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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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「やっと着いた〜!日本!!」

「……何歳になってもスーザンはお転婆だよな。そんなんじゃ中身5歳児と同じようなもんだろ。」

「はあ〜?!ちょっとレイ!!今のもう一回言ってみなさいよ!!」

「お転婆スーザンは中身5歳児のエマと一緒。」

「こらー!!レイ!!私にもエマにも失礼でしょ!!それ!!」


ハイジャック事件も無事解決し,イザベラ達のグループは早くも日本へ到着していた。

結局,あの後,イザベラも疲労で何時の間にか眠ってしまい,起きたのは丁度日本へ到着した頃だった。

レイはスーザンに起こされたらしく,ハウスに居た頃と変わらず,仲良く喧嘩していた。飛行機を降りた今もだが。

因みに,ハイジャック犯達は,なんとか,ほんっとにギリッギリだったが,ほんの少し時間をもらうことができ,今は母親の元へ,ノーマンが人伝に二人へと渡したお金を持って母親の元へ向かっている。(勿論,極秘で渡した。)………………警察車両で,という条件付きで行ったようだが。

イザベラはそこまでボーッと考えていると,鋭い視線を感じ,振り返る。と,そこには予想通り,少し離れたところに立ってムッとした表情で睨んでいるマチルダの姿があった。十中八九,レイとのことだろう。

マチルダはイザベラがレイの頬や髪を撫でていたのを見ていたようで,何か進展するかも!!!と期待を込めてみていたのだが,結果は言わずもがな。起きてから,イザベラは何事もなかったかのように何時も通りレイから離れていったので,期待した分を返せと言っているのだろう。


(……マチルダ,あんなに表情豊かだったのね。)


なんてどうでもいいことでマチルダの視線での訴えをスルーする。

それにマチルダは更にむくれるが,これ以上やっても仕方がないと判断したのか。一つため息をついてイザベラから視線を離す。

イザベラもまた,マチルダから視線を外し,無意識にも,レイの方へと視線を移したとき,今度はマチルダのそれとは違う,別の視線を感じた。


(‥!!…‥…)


今度はもっと鋭く,まるで肉食獣が獲物を狩り捕らんとしているような視線だ。

イザベラは,横目で自分の右側後方を窺う。

すると,そこには,同じ飛行機に乗っていた,あの眼鏡の少年がイザベラの方を睨むように見つめていた。


(………あの子‥‥。やっぱりただの子供じゃないわね。)


此方も対抗するかのようにほんの少し探りを入れる視線を向ける。

だが,少年は,自分も探られている,もしくは,イザベラが自身の視線に気付いているなどとは思ってもいないのだろうか。イザベラの視線や考えには一切気付いていないようだ。


(何者なのかは分からない。それはお互い同じ条件……。だけど,あの様子じゃ,大丈夫そうね。)


イザベラは,そう結論付けると,まるで,気まぐれな子供が遊びに飽きてしまったかのように少年から目を離す。

レイとスーザンの方を見てみると,丁度良い頃合いだったのか,今度は仲良く談笑している。

ハウスではあまり,いや,ほとんど見たことのない,レイの本心からの笑顔にイザベラはもう何度目かわからない,胸が締め付けられる感覚がした。

ハウスに居た頃,レイは,確かに少なかったとはいえ,笑うこと自体は何度かあった。ノーマンやエマ達家族と居るときはほんの少し頬を緩めていたのを覚えている。

だが,それはどれも,本心からの笑顔でなかったことなど,見ればすぐに分かった。

そして,兄弟たちの出荷の日やそのあとの数日間,また,イザベラが次に出荷する子供の話をしたときなどは,笑うことなんて一切無かった。いや,鬼に与する牧羊犬としては笑っていた。………だが,あれが心からのものでないことなど,イザベラはもう,とっくに知っていた。言わせれば,そんなこと,最初から分かっていた。ノーマンとエマの二人のためにたった一人で何もかもを背負い込んでいたのも分かっていた。それでも手元に置いていた。


