ドイツがそそくさと部屋を出ていった数分後。
リビングに残されたフランスとイギリスは、紅茶のおかわりを入れながら、のんびり余韻に浸っていた。
仏「……ま、今回は大成功って感じ?」
英「おかげさまで、ですね。彼のあんな顔、初めて見ましたよ」
仏「うふふ、イタリアも、もうちょっとで自分から抱きつきそうだったよねぇ〜」
英「……あとはもう背中押すだけじゃないですか?」
ふたりがティーカップを掲げて「乾杯」しかけた、まさにそのとき——
伊「え〜〜〜と、それ、ぜ〜〜〜んぶ、聞こえてたんですけど?」
リビングのドアの陰から、イタリアがひょこっと顔をのぞかせた。
(………………)
しばしの静寂。
英「…………は?」
イギリスがまさかの事態に固まる。
仏「え、ちょ、いつから!?」
フランスがカップを置きながら訊ねると、イタリアはにこにこしながら指を立てた。
伊「えっとねー、『映画のワンシーン、だったよねぇ』のとこから!」
英「ッ、ほぼ全部じゃないか……!」
イギリスが顔を覆う。フランスは、やばっ!って顔しながら笑っている。
仏「ていうか、なんでシャワー行ってなかったの?」
伊「シャワー入ろうと思ったんだけどねー、タオル忘れちゃって! 戻ってきたら、なんか三人でこそこそしてるから、つい、ね?」
イタリアはバスタオルを小脇に抱えながら、悪戯っ子のように笑った。
伊「ふ〜ん……でも、そんなに応援されてるなら、頑張んなきゃ、だよね!」
英「い、今後のことを、ドイツくんと、ってことか?」
伊「うん! たとえば、明日またふたりで出かけてみようかとか……手、つないでみようか、とか」
仏「おお……!」
英「……それは……ほんとに、こっちが照れますね」
イギリスがそっと紅茶を飲みながら目を伏せると、イタリアが小首をかしげた。
伊「それで、フランス〜?」
仏「ん?」
伊「キミとイギリスの“映画のワンシーン”は、どこで見られるの〜?」
英「ブッ……!」
イギリスが思い切りむせた。
フランスは一瞬きょとんとした後、にやりと笑った。
仏「……それはねぇ、次の計画を立ててるところなんだよ〜?」
伊「ほほ〜〜!」
無邪気なイタリアに、イギリスは思わず膝に顔を伏せて震えた。
英「も、もう帰ってください……っ!///」
コメント
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むせちゃった…(・o・)