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ここからですね!ここからが特に面白いんです!これからも頑張って下さい!楽しみにしてます!
どーも!!wakaです!いやぁーやっと終わりました……。胸糞悪いところですが、見ていただけると嬉しいです!!
それでは、どうぞ‼
ティ―ゼちゃん達の心の傷が深くなる前に、止めなければ。
私は、未だぼんやりとしている頭をフル回転し、視線を巡らせた。すると、枕元に私の剣があることに気付いた。私の愛剣、ここにあったんだ。ばれないように少しずつ移動すると、鞘から少しだけ覗いている刃に縄を当てた。週に一回手入れをしているから、切れ味は抜群。簡単に縄が切れ、解けた。
流石に異変に気付いたライオスとウンベール。2人とも「は?」って顔してる。傑作だね‼ユージオとキリトも、呆気にとられた顔をしていた。大丈夫。私ならできるから。
ミ「はぁっ‼」
私はベッドの上で軽く跳ぶと、ライオスの鳩尾に容赦なく横蹴りを入れた。生憎、こんなゴブリンもどきに対して慈悲は持っていないんだよね。ライオスは、吹っ飛ぶまでは行かないものの、バランスを崩して床に倒れた。WAO☆
ラ「な、何…⁉」
ミ「思いっきり悪役の台詞ですよ、ライオス殿」
ティ・ロ「「ミオ先輩…‼」」
ユ・キ「「ミオッ‼」」
4人の顔が恐怖、怒りから安心の色に変わる。しかし、これで…私は…。
ウ「き、禁忌目録違反、だ‼」
ガチガチと歯を鳴らしながら私を見るウンベール。ライオスものろりと起き上がると、ニタリと笑った。そして興奮を抑えられていない声で言う。
ラ「ハハハハ‼貴族裁決権の対象は原則として下級貴族と私領地民のみだが…上級貴族とはいえ、天命を減らすという禁忌を犯した大罪人ならば、その限りではない‼」
そう言って、ベッドの傍に置かれている飾り物ばっかりの両手剣に手を掛けた。
ラ「くくく、この私とても、実剣で人の首を落とすのは初めてだ…父上や叔父上さえもそこまでしたことはあるまい。これで私はさらに強くなる…あの気取ったリーバンテイン家の跡取りよりもずっと」
私は、固唾をごくりと飲み込んだ。ライオスの剣が白い光を帯びる。窓から雷鳴が響く。こんなところで終わってたまるか。
ミ「アンタに落とさせる首なんて持ってないっての‼」
私はライオスから離れると、剣を左腰に携え、構えた。それでも、ライオスは私に向かって突進してくる。私は、自分の剣で受け止めようとした。刹那。
キ「剣を引け‼ライオス!」
ユ「お前にミオは傷つけさせない‼」
私とライオスの間に、黒い影と青い影が飛び込んで来た。言うまでもない。キリトとユージオだ。2人が自分達の剣でライオスの剣を受け止めている。
ミ「キリト!!ユージオ!!」
キ「ウンベールとライオスは俺達に任せろ!!ミオはティーゼとロニエを!!」
ミ「……分かった!」
迷っている暇は無い。私は天蓋付きのベッドに急いで駆け寄った。ふと、ウンベールがいないことに気付く。部屋を見渡すと、ウンベールとユージオが鍔迫り合いの状態で睨み合っていた。視線を戻し、ベッドの上で震えている2人を縛っている赤い縄を剣で切った。体が自由になったティーゼちゃんとロニエちゃんは、お互いの肩に顔を当て、抱きしめ合いながら嗚咽を漏らした。
ミ「2人とも、よく頑張ったね」
ティ「あり、がとう、ございます、ミオ先輩」
ロ「私達の、ため、に…禁忌まで、犯してしまって……」
あ、そっか。結構天命減らしちゃったからなぁ。だってメリッて音したもん。でも、恐怖心ってやつはないかな。……なんかそう考えると怖くなってきた。
そして、私がもう一度ティーゼちゃん達の頭を撫でようとした時だった。
ユ「うぉぉおおおお!!!!」
私の頬に鮮血が飛び散った。
ミ「え……?」
勢いよく振り向くと、ユージオとキリトがアイツらの腕を斬り落としていた。
ライオスとウンベールは天命がみるみる減っていく中で、喚き散らす。
しかしそれも数秒で、2人は原作のライオスのように一瞬で黙り、床に崩れ落ちた。
キリトとユージオは鮮やかな血に染まった愛剣を握りしめながら、ゆっくりとこちらに歩み寄ってくる。さらに、ユージオの右眼からは血が流れていて、私はそれで悟った。
ユージオ、封印を破ったんだ……。
自然と、恐怖は感じない。
キリトは、悲しそうに目を伏せて言った。
キ「すまない、ミオ。こんな所を君に見せたくなかった」
ミ「いや、キリトとユージオは悪くない。私が保証する」
いつの日にかキリトに言われた言葉を返すと、キリトは「ありがとう」と小さく言った。
ユージオは、未だに自分が人を斬ったことが信じられないのか、呆然としている。
ユ「僕は……」
虚ろに声を漏らすユージオに、私とキリトは言った。
キ「お前は人間だ、ユージオ」
ミ「そうだよ、自分を見失わないで。ユージオ」
ティーゼちゃんは、ユージオの血に濡れた右眼の周りを手巾で優しく拭き取っていた。
事が穏やかに去ろうとしたその時。
壁から覗くように、白い顔が見えた。
ミ「やっぱり……?」
キリトもその事に気づいたのか、ロニエちゃんの耳を塞ぎ、「2人に聞かせるなっ」と厳しい顔で言った。ユージオもキリトにならう。
その白い人が唱えた術式はよく覚えていない。でも、これで私達はセントラル・カセドラルに連行されるのは明らかだった。
キ「なんなんだ……?今の……」
教官達とフィル、フレニーカちゃんが慌てたように部屋に押しかけてきたのは、それから数秒後だった。
その後、私達は事情聴取のあと、1度も使われていないであろう懲罰房に入れられた。寝心地結構悪かった!!あんなんで寝られないよ!!
