テラーノベル
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***
(TAKUTO視点)
午後からのリハに向けて準備をしていると、スタジオにカイリュウとランが入ってくる。
今日は2人だけ午前中にラジオ出演の日だった。
おはよう、とメンバーと挨拶を交わす2人を眺める。
「たっくんおはよう」
いつもと変わらない態度で、ランが挨拶をしてくれた。
「おはよう、ラン」
俺が宣戦布告をしたのに、優しい態度を変えないランに素直にリスペクトの目を向けるが、隣にいたカイリュウを見て、2人の距離感に意識がいく。
「カイリュウ、おはよう」
「おー、たっくんおはよ」
ランがスタッフに呼ばれ、荷物を置いて立ち去る。
上着を脱ぐカイリュウ。
2人の腕に、同じブレスレットが光っているのが一瞬でわかった。
…ああ、あいつ、そう来たか。
ランがいない間に、カイリュウの元へ近寄る。
「カイリュウ、それ新しいね。どこの?」
ブレスレットを指さす。
「あ?これ?ランの好きな店で買ってん」
「…へぇ、そうなんだ。確かにカイリュウの趣味じゃないね」
「え?お、おん…いや、たまには、こういうのもええかなって、?」
照れている様子のカイリュウ。
お揃いで買ったんだから、照れさすような何かがあったんだろう。
胸の中にモヤモヤが広がっていく。
「たっくん、カイリュウ、そろそろ時間やで」
セイトから声を掛けられ、リハを始めるも、2人の腕に視線がいき少しだけ集中が途切れてしまった。
***
モヤモヤが消えないまま、昨日のリハ終わりからカイリュウには会えずじまいだった。
今日は個人仕事のため、1人で移動車に乗り込む。
「♪〜」
スタッフさんが、ラジオを流し始めた。
「今日のゲストは、MAZZELのカイリュウさんです、よろしくお願いします!」
「MAZZELのカイリュウです!よろしくお願いしまーす!」
「お、」
そういえば、カイリュウも今日は個人でラジオ出演の日だった。
その元気な声を聞きながら、カイリュウの顔が浮かんで顔がほころぶ。
今日も元気だな。(笑)
カイリュウが元気いっぱいで、嬉しくなる。
時折いつもの面白トークに笑いながら、耳を傾けていた。
「最近食べたもので、これ美味しかったな〜みたいなものは何かあります?」
パーソナリティーがそうカイリュウに質問を投げかける。
「あ〜、ありますあります!こないだメンバーの一人とラーメン食べたんですけど、それがほんまに美味しくて、最近食べた中では1番でしたね」
あ。
これ、、こないだ俺と行ったラーメンの事じゃん。
“1番”という単語に、嬉しくなって集中して聞いてしまう。
「へぇ〜…メンバーの皆さんとはよくご飯に行くんですか?」
「行きますね〜。ラーメンは最年長のメンバーと行きましたね」
「お〜。タクトさんですね。カイリュウさんとタクトさんは年上組ですよね。やっぱり気が合う?」
「まぁ、唯一僕より上なんで、甘えられる存在ではありますね。その時も奢ってくれました。(笑)」
「あはは、そういう”甘えられる”?(笑)」
「ん〜?いや?(笑)まぁまぁ、もちろんそれだけじゃないんですけど。優しいんで、甘えたくなる時もありますね」
甘えられる存在、甘えたくなる時もある、
カイリュウの言葉に、嬉しさが込み上げて思わず口元が緩む。
あぁ…カイリュウに、会いたい。
そう思っていると、カイリュウがゲストの出番を終えた会話がラジオから流れていた。
丁度終わったのかな、と考えて、スマホを取りだしてカイリュウにLINEを送る。
『ラジオ聞いてたよ。こないだのラーメンの話してたでしょ?』
……見る暇ないか、と期待と不安が入り交じる。
外を眺めながら、内心ソワソワしていると、しばらくしてスマホが振動した。
『カイリュウ:聞いてくれてたん?したした!あのラーメンの話いつかしようと思っててん。ちょうど聞かれたから嬉しかったで』
カイリュウからの返事が来るだけで、胸が高鳴る。
俺、こんなに単純だったっけ。(笑)
“嬉しかった”という言葉がやけにキュンと胸にくる。
『俺も話してくれて嬉しかったよ、なんか俺の事聞かれてたね。(笑)』
『カイリュウ:せやねん、なんて返そうか困ったわ(笑)俺上手く返せてた?』
『スタッフさんと話しててそこだけあんまり聞けなかったんだよね。なんて言ったのか教えてよ 』
本当は聞いてたけど、カイリュウからもう一度聞きたくて、意地悪な嘘をついた。
なんて言うんだろう。
……ドキドキすんな、これ。
『カイリュウ:いっぱい褒めといたから安心せえよ(笑)』
はは。カイリュウらしいな、、(笑)
少しだけ悔しくなって、返事を返す。
『うそ、本当は聞いてた。俺には甘えたいんでしょ?』
返事が途絶えて、やりすぎたかなと焦る。
ポケットにスマホを入れるも、手では握ったまま離すことができなかった。
ドキドキが治まらないまま待っていると、小さく振動するスマホ。
すぐに取り出して確認した。
『カイリュウ:うん、甘えたい。』
……っえ、?
