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見ないふり
朝。
目覚ましが鳴る。
👁️🗨️はゆっくり起き上がり、鏡を見る。
目の下には濃い隈。
顔色も悪い。
それでも、小さく笑った。
「……大丈夫。」
制服に着替える。
朝食はほとんど手をつけない。
「食欲ないの?」
そう聞かれても、笑って答える。
「ちょっと眠いだけ。」
それで終わらせる。
⸻
学校。
「最近元気ない?」
「そんなことないよ。」
笑う。
「疲れてる?」
「実習だから。」
全部、笑って流す。
頭痛も。
眠れない夜も。
何も感じない心も。
全部。
「気のせい。」
そう言い聞かせる。
⸻
家に帰る。
部屋へ入り、鞄を置く。
そのまま床へ座り込む。
体は動きたくないと言っている。
それでも口だけが動く。
「甘えてるだけ。」
「もっと頑張ればいい。」
「休むほどじゃない。」
何度も。
何度も。
自分に言い聞かせる。
⸻
「👁️🗨️。」
静かな声が部屋に響く。
Ი𐑼だった。
表情は一切変わらない。
「報告しろ。」
👁️🗨️は笑う。
「何もありません。」
「元気です。」
「実習で疲れてるだけです。」
⸻
長い沈黙。
Ი𐑼はじっと見つめる。
「今、お前は何をした。」
「……。」
「報告ではない。」
「否認だ。」
短く言い切る。
⸻
👁️🗨️は目を逸らす。
「違います。」
「頑張れば治るので。」
「我慢すれば──」
「禁止だ。」
その一言で部屋が静まる。
⸻
Ი𐑼は一歩近づく。
「眠れない。」
「頭痛。」
「腹痛。」
「笑って隠す。」
「何も感じない。」
「お前自身が報告した事実だ。」
一つずつ並べる。
「それを今、『何もない』と言い換えることを禁止する。」
⸻
👁️🗨️の肩が小さく震える。
「……認めたら。」
「本当に弱くなりそうで。」
かすれた声だった。
⸻
Ი𐑼は変わらない表情のまま答える。
「違う。」
「認めることは、弱さではない。」
「見ないふりを続ければ、報告が遅れるだけだ。」
⸻
部屋は静かになる。
👁️🗨️は俯いたまま、小さく息を吐く。
「……少し、つらいです。」
その一言を口にするまで、長い時間がかかった。
Ი𐑼は短く頷く。
「それでいい。」
「今日の命令は一つ。」
「無理を『大丈夫』と言い換えることを禁止する。」
👁️🗨️はゆっくり頷いた。
「……はい。」
コメント
1件
このエピソード、すごく胸に刺さりました……。👁️🗨️が「大丈夫」と笑って全部を流すシーン、あまりにリアルで、読んでいて息が苦しくなりました。自分を誤魔化し続ける描写の積み重ねが、Ი𐑼の「禁止だ」という一言で静かに裂かれる感じ。否定ではなく「認めること」を認める、あの応答の設計が本当に上手いです。構造としても、自己欺瞞→報告→否認の流れがクリアで、伏線の回収として無駄がなかった。次が気になります。
#バトル
サんブんもんじゃ
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