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学生程苦しいものは無い。
逃げ出したい_
「綺麗なお嬢さん.暗い顔をして,,無理をなさらないでください」
「…はい」
暗い赤色の髪に,赤色のネクタイ.白色のスーツ.吸い込まれそうな程真っ黒なピアス..
「逃げますか?こちらへ」
赤髪の男は私に囁く.何故,私が逃げたい事を知っているのか..それとも偶然か.
「学校へ…行かないと……なので.ごめんなさい.」
「おや.今は4時ですよ」
「え…4時,?」
「はい.」
「貴方は何時に学校へ?」
「7時15分..です」
「おや..時間を間違えましたか?」
「…そうかも知れません.行きたくも無い学校に…」
「7時まで…来ませんか?是非.」
「..では」
圧に潰されそうになり.断る事は出来なかった
「こちらです.どうぞお入りください. 」
「お邪魔します..」
家にお邪魔させて貰い,やっとハッとした.
知らない男と会話をし,家にまで行ってしまった.気付いた途端,不安で仕方無かった
「おや..落ち着きが見られませんが…」
「す..すいません…」
「何も…怖い人ではありません.珈琲をお入れしますよ.」
「はい…ありがとう..ございます.」
「さぁ.お飲みください.」
「は,はい…,」
怪しい物が混ざっているのでは?と疑問と不安を抱えながら珈琲を口にした.
「…美味しいです.」
「それは良かった.」
赤髪の男はニコッと笑った.
私は不思議と,居心地の良さを感じた.
「…学校は,楽しいですか?」
「いえ.全く,,」
「ふふ..全く,,ですか,あっ.御名前は,何と? 」
赤髪の男は,クスッと笑った後に名前を聞いた
「…石崎百合です.」
「百合,,素敵ですね. 」
「貴方は…?」
「私は,名前がありません..ね,考えてくれませんか?」
「..っと…ヨジ,とか,,」
「ヨジ.ですか,気に入りました.」
「良かったです,,」
「…そろそろ時間ですね.」
「はい..行きますね」
最初は早く帰りたいと思っていたものの,帰りたくない と思う自分が居た.
「明日も来て頂けますか?」
「はい.来ますね.」
「それは良かった.では,」
「はい.では,」
私は寂しさを握りしめ,ドアを開け.学校へ向かった.