思わず二度見して、画面に顔を近づける。
どういう意味、?
1人で取り乱していると、また振動するスマホ。
『カイリュウ:から、飯奢れ。(笑) 』
「っ、、ふ、、っ、(笑)」
こいつ……!!
……はぁ、好きだわ。
してやられたにも関わらず、ニヤけが止まらない俺。
『あのラーメン屋越えるとこ見つけた。今日行く?』
『カイリュウ:まじ?行くに決まってるやろ!』
すぐにOKの返事が来て、会える喜びと少し弄ばれた気持ちで感情が振り回されていた。
***
仕事が終わり、カイリュウとの待ち合わせ場所に向かう。
カイリュウを探していると、向こうからスマホを眺めながら歩いてきて、俺に気付かず座ってそのままスマホを弄っている。
目の前に行って、カイリュウ。と声を掛けると、パッと顔を上げた。
「おっ、びっくりしたー!(笑)」
俺を見上げたカイリュウは、別仕事でセットしてもらったのか綺麗な毛流れをしていて、今日1日会えてなかったのもあった分、より一層可愛く見えてドキドキした。
「おつかれ。撮影あった、?」
「ん?ないで?」
「え?そうなん?」
じっと俺が髪の毛を見ているのに気付いたのか、あ〜、、これか、と言いながら話を続ける。
「……なんかメイクさんに”今日夜なんかあります?”って聞かれて、ご飯行くって言うたら何を勘違いしたんかセットしてくれてん、」
ぽりぽりと顔を掻きながら、恥ずかしそうにそう教えてくれるカイリュウ。
「…へぇ、?そうなんだ、?(笑)」
「何ニヤニヤしてんねん…」
「別に?(笑)…可愛いね、髪」
「からかうなや」
「ごめん、可愛くて。」
「もうええって!うるさいねんっ、」
「…じゃあ行こっか、デート。(笑)」
「お前ほんまに…っ!/…一銭も払わんからなっ!!/」
「はいはい、いいよ?デートだもんね?(笑)」
「うるっさいねんもう!!/はよ連れてけや!!」
俺の中では、本当にデートなんだけどな。と内心思いながらも、からかうと可愛くて、”デート”というワードを出してはカイリュウに怒られるやりとりをお店に着くまで楽しんだ。
***
「……どう、?」
“あのラーメン屋を超える”と言ってしまった手前、少し不安になりつつも、ラーメンを啜るカイリュウに聞いてみる。
啜った後、箸を置いて頭を抱えるカイリュウ。
「……うまっ、、、、なんやこれ、、、」
「でしょ?(笑)」
「シェフ呼んで……」
「はははっ(笑)」
美味すぎやろ…ともはや言葉になっていないカイリュウに満足する。
「え、ここ有名なん?」
「いや、多分そうでもない」
「お前どうやって見つけるねん…そんな才能もあったんかい…」
「ふふっ。カイリュウの好みで安心したよ(笑)」
「いやもう好みどころやあらへんって、ほんまに。…たっくんと好み合うなぁ、俺」
“好み合う”か。
何気ない言葉も、いちいち心が嬉しい言葉として受け取っていく。
「いや、ほんまに美味い…最高やわ、ありがとうな、教えてくれて」
「気に入ってよかった」
笑顔を見せるカイリュウ。
その顔が見たかっただけだよ、俺は。
ずるずると啜るカイリュウを眺めていると、目に留まる、腕にはめたブレスレット。
「……そのブレスレット、ランもしてたね」
そう言うと、カイリュウの動きが止まる。
「っ……バレてもうてる…?」
少し気まずそうな、恥ずかしそうな表情。
「バレちゃだめなの?」
「いや…っ、そうやないけど、なんか恥ずいやん…」
「なんで恥ずいの?」
「や…う、うーん、…なんでやろな、?」
「ランにお揃いにしよって言われた?(笑)」
「ん〜、、いや、最初はな、ランの服を俺が汚してもうてん。それで、俺が買うたるって一緒に買いに行ったんやけど、ランがこれがええって言うから…その流れで、なんかお揃いにしよってなって…な、流れでな?流れで!」
「…ふーん、そうなんだ。」
冷静に相槌を打ったものの、内心は焦っていた。その話をするカイリュウの表情が、ランに惹かれている気がしたから。
「ふぅ。あ〜美味かった〜。」
満足そうにお店を出るカイリュウ。
「奢れ」と言っていたくせに、はいこれ、とお金を渡してきた。
「奢れって言ってたのに」
「さすがに2回も奢ってもらわれへんやろ(笑)」
「……じゃあ、何だったの?あのライン。」
「あんなの冗談やろ?(笑)」
ランの話をする時はあんな顔して、俺には冗談で済ますのかよ。
そんなの、納得いかない。
「じゃあたっくん、気をつけてや〜?」
帰ろうとするカイリュウの腕を掴んだ。
「っ、え、なにっ、?」
