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えぬた
#一次創作
NaCl
6,411
らう
143
花桜月華
359
帰ってみると、既に夕食の準備は済んでいた。
今日の夕食は天ぷら蕎麦。
ローテーブルに、大ざるに盛った蕎麦が2山。
蕎麦つゆは温かいのが鍋に入っている。
肉とネギが入った、武蔵野肉汁うどんっぽい感じの温かい汁だ。
油揚げの大きいのも入っていて、狐にすることも出来る。
そして天ぷらは、例の肉厚しいたけと、たらの芽とこごみと、他に何か木の芽だ。
「天ぷらの具は午後に直売所に行って買ってきました。色々山菜が出ていたので、試してみて下さいね」
という事で食事開始。
カヌーで身体が冷えていたせいだろうか。
温かい汁が身体に浸みる。
カヌーを終えてから結構時間が経っているのだけれども。
そして天ぷらが、やっぱり美味しい。
新鮮なせいか、香りがやっぱり強い。
そのくせ天ぷらにしたせいか、苦みとかえぐみは感じない。
そして緑の太い部分がホクホクしている。
ちょっとだけ味に癖はあるけれど。
なお、未亜さんがあげを2枚のせて食べているのを目撃。
あれこそ正に狐蕎麦という奴だな。
言えないけれど、笑える。
なお、彩香さんも同じ事を考えている模様。
視線と表情から、そう判断。
そして。
「正直、食事に関しては、そっちの中学の方が圧倒的に上ですね」
石動さんがそう、何かしみじみという感じで言う。
「悪いなあ。まだ僕の経験じゃ、ここまでは出来ないな。特に後発隊の朝のチーズフォンデュなんて、流石に思いつきもしない」
「いいや、朗人や理奈は頑張っていると思うぞ。この天ぷらとかも綺麗に揚がっているしな。違いはそこじゃない」
生徒最年長、神流先輩がそう言って。
高校の皆さんの視線が、自然と小暮先生の方へ。
「クッチー、いや草津先生と比べないで下さい。大学1年から山での食事計画と実践のエースだった草津先生と、大学3年ですら鍋すら触らせて貰えなかった私。その差は、私が一番わかっているんです」
「でも、せめて目玉焼きくらいは焼けるようにした方がいいと思います。もう適齢期、終わりに近づいているんですから」
「それは言わないで。それなりに焦っているんですから」
何やら微妙に悲痛な言葉が……
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