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nagi.
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李和
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手袋を嵌めて深呼吸をする
──大丈夫、これからする事は全うなことなんだ
──僕の番が回ってきたっておかしくないだろ?
僕と同じ苦しみだって味わって欲しい
「ホンマにダイジョウブなん?」
「ええ、大丈夫です。」
「いや、全然ダイジョウブじゃないやろ。顔色悪いで」
「いえ、大丈夫です。」
「…ま、無理やったら僕が変わるから」
「これは僕の仕事なので。」
「…ああそう」
笹原吾朗。僕の母を殺し父を意識不明に追いやった人物
そいつが今、目の前にいる。
爪が食い込むほど拳を握る。
──許さない
都内の某所、そこに僕は居た。
目の前には笹原が居る。
これから僕が、殺すんだ
「僕を覚えていますか?笹原さん」
笹原を上から見下ろす
「………周!?」
その声で自分の名前を呼ばれるのも腹立たしい
「ええ、周です。覚えていたんですね」
できるだけ冷静に努めた
ぎりぎりと歯が軋む
「…急に居なくなったと思ったら…!」
「はっ…そういえばここはどこなんだ!周!」
「なあ、周!…周?」
「…ここは、あなたの処刑場です」
「あなたのせいで兄は死にました」
「僕を庇い、あなたに殴られ。」
「まだ、幼すぎた…」
いつの間にか涙が溢れる。
泣かないって決めてたのに
「あなたさえいなければ…僕はまだ、やり直せたかもしれない」
言葉を続けるごとに手も震えていた
「でも、もう遅いんです」
「ねえ、どうせ死ぬなら役に立って死にましょう」
「ほら、あなたの口癖だったでしょ?」
「あなたが言ってたんでしょ!?」
ナイフを持ち替え、振りかぶる
手の震えは誤魔化しが効かないほどになっていた
「死ねっ…!」
「死ねっ死ね!!」
何度も刺す。何度も何度も
刺すたび噴き出る血とそれに伴って痙攣する身体がやけにおかしくて笑いが漏れる
「っふ…ふふ……っはあ…うっ…」
涙が溢れて止まらない
なんで、なんで嫌いな相手なのに涙が止まらないんだろう
「兄さん…」
ふいに呟いた言葉はそれだった
朝、いつもの時間に目覚める
その後、着替えて、洗面所に行って
──あれ?
身に覚えのない血が手に付いている
洗っても洗っても、取れる気配がしない
気味が悪いから早く取れてほしいのだが
──周。
後ろから聞き覚えのある声が聞こえる
振り返ると、兄がいた
──兄さん!どうしたの?
兄が指を指す
──兄さん?
指した先は、ひどくやつれた僕の顔が写った、鏡だった
「…兄さん!」
慌てて手を伸ばすが目の前はトイレの鏡だった
「ああ、そうか…」
伸ばした手にもう血は付いていなかった
「やアお疲れさん」
篝さんが労りの言葉を掛ける。
その言葉は本当に僕を想っているのか、分からなかった
「ありがとうございます。」
篝さんから渡された缶コーヒーを受けとる
「いえいえ~」
「で、どうやった?」
「どう、って?」
「人を殺してみて」
「………………最悪でしたよ」
長い沈黙の後小さい声で呟く
「そう」
篝さんの声も僕と同じくらいだった
この物語はすべてフィクションです。実際の人物、団体、事件とは一切関係ありません
コメント
11件
これが1時間クオリティですと?高すぎますね しっかり追い込まれるんですね…やっぱり
篝さんは×しを楽しんでいそうな節がありましたが、悪夢を見るくらい追い込まれているとは…まぁほとんどの人はそうなりますよね それはそれとしてうちよそ関係なく曇っている姿大好きです。全く一時間クオリティには見えないですしとても尊敬します!!
最高ですねほんと……兄の幻影と過去に苛まれ続けてんのがもうほんとうん……ありがとうございますっっっ