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こちらは番外編であり、執筆中の別シリーズであるモンハン二次の要素、モンスの擬人化があります。
知らなくったっていいですよ
例え赤子が見つからずとも
きっとおんなは報われた
夜中、やけに腹が減って目が覚める。
カップラーメンに湯を入れようと電気ケトルを見たら不幸なことに湯は無く、ずっと前にボタンを押すことを、更に言えば空洞を水で埋めることすら忘れていたと言うことにほかならない。
やれやれ…そう思いながら扉を開き、寮のキッチンに行くためにドアを開けるとちょうど一部屋向こうのドアから白いメッシュの入った黒髪と金の瞳のイグニハイドらしからぬ筋肉を持った男(ヤマアラシみたいな髪型だったため以降ヤマアラシと呼ぶ。)が出てきたところだった。
聞いてみるとヤマアラシも夜食のためにキッチンに行こうと思っていたらしい。
イグニハイドの廊下は夜も割と明るくて、他の寮は暗いのだろうか?と考えながら歩く。
特に何も無くキッチンに付き、キッチンの電気ケトルを見るとしっかりと沸いた湯が入っていたらしい。
ヤマアラシはマグカップにスープのもとを入れ、湯を入れる。
それが終わったあと、俺もカップラーメンに湯を入れてさあ戻ろうと振り返るとキッチンの出入り口に女がいた。
顔は伽藍堂。腹を見ると肉塊か…それとも別の何かか、よく分からないものが埋まっている。
服は古臭いワンピース。
「わたしのあかちゃん、しりませんか?」
成人済みにしてはやけに幼く、高い声が自らの赤子のゆくえを探す言葉を紡ぐ。
そいつの後ろの廊下はやけに暗く、黒く塗りつぶしたようで。
女は何回も赤子の行方を聞きながら近づいてくる。
女は恐怖に固まる俺を通り過ぎ、ヤマアラシに赤子の行方を聞く。
見捨てて逃げるべきかと考えている間にヤマアラシは質問が自らに投げかけられていると理解する。
「私の赤ちゃん、知りませんか?」
ヤマアラシは口を開いた。
「俺にはわからない。だが、アドバイスはできるかもしれない。だからまず、座ってくれないか?」
ヤマアラシはそう言いながら椅子を引く。
「ああ、そういえばお前。今は暗いから出るのは辞めておいたほうがいい。」
そう言われ自分もなんだか恐怖が吹っ切れたのか普通に座って、腹が減っていたのもあってちょうど3分経っていたカップラーメンを食べる。
ヤマアラシは自分の作っていたスープを女に渡し、持っていたバッグから瓶にたっぷり入った血のように赤い液体とジップロックに入った生肉を皿に出し、話し始める。
「すまない。少々咀嚼音がするが、気にしないでくれ。」
今考えると咀嚼音以前に何故生肉を食う?だとかその赤い液体は血じゃないのか?だとか色々あるがその時の俺は女と一緒に頷いていた。
「すまない。たすかる。…まず、お前は自らの子を、赤子を探しているんだな?」
「あ…あ…は…い…」
初めて、女が赤子を求める言葉以外を話す。
「ふむ…そうだな。まず、子を成す方法は生き物によって様々だ。雄と雌が交わり、腹のなかに子を成すものもあれば、卵として体外で育てるものもいるし、次を作る種もいる。更には子の元となるものを他の生き物に植え付け、苗床にするものもいれば、俺の種のように特殊で莫大なエネルギーを体内に蓄え、そのエネルギーと体から離れた体の一部が新たな同種となる種もいる。まあ俺は同種の中でもかなり燃費が悪くて子は作れないのだがな。」
…衝撃の事実が判明した。ヤマアラシはいわゆる単為生殖と呼ばれる繁殖方法で産まれたらしい。
「…ねんぴが…わるい…って…?」
したから伽藍堂だった顔がじわじわと戻ってきた女がたどたどしい発音で言葉を紡ぐ。
それを聞いたヤマアラシは生のままの肉をぶちり、と引きちぎり飲み下してから口を開く。
「ん?ああ、俺の種は特殊で莫大なエネルギーを使い子を成す。しかし俺はその特殊で莫大なエネルギーを子をなせるほど溜めておけない。なんなら普通に生きるだけでも定期的にそのエネルギーを摂取しないといけない身でな。」
そう言いながらまた一口。肉をぶちりと引きちぎる。
「まあ、それは置いておいて、そんなこんなでいろんな生殖方法をする奴はいる。そして生まれる赤子の外見も様々だ。口しかなかったり、消化器官を持たなかったり、蛹だったり、いろんな生き物を食べていたり。産まれる前は変化する途中のいびつに膨れた棘だったり、内臓しかなかったり、皮膚がまだできていなかったり。」
「そう…」
さらりと物凄い内容が流された気もしたが、女の外見はかなり戻っていた。
「まア、言っちまえば今の種族が何であろうと俺はお前の種族が何かも、子がどれくらい成長しているかもわからないんだ。だから見つけてほしいと言われたってわかりゃしない。もし、母体のお前が死んでいたとしても、お前の種がわからない限りお前が死んでいるかもわからない。」
「そ…んな…」
ぐにゃり、女が歪む。
「…だが、母体が死んでいて、子が腹の中にいたままなら、間違いなく子も死んでいる場合が多い。子は上りやすい。死んでいるなら尚更。この世にはもういないだろうな。ならば、ここらへんで探すより、あちらで探したほうが早い。だから、冥界に行くべきだ。」
「…っ」
「死体に産まれる前の子を養う能力は無い。」
「そレでも」
「子を、迎えに行け。子が先に上っていった場合。お前の腹の中には居ない。冷たくなった腹をすり抜け、上へ上へ、お前が目覚めるより前に上へ上へと上っていったんだ。ならば、お前もここで探しても赤子が見つかるはずもないんだ。探しに行けるうちに、探しに行け。」
「あ…あ…あか…ちゃ…ん…」
一つ、一つ言葉が重ねられるうちに、女は薄れていき、最後に赤子を呼び、静かに光の粒子になって消えていった。
女に渡されていたマグカップは空っぽで、ヤマアラシも食べ終えたらしく、赤い液体で喉を潤していた。俺もちょうど食べ終わったカップラーメンのスープを捨て、出口の方を見るとあれだけ暗かった廊下は明るくなっている。
使った皿を洗うヤマアラシとおやすみを言い合い、俺は一人部屋に帰って眠りについた。
あの女は、赤子に会えたのだろうか。それだけが気がかりだ。
…ってことがあったんだよね。
231名無しの話好き
怖くないって言ったじゃん!!!!
232名無しの話好き
ヤマアラシって誰?そいつに近づかないから教えて???
233名無しの話好き
え…?アイツ単為生殖なん…?
234名無しの話好き
赤い液体って何ぃ???
235名無しの話好き
生肉を食べるな!顔が伽藍堂ってなんだ!お腹に肉塊ってその肉塊が赤ちゃんじゃないのぉ?
236名無しの話好き
血でしょ
237名無しの話好き
怖いこと言わないでよぉ!
238名無しの話好き
おばけちゃんよりヤマアラシのが怖い
239名無しの話好き
特殊なエネルギー源って人間じゃないよね…???ね???
240名無しの話好き
人間なわけないだろうが