アズリカ先生にユージオの右眼を治してもらい、公理教会から整合騎士が迎えに来るとの事で、私達は学院の外にいた。
すると、数分もしないで空から飛竜が飛んできて、私達の前に降り立った。飛竜の背から飛び降りてきたのは、艶やかな長い金髪に、サファイアのように蒼い瞳。黄金のアーマーを身につけた美少女だった。
はい!お分かりですね!アリスちゃんですね!やっべぇ超可愛い。天使だ。
アリスちゃんは、罪人である私達を冷ややかな目で一瞥すると、かやのんボイスで言った。
ア「セントリア市域統括公理教会整合騎士第3位、アリス・シンセシス・サーティです」
ユージオは、震えた声で「君は……アリス、なのか……?」とアリスちゃんに近づいていく。私は、ユージオに声をかけたけど、気付く様子もなくアリスちゃんに剣で弾かれていた。
キリトと話し合い、ここでは素直に従おうということになった。
ア「上級修剣士キリト、上級修剣士ユージオ、上級修剣士ミオ・マルウィス。そなたらを禁忌条項抵触の咎により捕縛、連行し、審問ののち処刑します」
足と腕、体を拘束具で止められ、自由がなくなる。まぁーた縛られんのぉ?さすがにキツイって……。
そして、キリトとユージオも拘束され、アリスちゃんが飛竜の背中に跨ぐというところで、学院から、誰かが出てくるのが見えた。
あの銀髪と赤毛、焦げ茶。見間違えようがない。
フィ「先輩っ!!」
ティ・ロ「「先輩!」」
ミ「っフィル……」
彼らは、私達の剣を引きづりながら走ってきた。きっとフィルが青薔薇の剣と私の剣を持っているのは、女の子だと重いからだろう。やるやん、フィル。
3人はアリスちゃんの前に立つと、毅然とした口調で言った。
ティ「騎士様っ!お願いがございます!」
ロ「先輩たちに剣をお返しする許可を、どうか……」
フィ「お願い致します!!」
アリスちゃんは無表情で言った。
ア「いいでしょう。ただし、剣はこちらで預かります」
私達の剣3本をひょいと持ち、飛竜に着いている鞄に入れる。キリトにはロニエちゃんが、ユージオにはティーゼちゃんが、私の元にはフィルが近寄って来た。
フィ「すみません……俺が、もう少し早く教官を呼んでいれば……」
ミ「もう終わった事なんだから、心配しないで」
フィ「でも…」
悔しそうに顔を歪め、拳を握りしめるフィルに、私は下から優しく笑いかけた。
ミ「だったら、次こういう事があったら、フィルが真っ先に駆けつけて、助けてあげて。これは私の最後のお願い」
フィ「……はい。それで……」
小さく頷いたあと、フィルは少し顔を赤らめながら言った。何?どうした?
ミ「ん?」
フィ「こんなところで言いたくなくて、もっと早くに言いたかったんですけど、俺、先輩のこと……「時間です。離れなさい」」
フィルが何か言おうとした途端、飛竜の鞍に跨っていたアリスちゃんが鋭く言い放ち、私達を引き離した。なんなんだよ!めっちゃ気になるじゃん!!
横を見ると、キリトが手にお弁当みたいなのを持っていた。まぁ、その手は後ろに回されて拘束されてるけど。
とうとう最後のお別れだ。アリスちゃんの飛竜ーー雨緑は、地響きのような音を立て、助走を始めた。それでも後ろからフィル達が追いかけてくる。3人とも、涙を流して、必死な顔で。
そして飛竜は飛び立った。
もう、公理教会に入った時点で、私は死ぬのかもしれない。私は主人公じゃないから。そんなに不安が一気に押し寄せる。すると、私の両目から涙が溢れ、頬に伝った。急いで拭おうとしても、とめどなく溢れてくる。地上の3人もそれに気づいたのか、ティーゼちゃんとロニエちゃん走る足を止め、涙を流しながらその場に崩れ落ちた。
私達は今日、罪人として公理教会の門をくぐった。
ミオ・マルウィス(19歳)
とうとう罪人になってしまった。フィルが最後何を言おうとしたのかは分からない。そうそう。この人鈍感だから。
キリト(19歳)
罪人になった主人公。飛竜に拘束された時、横でミオが涙を流しているのを見て、意外に感じる。しょうがないだろ、泣いてるとこ見たことないんだから。フィルがミオに何を言おうと思ったのか真っ先にわかった。
ユージオ(19歳)
罪人になった準主人公兼ヒロイン。キリトと同じく、ミオが泣いているのを見て、意外に感じる。ユージオも、フィルが何を言おうとしたのかは察しがついた。さすがにわかるよ……だって、フィル顔赤かったし。
ようやく終わりました……!!読んでいただき、ありがとうございます!!コメント、ハートもありがとうございました!!