(…………流石に,ハウスごと自分を燃やすためにオイルやら火炎瓶やらをため込んでいたことは知らなかったけれど。)


苦笑しつつ考える。レイを手元に置いていた理由。泳がせたわけ。

それは,使えるからだと思っていた。いや,そうでないと,そう思わないとまた絶望してしまうから。無理矢理にでもそう思わせた。自分自身に。

………でも,あの日。レイ達が無事,脱獄していったのをこの目で見たあの日。一応レイの誕生日であるあの日。イザベラはようやく自覚した。

レイを手元に置いておいたのは,レイの行動に何も口を出さず,泳がせていたのは,使えるからなんかじゃない。

別の形でもいいから,兎に角あの子をちょっとでも長く見ていたかったからだ。

自覚して,呆れて,自嘲した。

そんな資格はない。最初から決まっていたのだろう。イザベラとレイは血の繋がった親子ではあるが,本物の母子ではないのだと。

一生それでいいなら,そのつもりでいた。だが,グランマになるまでも,なってからも,レイのことが気がかりで気がかりで仕方無かった。

親という生き物の性だとでも言うべきか。レイが残した遺書のこともあり,何時も頭の中はレイのことばかりだった。


(ユウゴは子供達に何時も過保護だって言われているけれど…私も大概ね…。)


イザベラは自分を小馬鹿にしたようにやれやれと息をつく。





同じ頃,コナンはイザベラを睨むかのように見つめながらぐるぐると頭を回転させる。


(…………あの女の人‥‥何なんだ?何で自分の息子を避けてんだ?)


コナンは,イザベラとレイが実の親子であるということを二人から直接聞いたわけではないが,見れば親子だと一瞬で分かる。そのくらい,二人はそっくりだということになるのだが……。

それはともかくとして,話を戻すと,コナンはレイのことを怪しんでいるが,イザベラに対してはどちらかというと,疑問ばかり抱いている。

コナンは,そこまで考えて,いや,と,小さく頭を振る。


(それよりもあいつの方。息子の方だ。あれからは何も特に変わったことはなかった。)

変わったことはなかった気がする。でも,なかったように見えたでもない。なかったんだ。コナンにはそういう確信があった。

理由は単純。調べたから。コナンは,他の乗客達を含め,皆が殆ど寝るのを見計らって,レイの服のポッケットや手荷物を調べたのだ。だが,何も出てこなかった。スマホも調べようとしたのだが,ロックが掛かっており,結局,ロックを解除して中身を見ることはできなかった。


(……………判断力,思考力,推理力,洞察力………。全てにおいてが完璧だった。普通はあの状況であんなに落ち着いてなんていられないし,拳銃なんか持ったやつにあんな口を利けるなんて,それこそ普通じゃありえない。)


でも,それだけじゃない。とコナンは思う。

あのハイジャック事件が解決した後,レイはユウゴやイザベラと,ほんの少しだったが話していた。そのときに使っていたのは英語。だが,コナンや蘭と話していたときは,コナンが日本語で話しかけたら,きちんと日本語で返していた。

あのハイジャック犯だって日本人だったのだから,当然,日本語だった。

コナンは,レイもイザベラも,黒髪でアジア系の顔立ちだったために自分達と同じ日本人なのだと勘違いしてしまった。

そして,旅行か何かでインドへ行っていて,今,インドから日本へ帰国するところなのだと思ったのだ。

だが,ユウゴという大人は,レイと知り合いなのか,普通に英語で話していた。だが,それだけならばまだいい。異国籍の友人をもっている人なんて今はざらにいる。問題はイザベラと話していたときだ。

