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莉音はいつも自覚していた
自分は
愛情に飢えていると
女の子と何人も付き合い
SEXを覚えたけど
なんだか
どこか満たされなくて
次々に相手を変えてきた
ああ
僕は
抱く、じゃなく
抱かれたかった
包まれたかったんだ…
礼央に出会え、それがわかった
レベルの高いオタク、いや、温かい家庭で育った礼央。
彼の1番はミュージカルの舞台に立つ事だけど、2番は…
2番は…?
翌朝
キッチンで出汁をとり味噌汁を作る礼央に聞いてみた。
鰹節を削るところからスタート、健康のためだと料理へのこだわりがすごい。
いや、とことん突き詰めるのが礼央の家だ…
「ねえ礼央、2番目に大事なものって何?」
「2番目?味噌汁の具の1番は栄養がある豆腐だが、2番目はワカメかエノキで迷うな」
誰が味噌汁の具を聞いてるんだよ。
「いや、1番はミュージカルの舞台に主演として立つ事でしょ。その次を聞いてるの」
「あー…2番は準主役かな。3番は主要キャスト…」
はああーっ
莉音はため息をつく。
これは聞いても無駄だ。
特別な感情がない身体だけの関係。
…そうなんだよね
コンビを組む相手と
SEXしてるだけ…
礼央は僕の気持ちを
わかっているようで
…わかってない
「できた。ご飯よそって」
「はーい」
莉音は礼央のご両親からプレゼントされたディズニープリンセスのラブリーなお茶碗(何故だ)を並べた。
2番か…
礼央は気づいていた。
鈍感なこの男にだってわかる時はわかる。
莉音は寂しいんだ。
自分のおかしな…変な…あ?まあ、とにかく家族を見つめた時の莉音の目。
自分をみつめる莉音の目。
抱いていたら
いつもある瞬間
震えながら抱きついてくる
嫌ではない
求められたら
抱く
だけどそれ以上、
どうしたら良いか
わからない…
「だからって、何故俺に聞く!」
マネージャーの相馬が叫んだ。
周りに睨まれ、あわてて頭を下げまくる。
今日は礼央と莉音のグラビア撮影の日。
個々の撮影があり、莉緒がカメラの前に立ったタイミングで、礼央がいきなり相馬にコソコソと聞いてきた。
うわー
うわー
やはりできていた、
やっちまってた、
莉音と礼央が…
で、恋愛相談?
マネージャーとしてどう答えたらいいんだ。
続く