「もうちょっと付き合ってよ。」
そう言って、半ば強引にカイリュウを引き留めた。
***
カイリュウを引き留め、俺がよく行くダーツバーに連れて来た。
えー?ダーツバー?とカイリュウはあまり乗り気ではなかったが、お酒を飲んでいると楽しくなってきたようで、ダーツやってみる?と聞くと、よっしゃやるかぁと誘いに乗ってきた。
「じゃあ、勝った方の言う事を聞くってことでいい?」
「はっ?なんやねん勝手に決めんなよ!」
「そっちの方が楽しいじゃん、勝ったら奢られ放題だよ?」
「ん〜…まぁ、ええけど…お手柔らかにしてやー?」
「それはどうだろ。(笑)」
「行きつけなんてたっくんが勝つに決まってるやろ!ずるいやんけ…」
「まぁ、やってみないとわかんないじゃん。とりあえずやってみようよ」
少しずるい気もしたけど、ゲームを始めてみる。
……そしてすぐに勝敗はついた。
「……俺弱すぎやろ……」
絶望しているカイリュウ。俺の圧勝だった。
「さすがに弱すぎるって(笑)」
「せやから言うたやんけぇ〜、、あんまりやった事ないもん俺」
グズグズ言うカイリュウが可愛い。
「じゃあ教えてあげるよ」
「え?」
「ほら、持って、?」
「お、おん、」
カイリュウの後ろに回って、矢を手に持たせる。
その手を上から握った。
「……これ、邪魔だから除けとくね?」
「え、?あ…うん、?」
何も疑わない従順なカイリュウの腕からブレスレットを外し、自分のポケットにしまった。
「軸を意識して?身体が揺れないように」
カイリュウの腰にそっと触れる。
「っ、う、うん…」
「少し前傾姿勢だとやりやすいよ。…ちょっと前に出れる、?」
抱きしめるように引っ付いて、覆い被さるようにカイリュウの身体を押しながら肩に顔を乗せた。
「っ、…なぁこれ、なんか恥ずいねんけど……、/」
「なんで?……そう、 上手だよ?カイリュウ、」
手を握りながら、耳元で優しくそう言うと、急に大人しくなるカイリュウ。
耳が赤くなっているのを見て、思わず口角が上がる。
「…うん、そのまま、真っ直ぐ飛ばす。」
カイリュウの手を動かして矢を飛ばすと、綺麗に真ん中に刺さる矢。
「っ、!!えっ!ほんまやっ!すごいなたっく…、っ、!//」
思わず感動してこっちを向くカイリュウ。
振り向いたら、ほっぺにキスできそうなくらいの距離にオレがいることにびっくりしたのか、言葉に詰まり顔が赤くなる。
「っ、// なぁ、ちょ、近いって…っ、!/」
「ねぇ、俺まだ言う事聞いてもらってないよ?」
「……っ、え、」
離れようとするカイリュウの腰を掴んで、逃げ場を無くす。
「……今日のラジオで言ってた事、ちゃんと教えて、?」
「えっ…、な、なんで…っ、?/」
「知りたいから」
「っ…き、聞いてたんとちゃうん、?」
「聞いてたよ?でも、直接聞きたい」
「はっ、…はっ、?/なにをやねん…っ、」
「俺にどう甘えたいのか、濁したでしょ」
「……っ、いや、別に、濁してへんよっ、」
「……なんで、最初に”甘えたい”って送ったの?」
「せやからっ、冗談やろ?あれは…っ、/」
「奢らせなかったくせに?」
「っ……ごめん、なんか、…わからへんけど、ちょっと…意地悪してもうた、かも…っ…、。」
「いじわる、?(笑)」
「っ、も、もう、わからへんって、!/ な、なんか余裕なたっくんが、ちょっと困らへんかなって…ちょっとだけ、思っただけやん…、」
「っ……は、?/」
俺に意地悪したかっただけって、?
は?それ、まじで言ってる?
……可愛すぎだろ。(笑)
ああ、もう、やばいな。
早く俺のもんにしたい。
欲しい。カイリュウが。
「も、もうええやろっ、?!離れろや…っ、な、なんかたっくん、変やで…っ、?/」
俺を押して離れ、照れまくっているカイリュウ。
「…ごめんごめん。カイリュウ、お酒飲むと可愛いから。からかいたくなるんだよね。(笑)」
カイリュウの頭をぽんぽんと触ると、なんやねん、触んな!ここは奢らすからなっ!と照れ隠しで息巻いてきて、その愛おしさに思わず笑ってしまった。
コメント
4件
たっくん、それブレスレット返す気ないやろ、、、?いいねぇ〜大人出てる。いやー甘えたいカイリュー可愛いと思ったけど意地悪したかったのもっと可愛いラーメンにびっくりしてるのも可愛すぎたわ続き楽しみ🥹💖
ブレスレットをコソッと取るあたりクズたくとが垣間見えるところめちゃすきです💕たっくんの余裕であんなこと出来るところとかも全部ガチすぎで最高です︎︎👍︎︎👍︎︎👍