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人は誰しも忘れたい記憶がある
それは良い記憶もあり悪い記憶もある
ア「今日はどういった方が来館するのか楽しみだね」
彼の名前はアセビ ここディプリート図書館の館長をしている方です。ここは記憶を保管しておく図書館です。人の数だけ記憶を保管しており、6つのジャンルと3段階のランク分けをしております。ジャンルは喜び、幸せ、恐れ、悲しみ、トラウマ、自分自身です。
おっと、自己紹介が遅れしました。私は
ロ「トラウマを担当しております。ロベリアと申します」
普段はアセビとお茶を嗜みながら、本を管理しております。そういえば、記憶を保管する方法を教えておりませんでしたね。ここからはアセビがご説明致します。
さて、ここからは僕が説明するね。ここディプリート図書館はどこにあるか分からないんだ。でもどこかしらに突然現れる場所でもあるんだ。どうやって記憶を抜くか分からない?それじゃあ説明しようか。
用意するものは白紙の本と記憶に関する物だけその物は相手の事ならば相手の髪や爪、自分のことなら自分の髪や爪で大丈夫 新聞でもいいとにかくその記憶に関する何かを持ってくれば後はこちらで各担当が本に記載するだけ。簡単でしょう?
おや?さっそくお客様だ
ア「それでは良い旅を….」
🎀「ここで合っているのかしら…?」
ア「セレン様 ようこそディプリート図書館へ。本日はどういった方記憶を保管しにいらしたのですか?」
🎀「あ、貴方…誰!?というか私の名前…」
ア「僕はこの図書館の館長 アセビと申します。」
🎀「ま、まあいいわ、ここはディプリート図書館で間違いないかしら?」
ア「はい、間違いございませんよ ここはディプリート図書館….記憶を保管する図書館でございます。」
🎀「やっぱりそうなのね…..ならこの記憶を消したいの….」
ア「拝見いたします」
セレンは新聞を出し1つの記事を見せてきた。その記事の内容は一家殺人事件という内容だった。犯人は見つかっておらず、1人だけ奇跡的に生き残ったと書いてあった
ア「こちらは殺人事件の見出しですね」
🎀「これ….私が犯人なの…」
ア「犯人ですか…?なにか恨みでも?」
🎀「奇跡的に生き残ったのは私…でも私は奇跡なんかで生きているんじゃない….!!私はこの家族が大好きだった。でも、そんなの嘘だった。私が好きだった家族は偽物で….私は本当の娘じゃなかった。この家族は私を愛していなかった」
ア「養子というやつですね」
🎀「私は許せなかった….だって私を売るって言ってたんだもの….でも、こいつらは私に着いてくるの….だからこいつらの記憶を消したくて消したくてたまらない….!」
ア「それはトラウマというものですね。今担当のものを呼びますね」
ア「ロベリア お客様です。ご案内してください」
ロ「セレン様 私はロベリアと申します。どうぞこちらにいらしてください」
🎀「あんたどこから….!?」
ロ「さぁこちらにどうぞ?」
ロ「セレン様はお紅茶は飲めますか?」
🎀 「ええ 大丈夫だけど」
ロ「なら良かったです。」
何もおかしなことは無いはずなのにどこか気味が悪いというか、あの女性が何を考えているのかさっぱり分からなくなる。ぼや〜っと何故かこの光景を見たことがあると感じた
🎀「ロベリアさん 私ここに….っ!?」
ロ「来たことはないか?ですか?」
🎀「な….なんで…」
ロ「長年の感です。私意外と感がいいんですよ?セレン様は洞察力がとても優れていらっしゃいますね。私と顔を合わせた瞬間から何かを感じとっておいででしたしね。」
🎀「昔からよく言われるわ…」
ロ「そうですか….こちらをどうぞ?」
🎀「…?これ…本当に紅茶…..?」
ロ「あら…?お好きではございませんか?この紅茶とても健康に良いでのですよ?特に血なんかにはニコ」
🎀「ひっ…..!」
ロ「セレン様 記憶はとても大事ですよ?捨てたいだなんてお考えになるとは….さぞお辛い記憶なのでしょう….人は時に嫌な思い出を思い出します。その記憶がまだ笑えるなら良い記憶でありますが…人を殺してしまった、虐めてしまったなどなど、思い出したくない記憶はいつたっても消えはしません それこそまさにトラウマですね。」
私の視界が一瞬暗くなると同時に、彼女の緑色の瞳が光ったように見えた。それはまるで獲物でも狩るような凶暴な獣の目をしていた。
🎀「わ、私帰るわ….」
ロ「あら…どこに帰ると言うんですか?あなたの帰る場所はもうありませんではないですか。私は知っているんですよ?先程の新聞に書かれていた犯人は貴女ですよね?それと….あの家族が最初でないことも私は知っておりますよ?」
🎀「っ…..!?」
ロ「さぁ、セレン様 ここで記憶を消しておくか外に出て捕まってしまうか….どちらをお選びになりますか?」
🎀「わ、私は…..」
ロ「私は…?」
🎀「この記憶を消して早く帰りたい….」
ロ「ではこちらの本にご記入を」
🎀「ええ…!」
ア「おや?上手くいったみたいですね」
ロ「ええ とっても上手くいきましたわ」
ア「セレン様、本日はどうもありがとうございました。またのお超しをお待ちしております。」
🎀「ええ ありがとう」
ロ「それでは良い旅を」
セレンは図書館を出ていく…
ロ「セレン様はこれで何回目ですかね。殺してしまう度にここへ来られて記憶をお預かりしておりますが….これもまた上手い逃げ方というのでしょうか?アセビはどう思います?」
ア「それもまた運命というやつですね。僕たちはただ記憶をお預かりするだけですから、相手の助けとなっているのか分かりませんし、知ることもできません。できるとすればその方の記憶を見ることだけです。」
ロ「そうですね….私は紅茶とこちらの記憶の本をしまってまいりますね。また、お客様がいらっしゃったらお呼びください。」
ア「ええ 分かってますよ」
記憶とは恐ろしいもの消したとしてもまた同じような記憶を作ってしまう事もある。だがそれがトラウマとなってしまうこともあるだろう。人は時に記憶を消したいと思うが….その記憶を忘れたに過ぎないのだ。ここはそこ消したいという思いを受け取り、消すのではなく預かるという形で活動している。
記憶を返して欲しいなんて言う方はそうそういません。何故ならばここにいた記憶は消えてしまうからである。何度も来る方もいれば始めてくる方もいらっしゃる。何度も来る方は図書館を案内している時にごく稀ですが、自分の記憶を見てしまう方もいます。
記憶は預かっているにすぎません、自分の記憶を開いた瞬間その本に書かれている記憶は全て戻ります。
ただ、これら全ては運命です。噂を聞き導かれ記憶を預けまた生活に戻る。何ら変わりもない事なのです。
それでは皆様、本日はここら辺で失礼いたします。またのご来館をお待ちしております。
ア「それでは、良い旅を」