注意:運営青×vvt青
rdkn-朝は眠れど、夜はこれから。
ヴー、ヴー…
朝っぱらから起きろと叫ぶように鳴り響くアラーム。なんでセットしたんだよ、と頭の中で自分を叱れど、煩いこの音を止めなければイライラが増えるだけ、と。ナイトテーブルに置いておいたスマホを開ききらない目と手で探り、手に取りアラームを止める。
「ん゙ー…うるさ、」
思わず零れた言葉にハッと目が覚める。朝に弱いからと言って自分でかけたアラームに対して切れるのは大人気ないだろう。反省。
「……水飲もう、喉痛すぎ、」
起き上がるのもめんどい、辛い、しんどい。あーもう、風邪では?なんて、気だるさなんてないのに風邪という絶対的ウイルスに甘えたくなる。風邪であれば起き上がらずとも構わなくなって、皆んながお見舞いに来てくれて、そして……
――そして……?
……なんだっけ?あーもう、眠たすぎて。何も思考がままならない。もしかしたら今もまだ夢の中なのかも。そう考えれば考えるほど、頭がふわふわして意識が途切れ途切れになる。やっぱり、また寝てしまおう。なんでアラームつけたとか、もう考えるのは辞めにしよう。
二度寝って、最高だからさ。
ヴー、ヴー、ヴー…
「んー…なに、もう……」
二度寝してから2時間ほど経っただろうか、まだ寝た気にならない。さっきからもう、なんなんだ。アラームは止めたし、やけに長いし。着信音かなにかか?人が心地好く寝てるというのに邪魔をするなんて、非人道的にも過ぎるだろう。今日は撮影だって、予定もない。土曜日なんだから、当たり前――
……土曜日?
ふと自分の中にひとつの可能性が芽生えた。もしかして、この通話を掛けてくる人って…
そう恐る恐るスマホを覗き込む。いつの間にか目も覚め切って、視界は全てがはっきりと見える。肝心のスマホに映し出されていた名前は「らっだぁさん」
……まって、終わった。そうだ今日、今日って。らっだぁさんとデートの約束入れてたんだ。だからアラームセットして、朝から気合い入れようって……いま、何時だろう。あー、見たくない。また寝て逃げようかな……って流石に恥ずかしいヤツが過ぎる。
ヴー、ヴー……
突如鳴り止む呼び出し音。まずは掛け直して謝るべき、謝罪は基本。震える手でスマホを手に取り、discordを開く。大きく深呼吸をして、彼を呼び出す。
ヴー、ヴー、ヴー……ピロン
「あっ…」
出てしまった。え、どうしよう、とりあえず謝罪、まずは謝罪。言い訳なんて要らないから、謝らないと。
「え、あの、らっだぁさん、すみませんでした!」
「え!?どうしたのきんちゃん……ってか違う!俺もごめん!」
「へ?」
寝過ごしたのはこっちなのに、何故か彼から謝罪の言葉が聞こえる。本当に何故だ……?もしかして別に予定入ったとか……
「寝てた!今さっき起きた!」
「え!?」
「電話でてくれないから怒ってるのかなって……!ごめんねきんちゃん!」
じゃあ、俺らって2人して……
「…ぷはっ!」
「え、え!?なに、どうしたの!」
「いや、ふふっ、同じだったんだなぁって…」
「えっ……あ!きんちゃんも寝てたから謝ってきたの!?」
「そーですよ、俺もバリバリ寝てました。すみません」
「お互い様じゃん!これでお互い水に流して……今日のデートは……」
そういえば今の時間って……昼過ぎくらいだと思う、ダッシュで支度したら間に合うのでは。そう考え、時計に目を向けるとそこには短いハリが2、長いハリが9を指していた。
……全然、間に合わないな。
「ねね、今日泊まりに行ってもいい?」
「……え!!もちろんです!?」
急なお泊まりのお誘い。びっくりしすぎて反射的についOKを出してしまったが、自分の部屋を見渡す限り……
「あぁ……やっぱ無しで……」
「えーなんで!?」
「いやちょっと、部屋が汚くて……」
こんなのらっだぁさんに見せれる訳がない。昨日ちょっと贅沢しちゃって撮影用の机の上はお菓子のゴミが散らばってるし、服も洗濯物を回してないし、食器だってまだ溜まってる。今日帰ってきたら片付けようとしていたのが愚かな考えだったな、と反省。
「きんちゃんは俺に会いたくないの?」
会いたくない訳が無い。今週は忙しくて、撮影を何個も何個も撮って。ほぼいっぱいだったから、癒しが欲しいに決まってる。
「ちがう!断じて!!会いたいです!」
「なら良いよね。今から準備してくる!17時には着くと思う。ご飯も買ってくね〜」
「え!いやちょっと……!」
「お片付け頑張ってね〜!」
プツ……
この人は本当に……!!いや嬉しいんだけどさぁ……
「……何から手をつけよう。」
――rdside
今日は良い日だな〜!可愛い愛しの恋人ちゃんとのデートを寝過ごし掛けたけど、そのお陰でお泊まりが出来ちゃうなんてな〜。ははーん、もしかして俺って天才?実はお泊まりを狙っての寝過ごしだった訳なんですよ。
部屋汚いって言ってたけどきんちゃんに限ってそんなことは無い!いや、そんな事があったとしても幻滅なんてしないし一緒に片付けてあげるから良いのにな。部屋が汚いとこもまた愛しいって言うか、なんて言うか。可愛い。
さて、取り敢えずきんちゃんの最寄りまで来れた。今はえーっと……16時か。買い物していったらちょっと早いくらいな気もするけど、まあいっか。一緒にいれる時間なんて長ければ長いほど良いからな〜!
「まずは買い物だな……一緒に作れるもん?いや、掃除で疲れてるだろうし俺が1人で作れるのにすっか」
ポンポン頭に簡単に作れるものが浮かぶ。ただ、よくよく考えると全部難しく見えてきて仕方ない。カレーは残っちゃうし、オムライスはきんちゃんが卵食べれない、グラタン、ハンバーグ……
今俺が肉の気分だからハンバーグにしよーっと!きんちゃんに連絡取って食べたいもの聞くのが正解なんだろうけど、俺はいまハンバーグが食いてえんだ。先輩だし、優しいきんちゃんは許してくれるよね。と、毎度の如く彼の優しさに漬け込んで甘える。きんちゃんと一緒にいるとダメな人間になって行く気がしてならない。
必要な食材と、勝手に乗り込んですみませんって言うお詫びのスイーツをカゴに入れて会計を済ませる。ふと、アレってまだ残ってたかなと頭を過ぎるが、わざわざ買ってくるのは下心が丸見えで嫌われそうなのであえて買わないで店を後にする。アレ、は。あとのお楽しみ
さてさて、きんちゃんに会えるのが楽しみだな〜。
to be continue…
コメント
5件
好きです!!! rdkn最高過ぎます!!!!
最高過ぎて…😇💖 語彙力が家出をしました🪦