「えー大丈夫そ?」
 私は生首を拾うと、手首が腕をよじ登って
肩に乗った
 「生首と手首ゲットー」
 “ あなた 優しい ! ”
 生首は嬉しそうに口角を上げると、手首がとある場所を指差した
 「ん?あそこに行けば良い感じ?」
 私は生首を持ちながら、手首が指差した場所まで歩みを進めた
 しばらく歩いていると、奥に扉が見えた
 「えーめっちゃホラー映画っぽい。
扉抜けたらなんか来る説」
 私は扉に歩みを進め、ドアノブに手をかけた
 ギィ、という音と共に扉が開いた瞬間、目の前に銀髪の男が現れた
 “ こんにちは ”
 「おつー。ってかそれ特殊メイク?めちゃクオリティ高いね。」
 “ 、、?”
 「えもしかして貞っち達と同じ言語使ってる説?ウケる。」
 銀髪、まぁ銀ちゃんとでも呼ぼうか
 銀ちゃんが首を傾げていると、生首が口を開いた
 “ 彼女 私 助ける ! ”
 “ あなた どうやって ここ 来る ? ”
 “ 彼女 運ぶ 僕 ! ”
 “ 彼女 優しい ! 友達 一緒 運ぶ ”
 “ なるほど ”
 「貞っちー。何言ってるか分かりそ?」
 “ 、、? 私 あなた 言葉 分かる ない”
 二人の会話が分かるかを貞っちに聞いてみたが、まず言語が分からない為貞っちの言葉も分からない
 えーこれ結構詰んでるくね?
 私がどうしようかと悩んでいると
 “ あなた 言葉 分かる ない ? ”
 「あれ、なんか赤チャンの時と同じ事聞かれてんのこれ」
 なんかフレーズも似てるっぽいし、とりま頷いとこ
 私が首を縦に振ると、銀ちゃんはソファを指差し
 “ 私 言葉 教える 可能 ”
 “ あなた そこ 座る ”
 「んー、座った方が良い説?」
 私が首を傾げていると、銀ちゃんが私の手を握ってきた
 “ 私 あなた 案内 する ”
 「えー銀ちゃんめちゃハイスペじゃん。
あざー」
 その後、私は銀ちゃんから必要最低限の言葉を教えてもらった
 「 ” 目 鼻 口 ? ” 」
 “ 正解 ”
 「うぇーい。銀ちゃん教え方うますぎ」
 銀ちゃんが指を指した場所の名前を答え、見事に全問正解を果たした
 “ あなた 言葉 分かる ? ”
 「おっ貞っち。” 私 分かる あなた 言葉”」
 “ あなた 話し できる ! 嬉しい ! ”
 貞っちはそう言うと、私のお腹に抱きついた
 「えー貞っち可愛いー。なんかめっちゃ愛着湧くわー」
 私が貞っちを撫でていると、不意に後ろから銀ちゃんが抱きついた
 “ あなた すべき 彼女 離れる ”
 “ ダメ 彼女 私の あなた 離れる ”
 「えめちゃバチバチじゃん。ウケる 」
 “ あなた 優しい 可愛い ! ”
 「えーちょー嬉しい。” ありがとう ” 」
 私はテーブルに置いてあった生首を撫でていると、二人の抱きしめている力が強くなった気がした







