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???「そういえばあんたっていつから橙のこと好きなの?」???「確かに聴いたことないな」
???「確か一目惚れじゃなかった?」
???「なんすか?急に」
ここは、生徒会室。「雨花」、「桃時」、「兎白」は「瑠璃人」にある質問していた。
桃時「いや丁度今、橙いないし、気になってたのよ。「橙にかっこいいとこ見せるぞ」とか「惚れさせたい」とか。それは一体いつから始まったのかしらって想って」
雨花「橙ちゃんの事を好きになるのみる目あるよね〜」
兎白「そうだな。あいつは優しい奴だ」
雨花、桃時はキラキラした目で瑠璃人に捻りよる。兎白は瑠璃人をじっとみつめる。
瑠璃人「はぁ……わかったっすよ。オレが好きになったのは雨花の言う通り、一目惚れ。もっと詳細に話すなら……」
✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ・✦
「なぁ瑠璃人」
瑠璃人「何だよ」
時は遡り、瑠璃人が中等部にいた頃。
「お前好きな奴とかいねぇの?」
瑠璃人「いねぇよ。そういう恋とかよく分かんねぇし。男友達とわいわいしてる方がよっぽど楽しいな」
「うわぁ……そういうこと言う奴に限って彼女作るの早かったりするんだよ」
瑠璃人「そんなの迷信に決まってるだろ。早く部活行こうぜ」
この頃の瑠璃人は、橙と出会っておらず、男友達と学校生活を楽しんでいた。
瑠璃人「(こんな日常を送れるのも当たり前じゃねぇからな)」
瑠璃人は、幼児期を想い出す。ひたすら作法の学習や勉強の毎日。遊ぶ時間なんて取れず、ずっと偏狭な環境で過ごしていた。その頃に比べたら今の生活はとても楽だと想っていた。そこに「恋」なんてものを持ってきたら、また家と揉めることになる。だから、「恋」なんてするつもりもなかった。
「あ、あいつ」
瑠璃人「ん?どうした?」
「いや、さっき通り過ぎたんだけどさ。あいついっつも勉強してんだよ。休み時間ですら勉強してるんだぜ?変な奴だよな」
瑠璃人「へぇ。……」
そいつは好きでやってるのかな
瑠璃人の目には小さく靡いたくせっ毛のオレンジ色の髪糸が映ったが、人物像はみえず、瑠璃人も興味を持たず、すれ違った。
そんなある日……
「橙!!!!」
「なんだ?喧嘩か?」「なんか廊下から叫び声がする」「何の騒ぎ?」「それがよく分かんねぇ」
黄色い髪の少女が、何やらオレンジ色の髪の少女に叫んでいる。
瑠璃人「どうしたんだ?」
「あぁ!瑠璃人!何か喧嘩してるみたいだぜ?」
瑠璃人「喧嘩?」
瑠璃人は野次馬が邪魔して、オレンジ色の髪の少女の姿がみえなかった。瑠璃人は何となく気になり、野次馬をかき分けて、その少女をみようとした。
「おい!瑠璃人!」
友達の言葉を無視して野次馬を押しのける。
「何で橙が私のこと避けるのか分からないし、きっと教えてくれないだろうけど、そんな理由とかは関係なく橙自身は私ともう一緒にいるの嫌なの?!?!私はそれが知りたいの!!!!もし、私と関わりたくないなら私ももう関わらない!!!!でも私は!!!!橙と一緒にいたい!!!!もっと一緒にすごしたい!!!!」
瑠璃人「(一体どんな子なんだろう)」
ここまで人に言わせるってことは
何か理由があるはずだ
そして今……どんな顔をしてるのか
知りたい!
瑠璃人は自分でもよく分からない好奇心をそそられていた。
???「…………うっ……」
瑠璃人「!」
「「一緒に……いたい」」
どくん
瑠璃人「………!」
オレンジ色の髪を持つ少女が言葉を放つ瞬間と、瑠璃人が少女をみたのは同じだった。
「!、うん!」
黄色い髪の少女もうなづき、二人は手を取りあった。
「おーい!瑠璃人!お前どうしたんだよ。急に野次馬かき分けて行くんだもんよぉ」
瑠璃人「可愛い……」
「は?」
瑠璃人はいなくなりつつある野次馬を置いていき、オレンジ色の髪の少女をじっとみる。
「あぁ、あの子のことか?あの子だよ。前に言ってた休み時間も休憩せず勉強してた子って」
瑠璃人「そう、なのか……」
瑠璃人は、「一緒にいたい」と望んだあの瞬間の少女を可愛らしくて、とても
好きだと想ったのだ
瑠璃人「(やべぇ。心臓がめっちゃドクドクいってる)」
こうして、瑠璃人は人生初めての一目惚れをしたのだった。
✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ・✦
瑠璃人「……ってわけ」
桃時「何よそれ!めっちゃキュンキュンするじゃない!」
兎白「とても良い話だな」
雨花「あはは!確かに胸がキュンってなるね!」
きっと瑠璃くんは、自分と重ねたんだろうな。ずっと独りで闘ってた橙ちゃんが「誰かと一緒にいたい」って望んだ姿が自分の心そのものだって想ったんだ。だからそんな姿をみせてくれたから橙ちゃんのことを好きになったんだろうな
瑠璃人「でもまぁその後、しばらくあいつ学校休んだりしててさ。お前らも知ってるだろうけど、あいつの母親があいつの友達に何かして友達と関われなくなったろ?さっき言った通り休んでたから噂に拍車がかかって、あいつもっと苦しむ羽目になったんだ。そんなもんだからあいつ中等部の頃は全然学校行けなかったな」
桃時「橙、何も悪いことしてないのに」
雨花「でもさ。誰一人味方がいない中「好き」って想ってくれてる人がいたって言うのは昔を振り返ってみた時、心強くなるんじゃないかな?」
兎白「「好き」だと想ってくれる人が近くにいるのは当たり前の事じゃないからな」
瑠璃人「……へへっ。そうだと良いんすけど」
コンコン
???「失礼します」
瑠璃人「あっ!橙!」
「橙」が生徒会室に入ってきた。
橙「すみません。遅れてしまって。部活の助っ人を頼まれまして……」
雨花「大丈夫だよ!気にしないで!」
桃時「それに丁度今、あんたに会いたかったのよ。ね?みんな」
兎白「そうだな」
雨花「そうだね!」
瑠璃人「その通りだ!」
雨花、桃時、瑠璃人はニマニマしている。
兎白は微笑んでいた。
橙「何ですか?何だか楽しそうですね」
雨花「うん!橙ちゃんがいるから楽しい!」
橙「そうですか?ふふっ、では仕事しましょうか」
雨花・桃時・兎白・瑠璃人「うん!・えぇ・あぁ・おう!」
雨花たちは仕事を再開したのだった。