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ガソリン 近道 保志


臭うな。ガソリンの臭いが強くて俺はこの部屋で鼻を嗅いでいた。ここも貯蔵庫だ。

金属製の壁には所狭しと缶詰やら何かの水が入った瓶が棚に置いてあった。棚も部屋の許容量いっぱいに置かれてあった。目の前に奥へ行く石造りの階段がある。何故か階段の下はゴオ―、ゴオ―、と水の音が激しかった。

「レベル2へ……?」

俺は見つけてしまった。更に地下へと降りる道を……。黄色の警告テープが幾重にも伸びた階段だった。

徹くんを置いておくわけにはいかないけど……。少しだけ覗いてみようかな。

「う?! くんくん……。くん?!」

いつの間にかこの部屋のガソリンの臭いが酷くなっているのに気が付いた。

突然向かいの扉が開いて、誰かがこの部屋に火を放った。部屋全体が瞬く間に炎で包まれる。

「うおっ!!」

俺は必死で地下の階段を駆け出した。

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