俺は何も変われなかったんだ 。
結局逃げた 。情けでしかない 。
もう、東卍を抜けよう。みんなと絶縁してしまおう。お前を裏切って、信じなかったヤツらを仲間だと思わなくていい。
お前はよく言った。お前は何も間違っていない。
ほんとにそう思う?
当たり前だろ。俺はお前の味方なんだぜ。兄弟。
ずっと一緒だ。2人で瓜2つ。俺らはずっとそばにいた。
うん、ありがとう。俺、悪くない、よね、?
悪くない。アイツらが悪いんだよ。憎いよな。
ダメなのに。こいつの言うことは聞き入れちゃダメなのに。なんでこんなに信じたいと思ってしまうのだろう。
「場地さん、、」
憎くないのか?
「憎い。イラつく。殺したいほど憎い。」
ほう?じゃぁ、もう殺そうぜ?
「え。」
まさかそんなことを言うなんて思わなかったけど、
あー、なんだかもうなんでも良くなってきた。
殺したい。あんな奴らなんて、俺の人生に関係ないんだ。
道を歩いて、家に帰るぐらいに、とある人物が俺の家のドアの前で立っていた。俺の帰りを待つように。
俺の存在に気がついたのか俺の方を見た。
「春千夜くん 、」
「……よぉ。」
「なんで、」
「お前が逃げるもんだから、みんなお前が犯人だと勘違いしてるぜ。お前は間違いなく、次の集会で、
公開処刑される。押さえつけられて、
質問攻めされるだろうな。場地は気失ってるもんだから、
会話もできない。お前しか分からないんだ。
さてと、家庭訪問だ 。」
そう言うと、彼は俺の家に勝手に上がり込んだ。
「はやくこい。」
俺の手を引き、俺の部屋へ向かった。
なんでこの人は俺の部屋を知っているんだろうか。
彼はあぐらをかき、俺を座るよう命じた。
「何があったか言えるか?」
「俺はやってないです。」
「そうじゃねぇ、何があったか言えってこと。」
そんなこと言われたって、と心の中で呟き、
正直にその場で起きたことを話した。
「なんでそれを言わなかった?しかも、その場で仲間なんて思いたくもないだなんて。」
「……あの、東卍、辞めることって出来ますか、」
「また逃げるのか。」
「は、?ちが、」
「また逃げんのか。他人事ってことか。」
「だから違うって!!
そんなこと言って、
もう、取り返しなんてつかないでしょ、、」
「逃げてんじゃん。それ。」
殺せ。兄弟。
ダメだ。この人は殺しちゃだめ。この人は、、
「謝れよ。謝って抜ければいい。
抜けたら、好きにすればいい。」
「なんで、」
「俺はお前がやったとは初めから思ってない。
腹が立つ理由もわかる。でも、
お前にも悪い所はあった。それをまず謝ること。
俺からも許して貰えるよう協力するから。」
「なんで、そんな、」
「…… 王のためだ。」
「マイキーくんとなんの関係が……」
**ピンポーン。**とチャイムが鳴り響いた。
誰かと思い、玄関に歩いていくと、三ツ谷くんとドラケンくんが立っていた。
俺は、たたずみ、彼らからの視線を避けることは出来ず、見つめるばかりだった。
「なんで逃げた。」
口を開いたのは三ツ谷くんで、眉間にシワがよっていた。
「……あんな空間に、、いたくなくて、」
「なんであんなこと言った?」
「……自分でも、分からないです、、
みんなの声が、、重なって、頭に響いて、、
パニックになってたので、、自分でも、
なんであんなことを言ったのか、、」
「もう一度集会に行くぞ。」
「え、待っ、もう遅いですよ、!」
今更言ったって、もう何も変わらないし、信じてくれることは、無い。間違いなく、また、
「遅い?」
「今更行ったって、顔合わせるなんて、
信じてもらえるわけないじゃないですか、
あんなこと言って、、、
もう行きたくないです、行く勇気もないです、
本当は違うんだって言っても逃げてしまった限りもう遅いじゃないですか、
ふざけてるとしか思えないでしょ、?」
必死に彼らに訴えかけると鋭い音と共に地面に倒れ込んだ。
頬がじんと熱くなり、痛みが出てきた。
「え 、?」
すると、悔しさなのか、辛さなのか、痛さなのか、なんなのかも分からない涙が頬を伝った。
「ふざけてんのか!?!?
遅いだと!?何が遅いんだ!!
今ある希望も捨てるのか!?また逃げるのか!?
信じてもらえるか信じて貰えないかはお前次第だろ!!!」
そんなこと言ったって、もう何も変わらない。もう何も、変えることが出来ない。こんなの、もう、嫌だ。
「俺は殺してないっ、殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してないっ!!!場地さんからは好きだ。としか言われてない!!!!俺はやってない!!やってない!!!
俺は殺してなんかない!!!殺してない!!!」
あぁ。なんだこれ、見たことがあるような気がする。あぁ、そうか。これは、昨日見た刑事ドラマの映像みたいだ。
あの後どうなったんだっけ、、、
俺のパニック状態に彼らは静かに、冷たい目線を送るだけだった。それがまた、苦しい。
「そんな目で俺を見ないでくださいよ 、
俺は、、殺してない 、、
信じてもらいたかったのに、信じてもらえるわけない、俺が他の立場だったら、
信じたくもない。信じることなんてできない、、
もう嫌だ、、」
「 千冬 。行くしかないんだ 。
もうお前に逃げ場は無い 。行く以外選択なんて、ないんだよ 。」
コメント
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ちふゆん!!!!!頑張って!! きっと皆んな完全に信じてない訳じゃ無いと思うから!
これはちふちゃんにとって辛い 、、、(´;ω;`)でも大丈夫!信じてくれるよ〜