すぐに終わってしまったが,二人共,普通に英語で話していた。

日本人同士ならば普通に日本語で話せばいい。それなのに,二人は英語で話した。

理由は単純。二人の母国語が英語だからだ。

つまり,二人は日本人ではない。

でも,コナンが日本人だと勘違いして日本語で話しかけても日本語で答えた。二人共が。

イザベラはコナンに一言言ったあとは何一つ口を挟まなかったが,会話の内容は理解していたようなので,それなりに日本語力がついていると考えていい。

だが,二人のあの流暢な日本語を思い出すと,どうしても引っかかるのだ。

外国籍の人で日本語がスラスラと言えるのは,大抵,生まれが他の国でも,育ちが日本だったり,日本語をガリ勉したりした人達だ。

だが,前者の場合,日常で日本語を使っていることが多いため,わざわざイザベラと英語で話す必要などない。

また,後者の場合は大抵,日本語が話せたことに歓喜するだろうが,二人にそのような様子はなかった。それに,日本語を覚えようとしている外国の人など,そうそういない。


(……つまり,あの人は普通じゃない。希少……いや,特別…‥?)


レイへと視線を移しつつそんなことを考えていると,自然と,なんの前触れもなしにレイが『特別』という単語が浮かんできた。コナン自身も,理由はよく分からなかったが,レイが特別なのだと言われると,ストンと胸にまっすぐ落ちてきて,自然と納得がいく気がした。


(………兎に角,何かあるのは確かだ。もう少し観察できればいいんだけど,蘭がいるからな。いや,蘭じゃなくてもこっちに帰ったらすぐに家に帰る予定だったから。)


因みに,パスポートの無い『江戸川コナン』が日本を出国,及び帰国出来たのには勿論,訳がある。

今回,コナンを預かっており,蘭の父親である“迷”探偵の毛利小五郎は,日本に数年前に移住してきた,これまた美しい相好をした女性から,両親を助けてほしいとの依頼が来た。

一口で助けてほしいと言っても,誘拐されたとか,殺されそうだとか,或いは,行方不明だとか,そういった類のものではなく,ピンポンダッシュに悩まされていたらしい。

そこで小五郎達はその女性,ユイ・レーニンの両親が住むインド,つまり,レイ達のいた国,地域へと足を運ぶことになったのだ。

その際,パスポートが必要なのだが,コナンは一応持っているということにはなっているが,勿論,コナンのものではなく,新一のものであるから,出国出来ないのである。その度に,昔,組織にいて,姉を殺されたことに反駁し,死のうとしてコナンが飲まされたものと同じ薬を飲んで体が縮んだ宮野志保,もとい,灰原哀に精一杯頼み込んで薬の試作品を貰っているのだが,ここ最近は薬をコナンに渡すことに対して随分と消極的で,全く貰えないのだ。

かと言って諦めるコナンではない。事件と聞いたら体が動く性分であるコナンは,哀を説得しまくったり,おだてたりしてなんとか薬を手に入れようとした。が,結果は変わらず,哀の方も譲らなかったため,結局,APTX4869は貰えなかった。

だが,依頼人のユイが物凄い金持ちで,依頼料の金額も,かなりのものだったにも関わらず,出国時の金額も,手続きも,その他諸々。自分が依頼して,忙しいというのにわざわざ足を運んでくれるのだからと,ユイは小五郎たちの負担を全て無くそうとして,全て賄ってくれ,パスポートの申請を免除してくれるという,通常ではありえないことをしてくれたために,コナンはインドの土を踏み,帰ってきて日本の土も踏むことができたのである。

そこにレイ達は偶々乗り合わせ,偶々事件に遭遇し,偶々目を付けられているのだ。そう。レイにとっては,とばっちりのようなものである。そして,やはり厄日でしかない。


「わり。ちょっと,俺,トイレ行ってくるわ。」

「ん?場所,分かるのか?レイ。」

「ああ。飛行機乗った時に覚えたからな。」

「……………何秒で?」

「……………0.01秒くらい……?いや,そんなかかってねえか。」

「………流石。」


場所が分かるのかと聞いたユウゴに対し,さらりと物凄いことを言ってのけたレイに,全員の動きがピタッと止まる。

ここの空港は日本で一番大きな空港だ。東京国際空港。通称成田空港の内部は,オリバー達もインドを出国する前にインターネットで調べて見てみたが,とても覚えられるようなスケールではなかった。

