テラーノベル
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(RAN視点)
朝、事務所に着くと、次々に集まってくるメンバー。
「おはよう」と言い合いながら、たわいも無い話をする。
ふと、カイリュウの腕を見ると、あのブレスレットはそこに無くて、付き合ってもないのに重いか…と思いながらも気になってカイリュウに話しかけた。
「今日付けてないんだ、?」
「っ、え……」
「これ。」
俺の腕を見せると、焦ったような顔で口を開いた。
「ランごめん……昨日つけてたんは覚えてんねんけど、どっかに置いてきてもうたかもしれへん……」
「えっ…あ、そうなんだ…」
「ほんまにごめん……あんま昨日の事覚えてへんくてさ……探してみるな、?」
「うん、まぁ、しょうがないよ…あんま気にせんどってな?見つかるといいな、」
落ち込んでいるカイリュウに、気持ちが軽くなるようにそう声をかけた。
「あ、カイリュウ」
「ん、?」
ソファーに座っていたたっくんが、カイリュウを呼んでこっちに来る。
「これ、昨日返すの忘れてた。ごめんね。」
そう言って、ポケットから出てきたのはあのブレスレットだった。
「うわっ、!あ、せやせや!たっくんかー!!うわー!よかったー!」
それを受け取り、よかったー!と安堵するカイリュウ。
は?
なんでたっくんのポケットから出てくんの?
昨日一緒にいたってこと?
……だからって、ブレスレットを外す必要ある、?
「……なんでたっくんが持ってんの?」
「なんでだったっけ?教えてあげなよカイリュウ」
「っ…え、…あ、いや、昨日たっくんとご飯行って……そんとき、外したんやったかな、」
「……ふっ、(笑)」
カイリュウがしどろもどろにそう言うと、たっくんが意味ありげに少し吹き出し、ソファーに戻っていった。
2人の反応に、身体が重くなる。
「…たっくんとご飯行ったんやね、」
「お、おん、そうやねん、!あ、ラーメンやねんけどそこがほんまに美味くてさぁ…ランも絶対好きやで?」
「それだけ、?」
「え、?」
じっとカイリュウを見つめると、あ、あぁ…となんだか気まずそうに続けた。
「…んー…、や、たっくんがダーツバー行きたいって言うからな、、?」
ダーツバー、?
さっきのたっくんの笑い。
……あぁ、うん、だいたい察したわ。
そこで外されたんだろ?
……なんで、嘘ついたんやろ。
「そっか。うん、わかった。…それ以上は聞かない」
「え、ラン…っ、」
自分の感情を抑えられなくなりそうで、カイリュウの顔を見ずに、仕事の準備を始めた。
***
(TAKUTO視点)
ランには悪いけど、カイリュウが俺に外された事を言わなかったのが嬉しくて、思わず吹き出してしまった。
……少しでも、カイリュウの中にやましい気持ちがあった、ってことかもしれないから。
カイリュウの気持ちを動かせた気がして、内心喜んでいた。
その日ランとカイリュウは会話することなく、その後お互いに別仕事へと向かった。
カイリュウの視線は度々ランに向いていたが、ランは余程効いたのか、カイリュウと距離を置くようにして仕事に励んでいた。
***
夜、新曲のコレオの続きを考えようと事務所に戻る。
ドアを開けると、丁度出ようとしていたカイリュウとばったり会う。
「あっ、ごめん、カイリュウいたんだ、」
「おん、たっくんやん…」
顔を見て、嬉しくなったのも束の間。
元気がなく、疲れている様子だった。
少し顔が赤い。
「…カイリュウ、?だいじょ…っ、!
大丈夫?と聞こうとした瞬間、ふらつくカイリュウ。
瞬時に受け止めると、触れた身体が熱い。
「カイリュウ、熱あるやんっ…送ってくよ、俺、今日車だし、」
「ほんまに…、?ごめん…助かるわ、、」
コレオ作りを中止して、カイリュウを支えながら車に向かった。
***
カイリュウの家に到着して、着いたよ、と言うと、「ほんまありがとうな」とフラフラになりながらドアを開けて1人で行こうとするカイリュウ。
「まって、 そんなフラフラでほっとくわけないでしょ、」
慌てて腕を掴む。
「ごめん……ちょっと、頼むわ、」
そう言うカイリュウに肩を貸して、家の中まで一緒に向かった。
家に入り、カイリュウをベッドに寝かせる。
冷蔵庫にあった水を取り出し、タオルを借りて水で冷やす。
ベッドの傍に座り、水を飲ませた後、おでこをタオルで冷やしてやる。
つめたぁ…と呟き、息が上がりながらも、ありがと、たっくんいて助かったわぁ…と、ふにゃ、と笑う。
どき、と心臓が跳ねて、タオルを直す振りをして髪の毛に触れた。
「うん…俺ここにいるから、寝てな、?」
「うん……ほんまに、ありがと…」
余程きつかったのか、すぐに目を瞑って、スースーと寝息を立て始めた。
その寝顔が愛おしくて、しばらく頭を撫でながら見つめていると、ピコン、とカイリュウのポケットからスマホの通知音が鳴った。
ポケットを探り、カイリュウのスマホを取り出す。
『ラン:今日は勝手に怒ってごめん。元気なさそうに見えたけど、大丈夫?心配だから行ってもいい?』
