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stpl 紫橙 様
誤字脱字注意
日本語おかしい
スタジオの明かりが落ちて、ブースの赤ランプだけが淡く光っている。
ヘッドホン越しに聞こえるのは、俺たちのグループ——stplの新曲の仮ミックス。
「……はぁ、やっぱこったんのハモり、ずるい」
隣でソファに沈み込みながら、そうぼやくのはくにお。
俺より少し低い位置から、上目で見てくるのが反則だってこと、たぶん本人は無自覚だ。
「ずるいって。ちゃんとくにおの声があるから成立してるんだよ」
「そういうとこ……」
むに、と頬を膨らませて、でもすぐにへにゃっと笑う。
デレデレワンコ。外ではクールぶって、歌になるとキメ顔なのに、身内にはとことん甘えた。
俺はこのグループで最年長で、自然と“お兄さん”役をやってきた。
くにお達とのグループが始まったときから、面倒を見るのは俺の役目みたいになってて——
気づいたら、こうやって距離が近いのが当たり前になっていた。
「今日、泊まってく?」
「え、いいんすか」
「帰る電車ないでしょ」
そう言うと、くにおは一瞬だけ黙ってから、照れたように頷いた。
シャワーを終えて、部屋着で並んでベッドに腰掛ける。
くにおは髪を乾かしながら、ちらちら俺の様子を伺ってる。
「……こったん」
「ん?」
「その、さっきから近い」
そう言いながら、離れる気はなさそうで。
むしろ、指先が俺のシャツの裾をつまんでる。
「嫌なら離れるけど」
「……嫌じゃ、ない」
小さな声。
胸の奥がじんわり熱くなる。
俺はゆっくり手を伸ばして、律の顎に触れた。
「触っていい?」
「……少しだけなら」
そう言って目を伏せるのが、もう可愛い。
キスは軽く、確かめるみたいに。
一度、二度。
くにおの指が俺の背中を掴む。
「こったん……」
「大丈夫。ゆっくりな」
前戯は時間をかけた。
触れるたびにくにおが小さく息を吸って、声を抑えようとするのを、俺は逃がさない。
「声、我慢しなくていい」
「っ、だって……かっこ悪い……」
「俺の前では、かっこ悪くていいでしょ」
そう囁くと、くにおは観念したみたいに、俺の肩に顔を埋めた。
キスも、触れ方も、全部「大事にしてる」って伝わるように。
焦らさず、置いていかず。
くにおのペースに合わせて、ちゃんと感じさせて。
——繋がるときも、声をかけた。
「今から、いい?」
「……こったんとなら」
その一言で、全部報われる。
終わったあと、くにおは俺の胸に顔を押し付けて、離れようとしない。
「……眠い」
「お疲れ」
タオルで汗を拭いて、水を飲ませて、布団をかける。
事後は特に大事だ。ここで手を抜くほど、俺は子どもじゃない。
「こったん」
「ん?」
「……ずっと一緒に歌ってたい」
照れながら、でも真剣な目で言う。
「当たり前でしょ。stplの相方なんだから」
「……相方、以上だけどね」
くすっと笑って、くにおの頭を撫でる。
「欲張りだな」
「こったんにだけは」
そのまま、互いの体温を確かめるみたいに抱き合って、眠りに落ちた。
明日も、明後日も、ステージの上では並んで歌う。
そして夜は、こうして——俺が全部、受け止める。