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薄暗い部屋にひたすら俺の喘ぎ声が響き渡る。

腰を打ち付ける音。結合部分の卑猥な水音。

そして‥俺を組み敷く彼の息遣い。



「快楽に弱いお前も好きだったけど‥ここまでだったなんてな‥まんまと俺は騙されてたわけだ‥」



呼吸を整えるのに必死な俺に、相変わらず冷たい目線が突き刺さる。


「ちが‥騙し‥てたわけじゃ‥」


涙目で訴える。決して裏切るつもりはなかった。ただ、ただ、寂しかった。

それを埋めてくれていたのが甲斐だったのだと。


「よりによって甲斐?お前に好意を寄せていたもんな‥手短な所で済ませたってわけ?」


違うと必死で首を振るが、嘲るような笑みを浮かべる。俺を見つめながら。




「俺は信じてたよ‥お前を。そんな俺をお前は裏切ったんだ。だから‥受けなきゃいけないよな。お前は受け止めないといけない‥‥」



言葉と同時にぐぷっ‥と内部に挿入されていたモノを抜かれ‥左右に開かされていた足が震える。

抜かれたことにより、そろりと足を閉じようとする行為をギロリと睨まれ反射的に身体が強張る。


「誰が閉じていいなんて言った?‥お前のここ‥もう開いてんじゃん‥こんだけ開いてたら‥入るよな」



何が?

そう聞こうとしたが‥祐希さんの手に持つ物体を見て言葉を失う。



あまりにも祐希さんには似合わない‥不自然過ぎる物。それを手に持ち俺を見てニヤリと笑う。

何故持っているのか‥



「見たことある?もしかしてと思って‥買ったんだよ。ここで使うことになるとは思わなかったけど‥」



見せつけるように俺の顔の前でそれをチラつかせる。直接見たことはなかったが、画像や映像でなら幾度となく見たことがあるもの‥。



バイブ。黒光りする異様に大きい規格外のサイズ‥。スイッチでも押したのだろうか‥電子音と共に激しくうねるように動き出した。



「凄いよな‥こんなのあるんだって思って‥なに怯えた顔してるの?‥怖い?」



「‥嫌や‥そんなの入らん‥」



絶対に無理、そう思い後ずさりしようとする俺の足を鷲掴みする。



「大丈夫‥俺が挿れてやるから」



入るわけない、嫌だ‥必死で懇願するも俺の言葉は届かない。


「藍‥俺に許して欲しいんだろ?それなら誠意を見せなくちゃ‥ほら、自分で足を持って開いて」


冷たい言葉を浴びせられ今にも泣きそうになる。が‥それでも許してくれるなら‥とコクンと頷くと‥縛られていた両手を外される。



恐る恐る両足を手に持ち左右に開く。先程まで貫かれていた部分を祐希さんに凝視され、羞恥心が襲う。同時に恐怖心も。



「そう、ちゃんと持ってて。俺がいいって言うまで‥」



従う俺を見て不敵に笑う。その直後、不意に最奥の部分へと当てられたモノの冷たさと硬さに思わず声が漏れてしまう。


「ひゃっ、んん‥あ‥‥‥くっ」



潤滑油の滑りもあるのに‥その異物の大きさは許容範囲を超えていた。手首ほどあるんじゃないだろうか‥


想像を超える痛みが押し寄せる。身体が拒絶反応を起こし‥ジワリと汗ばむ。



「痛‥い‥抜い‥て‥むり‥入らん‥」


「もう?まだ先の方しか入ってないじゃん‥」



ほら、力抜いてとペシッと臀部を叩かれる。潤滑油も更に足されたがそれでも激しい痛みが押し寄せる。玉のような汗が滴る。

なのに‥

挿入している玩具をぐりぐりと入れ込まれ‥あまりの激しさに気を失うかと思うほどだった。



「やだ‥痛‥い‥許し‥て‥」


泣きじゃくり許しを請う。下半身が裂けてしまったのではないかと思う程の苦痛には耐えられなかった。



「今入ったよ‥大丈夫、裂けてもいないし傷付いてるわけでもない‥

しっかり咥え込んでる‥凄いな‥こんな大きいのも入るんだな‥ 」



無表情で呟く祐希さんの顔を見上げる。瞳が合うと、途端に押し込まれた異物が機械音を発し‥あまりの激しさに身体がのけぞる。

必死で与えられる刺激を散らそうとするが‥そのたびに叱責を受けただひたすら懇願するしかなかった。



「ゆう‥き‥もう‥抜いて‥ゆうきが‥いい‥こんなの‥嫌‥」



「他に目移りしてしまうお前にはこれがいいとお思ったんだけど‥」


「もう‥せぇへん‥だ‥から‥おねが‥い」



足を支えていた両手を離し、目の前の彼に抱き着いた。無我夢中で唇を重ねる。だが‥



「ひゃっ‥やぁぁぁぁ‥!!!」



更に振動が激しくなる。



「きつい?強にしてみたんだけど‥大丈夫‥藍はここが好きだから‥」


玩具を更に奥へと押し込む手が‥ある一点を抉るように刺激する。


激しい痛みは変わらず‥なのにそれに合わせてじわじわと奥の方から快感も押し寄せる。


痛みと快感が交わりぐちゃぐちゃになる‥訳がわからない。



「ほら‥勃ってきた‥わかる?もっと突いてあげようか」



「こ‥れ‥やだ‥ぬ‥いて‥おかし‥くなる」


激しく動かそうとする手を制止する。


「ゆうき‥がいい‥おねがい‥」


何度も懇願する‥と‥それまで俺を責め立てていた祐希さんだったが‥







不意に、






「‥‥ずっと‥ずっと‥俺だけ見ててくれれば良かったのに‥」


消え入るような声につられ涙目で見上げると‥無表情だった祐希さんの顔が苦痛で歪んでいた。



「なんで甲斐なんだよ?なんで‥」



そう呟くと‥ポトっと雫が零れ落ち、頬に当たる。そして、きつく抱擁された‥



「俺にはお前しかいないのに‥なんでだよ‥」



「ご‥めん‥ほんま‥ごめ‥」


震える祐希さんの身体を抱き締め返しながら、ひたすら懺悔の言葉を伝える‥


ああ‥


俺はこんなにも傷つけていたんだ‥




愛する人を‥。



こうなるまで気付かないなんて‥俺は恋人失格だ‥





泣きながら祐希さんと抱き合っていたが‥


不意に振動が止み‥玩具を抜き取られる。異物がなくなりホッと息を吐く‥

そして、悲しい顔をした祐希さんをもう一度抱き締める‥


「祐希さん、ほんまごめん‥寂しいの言い訳にして‥甘えて‥もう絶対しない、誓う‥だから許して欲しい」


「‥これから俺が離れても‥またしない?」


「うん」


「‥甲斐に甘えない?」


「しない、約束する‥」


「‥俺だけ見てくれる?」


「祐希さんだけ‥ずっと見てる‥」



ずっと‥。そう繰り返しながらキスを送る‥




戸惑う唇が‥それでも応えてくれた事に‥






愛を誓う。





ありったけの想いを込めて‥












快楽に溺れてく。

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