テラーノベル
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4人がタコスを手に戻ると、砂浜のシートの上で他のメンバーが待っていた。
波の音が静かに寄せては返し、どこかの子どもたちのはしゃぐ声が遠くから聞こえる。
「おっ、おかえり〜!遅かったじゃん!どうしたの?」
蓮がタコスの袋を覗き込みながら、軽い調子で笑う。
紬は少し慌てた様子で手を振りながら、
「い、いえっ!なんにもないです!」
と焦ったように返す。
その隣で架純は冷静に、
「……別に。」
と短く言った。
「そっか?なんか焦ってるように見えたけど〜?」
寧がからかうように笑うと、昴がすかさず話を変える。
「とりあえず食べましょう。冷めちゃいますよ。」
「そうだね!もうお腹ぺこぺこ〜!」
希空が笑いながら包み紙を開けると、
香ばしい香りが海風に乗って広がった。
「ん〜っ!美味しいっ!」
椿が目を輝かせながら頬張ると、蓮が満足そうに頷く。
「これ当たりだな。辛すぎないのがいい感じ!」
「僕も好きですね、こういう味。」
昴が穏やかに笑うと、紬が元気よく「ですよねっ!」と返した。
「……うん、確かに。美味しい。」
架純が小さく微笑みながら言うと、優太がちらっと横を見て、
「だろ?」と短く笑う。
そのあとも話題は絶えず、
“このあとどこ行く?”とか“夜ご飯どうする?”とか、
他愛もない会話が続いていった。
「波の音、気持ちいいね〜!」
希空が目を細めて空を見上げると、
オレンジ色に染まった夕日が水平線に沈みかけていた。
「……あ〜、もう夕方かぁ。」
蓮が伸びをしながらぽつりと呟く。
「早かったね、時間たつの。」
昴が笑いながら腕時計を見て、
「そろそろ戻りましょうか。」と優しく言う。
「そうだね!シャワー浴びたいし!」
椿が元気に立ち上がると、みんなもそれに続いた。
「……うん、戻ろっか。」
架純が静かに言うと、
その声を合図に、みんなで海を背にホテルへと歩き出した。
潮風の香りと笑い声が、ゆっくりと夕暮れの空に溶けていった——。
ホテルに戻ると、潮風と砂で少し疲れた様子のメンバーたち。「さすがにベタベタするね〜!」
椿が笑いながら髪をかき上げる。
「……早く洗いたい。」
架純が小さく呟くと、
「だよね!交代で行こっか!」と希空が明るく返した。
それぞれ軽くお風呂へ入り、潮と砂を洗い流してすっきりとした表情で出てくる。
浴室から漂うシャンプーの香りが、ふんわりと廊下に広がっていた。
全員が私服に着替えると、
「お腹すいた〜!」と椿が声を上げ、
そのままホテル内のレストランへと向かう。
ビュッフェ形式の夕食には、色とりどりの料理が並んでいた。
「うわ〜!美味しそう!」
「どれから取る!?」
「とりあえず肉!」
「デザートもチェックしとこ!」
笑い声が飛び交いながら、それぞれ皿に料理を盛っていく。
「これ、めっちゃ美味しい〜!」
希空が嬉しそうに言えば、寧が「だよな!」と笑顔で返す。
「僕、この沖縄そば気に入りました!」
昴の穏やかな声に、紬が「私もですっ!」と元気よく答えた。
そんな和やかな雰囲気のまま、夕食が終わるころには外はすっかり夜。
温かな照明がレストランをやわらかく包み、みんなの表情を照らしていた。
「さて……このあとどうする?」と蓮が言うと、
昴が少し考えてから提案した。
「せっかくなので、露天風呂行きませんか?」
「えっ、露天!? 行きたいっ!」
希空が一気にテンションを上げて立ち上がる。
「星とか見えるかな〜?」
椿がわくわくした声で言えば、紬も「わぁっ!絶対きれいですよ!」と笑顔を見せた。
「いいね〜、露天風呂!夜風気持ちよさそう!」
寧が笑い、優太が「よっしゃ決まりだな!」と元気に言う。
「僕、タオル持っていきますね。」
昴が落ち着いた声で言い、みんなそれぞれ準備を始めた。
外に出ると、夜風が心地よく肌をなでる。
露天風呂へ続く小道には灯りがぽつぽつと並び、
その先から湯けむりがふわりと立ち上っていた。
一方女子側は——。
「夜の温泉っていいね〜!」
椿が嬉しそうに笑う。
「星、めっちゃ見えるよ!」
希空が指差した先には、澄んだ空いっぱいにきらめく星。
「うわぁ……きれい……!」
紬が感動したように声を漏らすと、
架純が空を見上げて小さく呟いた。
「……あれ、明るい星。……きれいだね。」
その声は湯けむりに溶けるように静かで、
けれど、いつもより少し優しい響きを帯びていた。
「ふぅ〜〜! あったか〜い!」
椿が思わず声を上げると、希空が笑いながら「しあわせ〜!」と目を細めた。
「今日一日、あっという間だったね。」
紬の言葉に、架純が「……うん。楽しかった。」と短く答える。
その一言に、他の3人は思わず微笑んだ。
一方男子側は——。
「っは〜、最高だなこれ!」
寧が湯に肩まで沈みながら満足げに伸びをする。
「ほんと、疲れ吹き飛びますね。」
昴が穏やかに微笑むと、優太が「お前、そういう言い方真面目だな〜」と笑い、
蓮が「まぁでも、確かに悪くねぇな!」と頷いた。
「……架純たち、楽しんでるかな。」
優太がふと空を見上げる。