ランからのLINEだった。
俺があんなずるい事しても、俺に何も言わず、カイリュウにも冷たくしたくせに、結局優しくせずにはいられない。
…俺にはない、真っ直ぐさ。
通知を見たあと、カイリュウの顔を見る。
……でも、今、隣にいるのは俺だから。
少し考えて、カイリュウのスマホの電源を落とし、自分のポケットにしまった。
「……ごめんね、」
“どっち”への言葉なのか、そう呟きながら、再びカイリュウの頭を撫でた。
***
夜中にふと、頭に何かがのしかかった重さで目が覚める。
カイリュウの傍に座ったまま、ベッドに頭だけを預けていつの間にか寝ていたことに気付く。
顔を上げると、カイリュウが寝返りを打ったのか、俺の頭を腕で包み込むようにして寝ていた。
その近さに一瞬びっくりして声を上げそうになったが、起こさないようにと瞬時に頭が判断して自分を落ち着かせた。
すぐ側にある寝顔。
今だけは、独り占めできる。
無意識に唇を寄せようとして、肩に手を置いたとき、見つめていたカイリュウの口が開いた。
「…んん、…らん、」
キスをしようとした寸前で、口から漏れたその寝言にぴたっと動きを止めた。
カイリュウの言葉に、胸が締め付けられる。
ランじゃない。
今近くにいるのは、俺なのに。
カイリュウの肩から手を下ろして、布団をギュッと掴んで、気持ちのやり場にした。
***
朝、目が覚めると、ベッドにカイリュウの姿はなかった。
身体を起こして、リビングに向かうとすっかり元気になった様子のカイリュウがいた。
「お、たっくん起きた?おはようさん。ごめん…昨日ずっとおってくれてたんやな、?迷惑かけ、、っ、
言い終わる前に、自然と身体がカイリュウを抱きしめていた。
「えっ、な、なんやねん…っ、?」
「ごめん……心配だったから、」
「あ、ありがとうな、?ごめんな色々…ほら、か、風邪移るで…っ、?(笑)」
昨日の寝言が頭に残っているせいか、焦っているのか自分でも自分の行動に動揺する。
抱きしめても無下にせず、困ったように笑いながら俺の背中をぽんぽんと叩くカイリュウ。
名残惜しくなりながらも身体を離した。
「それにしても、今日オフでほんまに良かったよな〜」
「…あ、そうじゃん、」
「忘れてたん?(笑)なんかお礼させてや、」
「え、いいの、?」
「当たり前やろ、一晩中おってくれたんやから…」
じゃあ…と考えを巡らせていると、「あ、」とカイリュウが思い出したように声を出した。
「ん、?」
「そういや俺のスマホ知らへん、?見つからへんねん」
「……あぁ、」
その言葉に、途端に現実に戻される。
自分のポケットに意識が行きながらも、言葉を返す。
「…昨日充電してあげようと思ったんだけど、充電器どこか分かんなくてさ。確かあの辺に置いたはず……」
そう言いながら寝室に戻り、探すふりをしながらポケットからスマホを取り出す。
「あったよ」とリビングに戻って差し出した。
「お、あった?ありがと…うわ、充電切れてるやん、」
いそいそと充電器に繋げようとするカイリュウ。
昨日見たランのLINEが頭を過ぎり、思わず充電器を刺そうとする手を掴む。
びっくりして俺を見るカイリュウ。
「たっくん、?」
「さっきの話なんだけど、」
「ん?おん…、なに、?」
「今日オフだし、1日俺にちょうだい?」
「え、?お、おん…ええで、?そんなんでええなら…(笑)」
「ありがと、」
よし、と内心思って手を離す。
通知を見る前に、約束したかった。
いつになく余裕の無い俺がいた。
手を離すとすぐに充電器に繋ぐカイリュウ。
スマホの画面が明るくなり、画面を見たまま動かない。
ランの通知を確認しているはずのカイリュウの背中を見つめた。
「……ごめん、ちょっと電話してくるな、」
焦ったような顔のカイリュウが、バタバタとベランダに向かった。
「……あーあ。」
思わず声に出ながら、ドサッとソファーになだれ込んだ。
***
カイリュウがベランダで電話をしている後ろ姿を、リビングからぼんやり眺める。
相手は、もちろんランだろうな。
そう思いながら見つめていると、カイリュウが下を見ながら手を振っている。
……まさか。
その姿を見て、ソファーから降りてベランダに近づく。
そっと、窓を開けると、カイリュウの話し声。
「…うん、…ほんまに、もう大丈夫やって。ありがとうな、ラン。」
その言葉が聞こえた瞬間、ベランダに出た。
「っ、え、たっくん…っ、?!」
電話をしながら、俺を見て驚くカイリュウ。
下を見ると、スマホを耳に当てながら、俺の顔を見てびっくりしているランと、目が合った。
コメント
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余裕のないたっくん大好きすぎます🫠 ☕️🍓派なのでらんくんには悪いと思いながらいいぞ!たっくん!ってなってます😂
ほんとに次楽しみすぎる終わり方してくださるのほんとに最高ですっっ!たっくんもうキスしてまえっ笑笑
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