テラーノベル
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目が覚めた瞬間、分かった。
今日は、昨日までと同じ朝じゃない。
カーテンの隙間から差し込む光は、いつもと変わらないのに、胸の奥だけが重い感じがした。
🍫「……」
ベッドの横には、大きなくまのぬいぐるみ。
その上にある枕元のスマホを見る。
新着はない。
🍫(学校に、ノワールがいる)
その事実が、寝起きの頭にじわじわと染み込んでくる。
顔を洗い、制服に着替える。
鏡の前の私は、普通の女子高校生だ。
__フードも、銃も、短剣も、ない。
でも、昨夜の焦げた匂いが、まだ鼻の奥に残っている気がした。
🍫「……行ってきます」
誰もいない部屋に呟いて、家を出る。
朝の東京は、昨日と同じ。
通学路、コンビニ、駅前の喧騒。
違うのは私だけだ…。
校門が見えてくると、無意識に視線が走る。
生徒の波。
笑顔。
眠そうな顔。
いつも通りの光景。
__この中に、いる。
❄️「🍫ちゃーん!」
聞き慣れた声に、はっとする。
❄️「おはよー! 今日、数学の結果返ってくるよね!」
❄️だった。
相変わらず元気で、何も疑っていない顔。
🍫「…おはよう。そうだテスト返ってくるの忘れてた、やばい…」
❄️「るなは天才だから平気!」
昨日と同じやり取り。
なのに、私は一瞬、❄の後ろを見てしまった。
🍫(違う、)
すぐに、自分を戒める。
🍪「🍫さん!」
🍪さんも合流してきて、三人で校舎へ向かう。
🍪「昨日のカラオケ、楽しかったねー」
❄「ねー!また行こーね!」
笑いながら話す二人の声が、胸の奥を、少しだけ温める。
🍫(…守るって、決めたんだから)
教室に入る。
そこは、いつもの光景だった。
でも___
私は、気づいてしまった。
(……いる)
理由は、分からない。
決定的な証拠も、違和感も、ない。
でも、視線が合った一瞬。
ほんの一瞬だけ、昨日の夜と同じ温度を感じた。
(……ノワール)
私は席に着き、シャーペンを机に置いた。
(昼の私は、普通の高校生)
(夜の私は、サントラー)
(そして……)
このクラスの中にいる「誰か」は、その両方を壊せる存在。
始業のチャイムが鳴る。
先生「それじゃあ数学の小テスト返すぞー」
焦ったり、自信ありげだったり、憂鬱そうだったり、
みんな、色んな表情を見せていた。
出席番号順に、返却されていく。
私の番になった。
先生「…🍫、ぎりぎり赤点回避だな」
🍫「ぎりぎり…??」
テスト用紙の得点欄に赤い文字で書かれた数字。
[32点]
確か、赤点ラインは30点だったはずだ。
本当にぎりぎりだな、…と苦笑いしながら、席へ戻る。
授業中の目線、私は1番後ろの席だから、わかる。
🦖ッピ、🍪さんに⚡️、🍗くん、🐸さん、そして🦊と🎸、🐑くん、🌷さん、👓くん、最後は❄️。
疑っちゃいけないよね。
こんなにいい人たちに囲まれているのに、なんで疑ったりするんだろう。
明確な証拠があるわけじゃないのに。
私はもう、疑いなくない。
きっと、この中には居ない。
みんな私にとって大切な人。
1人でも欠けたら、もう「日常」には戻れなくなる。
だから、絶対に居るわけないんだ。
そのとき。
あれ…
何、今の視線。
変な空気。
誰かが冷たく笑った気がする。
嘲笑うみたいな感じ。
駄目だ、考えることを放棄しちゃいけない。
私は、私の責務を最後まで果たさなくちゃいけない。
殺し屋の道は、私が選んだんだから。
チョークが黒板を叩く音で、我に返る。
先生「えー、そこ。後ろの🍫」
びくっとする。
先生「今、どこまで説明した?」
🍫「……えっと、二次関数の最大値と最小値、です」
先生が少し驚いた顔をする。
先生「お、ちゃんと聞いてたな」
…違う。
聞いてたんじゃない。
見張ってた。
席に座り直した瞬間、
ポケットの中で、無線機が一度だけ、震えた。
🍫(……?)
でも、音は鳴らない。
クラウンからじゃない。
🍫(これは…)
傍受信号。
誰かが、この周波数を探ってる。
🍫(まさか……)
🍫(…やめて)
ここは、私の居場所だ。
拳を、ぎゅっと握る。
爪が、掌に食い込む。
🍫(……放課後だ)
放課後まで、耐える。
昼の私は、普通の高校生。
でも、もし___
これ以上、踏み込んでくるなら…
私は迷わない。負けられない。
私は、いつもの任務へ。
昨日、仮拠点(A)が爆破されてから、仮拠点(B)で仲間と合流することになっている。
1人目の仲間は、「エルドラ」、もう1人は「マルヴァン」。2人ともかなりの実力者であり、私の後輩だ。
私たち3人でとあるビルへ侵入し、敵組織の流通経路に関する資料を集めて任務は終了だ。
指示は全て、クラウン幹部から受けることになっている。
今日は、大事な日だ。
🍫「切り替えよう」
私は解いていた髪を一つに束ねて、フードを被った。
サン「クラウン幹部。こちらサントラー。今からBポイントへ向かいます」
クラ『了解。エルドラとマルヴァンはもう着いているわ』
サン「了解」
私はフードを深く被り直し、B地点まで向かった。
まだ日は暮れていない。
私が仮拠点Bに着くと、エルドラとマルヴァンが待っていた。
エル&マル「サントラー先輩、!」
エルドラとマルヴァンは言う。
サン「お待たせ。じゃあ行こうか」
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