だが,レイという人物は,そんなこと関係無しに何でも一瞬で覚えてしまう記憶力を持っているため,あっという間に覚えてしまったのだろう。

と,言っても,一度見たもの,聞いたものは自分の意志どうのこうの関係無しに覚えてしまうらしいが。

相変わらずずば抜けているレイの記憶力に,自分が聞いたにもかかわらず,言葉を失っているオリバーに,レイは首を傾げつつも,んじゃ,わりいけど,ちょっと待っててくれと言い残して,小走りでトイレのある方向に向かった。

そのことに気付いたコナンが慌ててレイの後を追いかける。


「コナン君,何処行くの?もう帰るわよー?」

「ごめん,蘭姉ちゃん!僕ちょっとトイレ!」


コナンが走っていくのが見えた蘭がコナンを気にするが,コナンはもうすっかりお決まりになってしまっている台詞を残し,レイの向かったトイレへ向かう。















レイを追いかけてトイレへ向かい,ちらりと顔だけを覗かせて中の様子を窺う。

だが,おかしなことに,トイレ内は驚くほど静かだ。と,いうよりも,人気が無く,まるで,誰も居ないような雰囲気だ。

………いや,誰も居ない……?


(!!?何処に行った?!)


今度は中に体を滑り込ませ,ぐるりと辺りを見渡す。

もっと奥の方へ入って確かめようとコナンが奥の方へ行こうとしたとき,横から口を塞がれ,物凄い勢いで引っ張られる。


(!!!?誰だ?!)


視界が暗くなる。

腕時計型麻酔銃を開こうとしたとき,静かに。という,小さいが,見知った声が真上から降ってくる。

その声にコナンは思わずピタリと動きを止める。

すると,複数の男達の声が聞こえてきた。


「おい。今のガキ。何処行った?」

「知るか。分かんねえから,今探してんだろ。」

「言い争ってる暇があるならさっさと探して見つけ出せ!!」


そのやり取りを聞き,コナンは眉を寄せ,目を細める。

そして,続く男達の会話に耳を傾ける。


「ったく。あいつ殺して,自殺に見せかけるための偽装してるところをガキに見られるなんて。運わりいな。」

「だから俺は反対したんだ。始末するのは後で良いって。その後の作業が面倒だからよ。」

「今更それを議論したところでどうにかなるのか?いいからさっさと探すんだ。親でも来たらもっと面倒になるぞ。」


成程。分かってきた。

恐らく,こいつらは仲間割れでもしたんだろう。銀行強盗でもして,その殺された人が裏切ったか奪った金を独り占めしたかで仲間割れし,始末したが,トイレに偶々やってきた奴がその偽装工作をしているところを見ちまったんだ。

コナンは,そう結論付けると,自身を引き寄せていた腕の力がほんの少し緩んでいるのを見越して腕から逃れ,上を見上げる。

すると,そこには,予想通り,コナンが目を付けていたレイが居た。

そう。死体の始末をしているのを見てしまったのはコナンではなく,レイだったのだ。

とはいえ,流石にあの状態だと,コナンまで殺されてしまうので入口に入ってすぐの左側にある扉の方へ慌てて引き入れたのだろう。赤色の文字で書かれたそれは,日本語で『関係者以外立入禁止』,英語で『Staff only』と書かれている。こういったプレートの部屋や階段の扉は通常ならば鍵がかかっており,文字通り関係者しか入れないし,開けられないのに,何故かレイは入っていて,階段の一番上の段に片足を乗せ,もう片方の足を段の上に乗せて,まるで片足だけで正座しているかのような態勢で扉とにらめっこしている。


「……………ふう……。大丈夫か?お前。」


男達の足音と声が聞こえなくなった頃に,それでも警戒して声を潜めつつ,息をつきつつ,口元に手を当ててレイはコナンに尋ねる。

それにコナンは若干困惑しつつも,う,うん。大丈夫だよ。と答える。

それを聞いて,レイは心から安心したように,ほっと胸を撫で下ろす。

それにコナンは益々困惑顔になる。


(飛行機に乗っていたときと俺への接し方が違う……?)


