TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

君へ渡す言葉。

一覧ページ

「君へ渡す言葉。」のメインビジュアル

君へ渡す言葉。

19 - クレープ。

♥

152

2024年04月05日

シェアするシェアする
報告する

「あ、猫……」

「二匹いるね」

「なんだか、黒猫の方、太宰さんみたいですね」

「そうかい?では白猫は敦くんだね」

「そうですね」

「……此の猫達、」

「夫婦だったり?」

「ちょっ!さっきの話した後云わないで下さい!」

「おやぁ〜?照れているのかぁい?」

「照れてません!」

「その割には顔が紅いぞぉ〜?」

「~~~~~ッ!」

「も、もう帰りますよ!!」

「はぁーい」


「ね〜え、構ってよ敦く〜ん!」

「一寸……仕事中なんですけど……」

「えぇ〜?いいじゃっ……」

「敦に何迷惑掛けてやがる此の包帯無駄遣い装置!」

「国木田くん、其れしか云わないね〜」

「仕方が無いだろう!作者が漢字読めないんだから!」

「メタいなぁ〜」

「ね〜え!敦くん!構って!」

「お断りします!」

「む〜!敦くんのケチ!」

「仕事が終わったら構ってあげますから」

「ハァーイ…………」


「敦くん敦くん!帰りにデエトでも行かないかい?」

「いいですよ」

「じゃあ先行っとくね〜!」

スタコラと探偵社の扉を開け、出て行った。

「……いっつもやられてばっかだし……」

「仕返し、してみようかな……」


「お待たせしました」

「いいよいいよ〜!早く行こう?」

「はい」

今日は随分と早くに仕事を終われ、

まだ外は明るい。

人は少なく、歩きやすい。

「あ!あのクレープ美味しそう!」

「敦くん、一緒に食べてもいいかい?」

「いいですよ。一緒に食べましょ」

そうだ、ここで仕掛けてみよう。

「うーむ、美味!」

「美味しいですね」

「ふふふ、敦くんと食べているお陰で、」

「もっと美味しくなっているね〜!」

「…僕のバナナクレープ、美味しいですよ」

「食べてもいいのかい?」

「はい」

「その代わり、太宰さんのも下さい」

「いいよ〜!」

「じゃあまず僕のから」

「どうぞ」

「いただきま〜す」

クレープに顔を近づけパクっと1口、太宰さんは食べた。

その瞬間を狙って、

そっと、頬に接吻をした。

「!?」

「何時もやられっぱなしなので、」

やり返しです。と太宰さんに云った。

其れに返答は無く、

気になって俯いてしまった太宰さんの顔を覗いた。

すると、

「へ……?太宰、さん?」

「一寸……見ないでくれ給え……」

耳まで真っ赤になっている太宰さんが居た。

「太宰さんって……照れるんだ……」

「其れ前も云ってなかったかい……」

「あっ、すっごい珍しいので……」

「……敦くん……」

「なんです……っ」

此方も仕返しと云わんばかりに

僕の唇を塞いだ。

「んっ……」

「だざ……」

前された様な、濃厚な接吻だった。

然して、何時の間にか僕の口の中に、

いちごのクレープが入っていた。

恐らく、接吻する前に食べたのだろう。

「私も敦くんにされたのだから、」

「いいよね?」

「舌は入れてません……」

「ふふっ、やっぱり……」

「敦くんは未だ未だだね」

「何時になったら勝てるんだろう……」

この作品はいかがでしたか?

152

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