テラーノベル
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むかぁし昔のその昔、あるところにキツネとクマが居ったそうな。二匹は山で出会ったんだと。
キツネはクマにこう言った。
「ふたりで畑を作ろう」 そうしたらクマは
「そりゃ、よかろう!」ということになって
キツネは
「じゃあ、おらが種を捜してくるから、クマどんは畑の土を掘っといておくれ」
そう言って、忙しそうに坂道を駆け下りて行った。
クマは土の良さそうなところを見つけて畑を作った。
畑が出来た頃合いに、キツネが種を持って戻って来た。(中略)
やがて芽が出て葉も出て、立派な野菜が出来たんだが、それは大根だった。
約束だから仕方がない、と クマは土から上の大根の葉の方を取り、キツネは大根の根の方を取って持って帰ったんだと。
次の年に、またキツネとクマは出会ったんだと。
「クマどん、去年は気の毒したな。どうじゃろう、もう一度 畑を作ってみんか? 今度はクマどんに土から下を取ってもらい、おらは土の上の方でしんぼうしようと思うとるが」
それを聞いて、クマは
「よかろう、よかろう」ということになって、今度もクマが畑を耕やして、種はキツネが持って来た。
やがて芽が出て、葉も出て、花が咲いて実がなった。なったとこれが赤い実のイチゴだった。
キツネは、土から上は おらのもんだ、と言って その実を残らず持って帰ってしまい、クマは その根っこを掘ってみたら、ヒモのようなものがあるばかりで食べることが出来ん。
すっかり腹を立ててしまい、もうキツネとは畑を作らんと心に決めたそうだ。
そんなキツネとクマがまた出会ったんだと。
今度はキツネが
「クマどん、ヤブの中に蜜蜂の巣があるのを見つけたんだが、取りに行かないか?」と。
クマは、蜜蜂と聞いては放ってはおけん。
大好物のハチミツのことを思って、ゴクリとのどを鳴らして キツネのあとをついて行った。
ところが、巣を取りに来たというので何千匹もの蜜蜂が、ワーンとクマに集まった。クマがそれを払い除けようと、首を振ったり 手を振ったりしている間に、キツネはクマを置いて、蜜のいっぱい詰まった蜜蜂の巣をかかえて逃げてしまった。
クマは
「もう勘弁ならん。今に見てろ!」と、顔を真っ赤に … したかどうかは 知らんけれど、
とにかく たいへん怒ってしまった。
それから しばらくたったある時、キツネが腹を空かせて 食べ物を探していたら、クマに出会った。
「やあ、クマどん。このあいだは あとからクマどんも逃げて来るもんだと思って半分とって置いたけど、待っても待っても来ないから、ハチミツは全部食べてしもうたが、どうして来んかった?」
クマはいやなことを思い出し、
「何をいう。お前には何度もだまされた」
「本当だよ。 ところで、何か食べ物を探しているんだが、おらはお腹が空いて、お腹が空いて」と。
すると クマは
「河原に行くと馬がいる。馬は後ろ足が弱いから、そこに喰らいつくと すぐにまいる。そうしたら 馬の肉がいくらでも食えるぞ」と教えた。
キツネは、これはいいことを聞いたと、早速 河原へ行ってみると、なるほど馬が草をはんでいる。
キツネは、
「へへん、クマどんのやつ、お人好しもいいとこだ」
と言いながら、そろりそろりと忍び寄って、
いきなり馬の後ろ足に噛みついた。すると、
その途端に、キツネは激しい力で馬にボカンと蹴り飛ばされてしまい、キツネは大ケガをしたそうな。
むか〜し、ぽっこり。お話はこれでおしまいだよ☺️✨
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