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#転生
コシ
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耀聖(ようせい)
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『偽りの無能、真の覚醒〜転生皇女はすべてを奪い返す〜』
朝食を終えた後、
お兄様――アルベルトは、どこか真剣な面持ちで私の前に一つの美しい水晶を差し出した。
それは、魔力測定用の魔導水晶だった。
「ローゼマリー、病み上がりの体に少し負担をかけてしまうかもしれないが、一応、君の現在の魔力量を測らせてほしいんだ」
アルベルトは申し訳なさそうに眉を下げながら、私の細い手をそっと取った。
「君が昏睡状態に陥った原因を探るためでもある。
それに、もし体内の魔力回路に乱れがあるなら、僕の魔力で調整してあげられるからね。
さあ、この水晶にそっと手を触れて、少しだけ魔力を込めるイメージをしてみてくれるかい?」
ローゼマリーの記憶によると、
彼女のこれまでの魔力測定結果はいつも「ほぼゼロ」に近い微々たるものだった。
だからこそ、周囲の心無い者たちから「無能の皇女」と陰口を叩かれていたのだ。
(前世の私と同じ……いいえ、今ならわかるわ。ローゼマリーの魔力も、少なすぎたわけじゃない)
私の魂がこの身体に入ったことで、
前世のシャルロットとしての経験と、ローゼマリーの最高峰の魔力回路が完全に融合している。
前世の私がなぜ「無能」と呼ばれたのか。
それは、魔力があまりにも膨大で、純度が高すぎたために、
通常の測定器では「検知不可能」だったからだ。
私は静かに息を吸い込み、冷たい水晶の上にそっと右手を重ねた。
(お兄様を驚かせすぎないように、本当に、ほんの少しだけ……)
体内の奥底に眠る、果てしない魔力の海の、ほんの一滴を指先に集める。
そして、それを水晶へと流し込んだ。ピキッ……。
静かな室内に、不穏な亀裂の音が響いた。
「え……?」
リンが小さく声を上げる。
次の瞬間、アルベルトが差し出していた魔導水晶が、内側から溢れ出さんばかりの、見たこともないほど濃厚な紫色の輝きを放ち始めた。
眩いばかりの光は部屋中を満たし、
壁や天井に美しい魔法陣の残像を浮かび上がらせる。
それは、一国の最高位魔導師ですら生涯で一度も目にしたことがないほどの、圧倒的な魔力の密度だった。
「これは……馬鹿な、魔力の純度が、測定不能の領域に達して……っ!」
いつも冷静沈着なアルベルトの顔が、驚愕に染まる。
パァァァン――ッ!
耐えきれなくなった魔導水晶が、眩い光の粒子となって派手に砕け散った。きらきらと宙を舞う水晶の破片を、アルベルトは呆然と見つめている。
彼の手が、かすかに震えていた。
「お兄様、ごめんなさい……。私、加減が上手くできなくて……」
私はわざと、申し訳なさそうな顔をして俯いてみせた。
すると、アルベルトは弾かれたように私を強く抱きしめた。
「謝る必要なんてどこにある! ああ、なんてことだ……! ローゼマリー、君は無能なんかじゃない。
むしろ逆だ。君の魔力はあまりにも巨大で、あまりにも純粋すぎたんだ。
この帝国の、どんな最高級の測定器ですら、君の力を測りきれなかっただけだったんだ!」
アルベルトの腕に、強い力がこもる。
その声は、驚きだけでなく、深い歓喜に震えていた。
「1年前、君が倒れたのは病気なんかじゃない。
成長に伴って爆発的に膨れ上がったその規格外の魔力に、身体の成長が追いつかなかったからだ……!
1年間眠り続けたことで、君の身体はついにその神の如き魔力を完全に受け入れたんだね」
お兄様の推測は、私の前世の知識とも完璧に一致していた。
やはりそうだったのだ。
ローゼマリーも私も、決して無能などではなかった。
「素晴らしいよ、ローゼマリー。
これほどの才能、世界を探しても君しかいない。
やはり君は、ガルディニア帝国の至宝だ」
アルベルトは私の肩を掴み、その切れ長の瞳を愛おしそうに細めた。
その眼差しには、侮蔑や利用しようとする汚い欲など一切ない。
ただ純粋に、私の存在と才能を誇りに思い、喜んでくれている。
「お兄様……私、この力を正しく扱えるようになりたいです」
私はアルベルトの瞳をまっすぐに見つめ、静かに告げた。
「今までは自分の力が怖くて隠していました。
でも、もう逃げません。お兄様やリン、私を大切にしてくれる人たちを守るために、私は強くなりたい」
それは、私の本心だった。
この温かい居場所を守るため。
そして――私を奈落に突き落とした者たちへ、神の如き力で絶望を味わせるため。
「ああ、喜んで僕のすべてを君に教えよう」
アルベルトは嬉しそうに微笑み、私の額に優しくキスをした。
「君を無能と侮った宮廷の愚か者どもには、近いうちにその身を以て分からせてあげるよ。
……いや、まずはその溢れんばかりの魔力を制御する特訓からだね。
僕が付きっきりで見てあげるから、安心していいよ」
隣でリンも、「ローゼマリー様、本当に凄いです……!」
と涙を浮かべて拍手をしてくれている。
前世で私を「魔法無能」と笑い、罪を着せて追い出したカイル。
私の力を妬んで罠にハメたエレン。
あなたたちがのうのうと暮らしているバロア王国に、この最強の魔力が轟く日は、そう遠くない。
無能と蔑まれた悪役令嬢の、本当の逆襲劇が、今ここから加速していく。
コメント
6件
本当に帰ってきたらいっぱい投稿されてた、、 最高だぁ!!!もう上手すぎるね?言葉が出てこん…… とりあえず、最高!!(何回言うねん)
最高!!
第3話、一気に惹き込まれました!魔導水晶が砕けるシーンの凄まじい光景と、お兄様が驚きと歓喜で震えながら抱きしめてくれる温かさが本当に印象的で…。「無能」なんかじゃなかったんだ、という解放感がローゼマリーにも読者にも訪れる瞬間が胸熱でした。リンが涙を浮かべて拍手するところにもじんときます。この先、力を制御しながら逆襲していく展開が楽しみすぎます…!応援しています🌷