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ー絵名sideー
甘露寺さんに下ろされて診察室に入ると私の知っている診察室とそう大差は無かった
まぁ…いうて100年ぐらいだからね…
「とりあえず、あなた方の名前を教えてもらったり…」
綺麗な人がそう言いながら近くにあった椅子に座る
『…私の名前は東雲絵名です…』
「暁山瑞希ですー!」
「ふふっ、元気がいいですね」
綺麗な人はそう微笑む
「私の名前は胡蝶しのぶ。この蝶屋敷の主です」
『あ、主…』
…権力が凄いな…
「胡蝶さん!”しのぶちゃん”って呼んでもいいですか!」
瑞希がそう目を輝かせる
「ふふっ、いいですよ。好きに呼んでください」
私は胡蝶さんって呼ぼ…
『ま、待って…!痛い痛い痛い…』
「後もう少しですよ!」
胡蝶さんは笑顔でそう応える
てか、消毒ってこんなに痛かったっけ…?!
私の傷が深かったのもあるかもだけど…
「え〜なな〜ん!がんばれ〜♪」
『ぅぐっ…』
瑞希はまだ傷は浅かったから余裕そう…
…だけど、私のこと、守ってくれたんだよね
だから…私は生きてる…
『ふぅ…やっと終わりましたぁ…?』
「はい!終わりましたよ」
良かった…
『あり…ありがとうございました…』
「…東雲さん、暁山さん。」
『…?』
「どうしました?」
私が席を立ち上がろうとすると胡蝶さんはそう言った
「言える限りでいいんですが…なぜ、甘露寺さんにおぶられて来たんですか…?」
「そうそう!私も聞きたかったわ!」
『?!?!』
「蜜璃ちゃんっ?!」
何この人…気配消すの上手すぎでしょ…
「私も聞いてもいいかしら?」
『いや…別にいいですけど…』
理解できるか分からないんだよね…
私達も突然の事だから混乱してるし…
それに…
彰人達も…き、気になるし…
「…じゃあえななん!お願いしますっ」
『はぁ?!』
「だって〜ボク説明苦手なんだもん〜」
『それは私も一緒!』
ほんと…何言ってるんだか…
「ふふっ…東雲さんと暁山さんは仲がいいんですね」
「えぇ!本当に”友達”って感じがして可愛いわ〜!」
「…友達…」
瑞希が少し頭を下げる
まぁ…まだ病み上がりだから仕方ないか…
『…それじゃあ、私から説明しますね』
「えぇ!よろしく頼むわ!」
「はい」
甘露寺さんは近くにあった椅子を胡蝶さんの隣に持ってきて座った
『えっと…最初から信じられないと思いますが…』
「えぇ…絵名、そこから説明するの…?」
『そこから説明しないと意味不明でしょ…?』
「だけどさぁ…」
瑞希がそう耳打ちしてくる
私だって分かってるわよ…
『…私達、未来から来たんです』
「…未来…?」
「未来?!」
きっぱり反応が別れたわね…
「未来って!凄いわね!どういうの?!」
「未来…ですか…すみません、嘘ついてます?」
うっ…
『う、嘘じゃありませんよ…!』
「そうですそうです!あっ…その証拠にこれが!」
瑞希は少しボロボロになったカバンからスマホを取り出した
…確かに、それを見せれば信じてもらえるかも…!
「わぁ…!」
「これは…」
甘露寺さん、本当に目、キラキラさせるな…
えむちゃんみたい…
「ねぇねぇ!これって…!」
『スマホです、スマートフォンの略称です』
「すまぁとほぉん?」
「知ってますか…?」
「いや…知りませんね…」
胡蝶さんが顎に手をやる
「スマホ…スマホとは、どういうものなのですか?」
『どういうもの…ですか…』
うーん…ムズいな…
スマホって言うよりも、携帯って言えば良かったかな…
『えっと、これは…色んな機能があるんですけど、遠く離れてる人とも話せたり、言葉を送れたりできるんです』
「そうですそうです!」
まぁ…私は加工アプリとエゴサぐらいにしか使ってないけど…
「それは…電信電話みたいなものでしょうか?」
「それに、言葉を送れるって…文通みたいなもの?」
『ですです!』
伝わって良かったぁ…
まぁ、大正時代は結構普及してるからかな…?
「未来はこっちと全然違うわね〜」
「そうなんですよね〜」
…こうして見るとやっぱ、甘露寺さんと瑞希って双子とか兄弟って言っても違和感ないよね…
どっちもピンクなのもあるかもだけど…
「…東雲さん?」
『あっ、なんでもないです』
くだらないこと考えてる暇じゃないわよね…
「とりあえず、東雲さんの治療が終わったので、着いてきてくれませんか?」
「はい〜」
『はい』
胡蝶さんはそう言うと微笑み席を立った
「ここが暁山さんの部屋です」
「わぁ…!ひ、広いですね!」
瑞希の部屋はThe和風!って感じで落ち着きやすそうな部屋だった
私もこんな部屋なのか…だけど…
『けど、なんでこんなにしてくれるんですか…?』
「職業柄、貴方達の事を見捨てる事はできないからですね」
しょ、職業柄…?
「それと…困っている人は見捨てない主義なので!」
胡蝶さんがそう言うと優しく微笑んだ
「おお〜!さっすがしのぶちゃん!」
『美人の微笑みは心にくるわね…』
「そうよね〜!」