寧が「そりゃ楽しんでんだろ、女子組だぞ?」と笑うと、
優太も少し笑って「だよな」とだけ答えた。
湯気の向こうに見える星空は、
どこまでも広く穏やかに輝いていた——。
露天風呂から上がったあと、全員でタオルを巻き、髪をまとめて部屋へ戻る。
「ふぅ〜、あったかかった〜!」
椿が伸びをすると、希空も「夜空と星もきれいだったね〜!」と小声でつぶやく。
「今日は早めに寝ようか。」
架純が静かに声をかけると、みんな頷きながらベッドへ向かう。
ベッドルームには、8人が一度に寝られる大きなベッドが用意されていた。
女子4人と男子4人で分かれて寝ることにしたものの、優太、希空、紬、昴、そして蓮の寝相が悪く、すぐにベッド内がごちゃごちゃになる。
優太が寝返りを打つと、隣の枕に頭がぶつかり、紬が布団の端にずれる。
希空も寝返りを打ちながら手足を伸ばし、少し隣のスペースを圧迫する。
「狭っ……」
紬が小さく寝ぼけ声を漏らすが、すぐに寝息に戻る。
そして蓮が夢の中で手足を大きく動かして寝返りを打った拍子に、なんと隣で寝ていた寧の足を蹴ってしまう。
「お……っと!」
寧は布団から少しはみ出して目を覚ますが、まだ寝ぼけていてもぞもぞする。
「……ん、狭いなぁ……」
軽く文句を言うように呟き、布団の中で体勢を整え直す。
昴も横で腕を伸ばして布団を蹴飛ばし、蓮や優太と一緒に少しゴチャゴチャしたベッドの中で眠り続ける。
寝相普通の架純や椿、希空の一部はほとんど動かず、静かに眠っていた。
夜が深くなるにつれ、ベッドは転がる音や布団の擦れる音、もぞもぞと動く体の音で、誰がどこにいるのか分からない状態になっていった。
朝になり、柔らかな光がカーテンの隙間から差し込む。
一番に目を覚ましたのは架純だった。
体を伸ばしながら目を開けると、隣に……なぜか優太がいて、距離が近いことにドキッとする。
「……なんでこいつが、……?」
心の中で小さく呟くが、口には出さない。
優太はぐっすり眠っていて、起きる気配はなく、顔がすぐそこにある距離に頬が熱くなる。
架純はそっと体を起こし、ベッドの端まで移動して窓際の小さなテーブルに腰掛ける。
携帯を手に取り画面を眺めるが、自然と昨日の出来事を思い出してしまう。
海での遊び、露天風呂での星空、そして優太と隣で寝ていたあの距離……
思わず顔が熱くなり、ほんのり赤く染まる。
「……はぁ、恥ずかしい……」
小さく息をつき、架純は携帯をスクロールしながらも、心の中ではまだ余韻に浸っていた。
朝の柔らかな光がホテルの部屋を包む。ベッドから起きるのは少しずつ、まだ眠気が残るメンバーたち。
「う〜……まだ眠い……」
椿が布団をぐるぐると巻きながら小さくため息。
蓮は布団の中でまぶたをこすりながら、「……もう朝か……」とぼんやりつぶやく。
寧も少し寝ぼけたまま体を起こし、ゆっくり布団の中で伸びをする。
その間、架純は窓際の小さなテーブルに座り、携帯を手に取り画面を眺めながら、机に頭を伏せてうとうとしていた。
「……起きろー!」
希空が元気に声をかけると、紬も「おはよー!朝だよー!」と順にメンバーたちを起こしていく。
椿や蓮、寧も少しずつ体を起こし、ベッドから出て準備を整える。
優太や昴、紬、希空はすでにシャキッとしていて、朝の光に包まれながら朝食会場へ向かう。
ビュッフェには色とりどりの料理が並び、みんなの目が輝く。
「うわ〜、フルーツいっぱいだ!」
紬が目を輝かせながら皿を取ると、希空も「どれにしようか迷う〜!」と笑顔。
椿もふらふらしながらパンを取り、蓮はまだ眠そうにコーヒーを口に運ぶ。
寧も少しぼんやりしながら沖縄そばを一口。
架純は静かに皿の上の料理を見つめ、心の中で思う。
眠気は残るけれど、しっかりと味を確かめながら口に運ぶ。
「ん〜、美味しい……」
思わず頬を緩める。
朝食を終えた一行は、しばらくホテルでゆったりと過ごすことにした。
椿や希空は窓際でのんびり景色を眺め、紬はスマホを見ながらホテルの中で遊ぶ計画を練っている。
蓮や昴はソファに腰かけ、ぼんやりと外の景色を眺めながら、「次どこ行くか考えよっか」と話す。
架純は少し眠そうに椅子に座り、窓から差し込む光を浴びながら携帯を触って過ごす。
優太はソファで伸びをして、「のんびりしてるけど、散歩でも行く?」と提案する。
みんなでホテルの周りを少し歩き、海沿いの道を散策したり、街の景色を眺めたりして時間を潰す。
「わぁ、空も海も綺麗だね〜!」
希空が嬉しそうに言うと、紬も「早く外に出ていっぱい遊びたい!」と笑顔を見せる。
ゆったり過ごした時間が経ち、時計を見るとそろそろお昼前。
「さあ、そろそろ食べ歩きしよ!」
紬が元気に声を上げると、椿も「わぁー、楽しみ!」と笑顔で応じる。
架純も小さく頷きながら、心の中で「さっきは起きれてたのに……眠い、」と思いつつ、少し気合を入れて立ち上がる。
こうして一行は、沖縄の街での食べ歩きタイムへと笑顔で向かっていった。
太陽が高く昇り、街に明るい光が降り注ぐ中、笑い声や「これ美味しい!」という声があちこちに響いていた。
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