったからなぁ…
また、いいかな?
こーじが帰ってきたらお願いしてみようかな?
半分開いてたレースカーテンを全開にして、窓を開ける。
今日は、”快晴”でいいのかな?
あとで、阿部ちゃんに聞いてみよ。
ちょうどいい風も吹いてるから、公園とかに遊びに行きたいな。
プライベートで、ザリガニ釣りにでも行こうかなぁ…
普通に散歩とかドライブだけでもいいかもな。
それか、どっかのグラウンドに行って、サッカーしよっかな。
…野球、してーな…
まだ目覚めきってない頭で、ぼんやり考えてみる。
そしたら、後ろからいい匂いがする。
「あ、起きてたんやね。めめは寝坊助さんなんやね?」
ニコニコ笑いながら、両手にコーヒーの入ったカップを持ったこーじがいた。
「はい、どーぞ。これ、めめの分な。」
「ありがと。」
こーじからカップを受け取って、コーヒーを口にする。
「…ん、おいしい。」
「ほんまに?ふっかさんも美味しい言ってくれたんよ!」
「ふっかさん、起きてるの?」
「多分てるにぃが起こしたんちゃう?」
「岩本くんがか…確かにね。」
何気ない会話。
あくまで共同生活だけど…
「なんか、同棲してるみたいやね…///」
「……!」
先に、こーじに言われた。
俺が言おうとしたのに…
そっか、こーじもそう思ってくれてたんだ。
ほんと、愛しい俺の恋人。
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