首を傾げていると,それに気付いたのか,レイが相変わらず,流暢すぎる日本語で順を追って説明する。


「お前が俺のことを探ろうとしてたのは分かってた。俺が一人になったらより探りやすいとでも思ったんだろ。案の定,お前は俺を追ってここへ来た。」


図星を突かれ,コナンは,うっと言葉に詰まってしまう。

と同時に,悔しさで唇を噛み締める。

バレていたのだ。全て。

レイの言葉からして,コナンにカマをかけたのは確かだった。コナンを誘い込むことがレイの目的だったのだ。

死体とそれの偽装工作をしているところにあってしまって,二人仲良くコソコソと隠れなければならないというとんでもなくデカい予定外に遭遇してしまったようだが,レイはコナンを上回り,コナンはレイに負けたことは紛れもない事実だった。

そのことが何より悔しい。

コナンのその様子を何を考えているのか分からない瞳で見つめながら,レイは言葉を続ける。


「そんで,ちょっと驚かせてみようかなって思って,個室に隠れようとしたら,鍵が開いてるのに扉だけ閉まってて,おまけに複数の声がしたからなんかあったのかなって思って扉開けたんだ。体調不良者でもいたら大変だからさ。そしたら……‥」


レイはそこで一度言葉を切って,暗い階段を見つめる。

数秒の沈黙。

コナンはレイをじっと見つめたまま根気強く彼の次の言葉を待つ。

やがて,レイが小さな,消え入りそうな声で,でも,コナンが聞き取れるくらいの声量で自分が見たもののありのままを伝える。


「………そしたら……一人の男の喉が掻き切られてて‥‥他の3人の男が,そいつが自殺したように見えるように偽装してたんだ。」


飛行機ではあんなに冷静だったのに,今は普通の子供のようになっていて,コナンはもう何度目か分からないが,またもや困惑する。

死体には慣れていないのか,はたまた,コナンに気を遣ってか,この様子だと前者の方なのだろうが,コナンは一気にレイへ抱いていた警戒心や不信感が消えていくのを感じた。


「…………お兄さん。どうするの?これから。早く警察に連絡しないと。」

「いや,勿論したさ。丁度今ここに居るし。………ただ,ここ,ほんとに広いから,彼奴等に見つかる前に警察が俺達のことを見つけてくれるかどうか……」

「え?警察に僕達の居場所,言ってないの?」


先程の会話で,レイはここの地理を全て暗記したと言っていた。

0.01秒もかかっていないと言っていたことに関しては,やはり引っかかる要素としては十分だったが,あれはあの場しのぎの嘘だったのか?いや,彼処で嘘をつく理由などない。

コナンはそう思っていったが,レイは申し訳無さそうに眉を下げる。


「ごめん。途中で充電切れちまったんだ。なんせ,急いで出てきたもんだから。」


なんと不運なことか。

コナンは瞬間的にそう思った。

実は,コナンもスマホは今は持っていない。飛行機に乗るときはオフラインであるからと蘭に回収され,積んだ荷物の中に突っ込まれたのだ。

コナンは頭を抱える。

それにレイが申し訳無さそうにしながらも,苦笑してごめん。と謝る。

だが,そんなことをしている暇ではないのだ。

コナンは顔を上げ,レイと向き合う。


「どうする?お兄さん。ずっとここに居ても見つかるのは時間の問題だよ?」


コナンの質問に,レイは流石というべきか,素早く切り替えてそうだな。と頷く。


「逃げるしかない。大丈夫。お前を死なせはしない。ここの地理は全て俺の頭の中だ。着いてこい。」

「え?!あ,うん!」


あまりの勢いにコナンは遅れをとりそうになるが慌てて着いていく。

此処から,コナンはまた,消えかけていたレイへの警戒心や不信感を引き出すことになる。

幾度目かの鬼ごっこそして譲れない駆け引き

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