3・クラス分け
「あの辺り人集まってるな」
「うん、クラス分け出てるのかも」
「なるほどな
今行っても見えねぇよな、
ちょい待つか」
「そうだね」
人が少なくなったところで、掲示板のある方へ向かった。
向かっている途中、女子達の視線が桜志へ集まっていた。
気まずい…。
「何組なんだろうな」
そんなことを気にする様子もなく、桜志は僕との会話を続ける。
僕は周りの目が気になってそれどころじゃないが、無視するわけにはいかないし…
仕方ないからとりあえず、僕はうつむき気味に頷いた。
「・・・。」
「クラス離れたな」
「そうだね、」
「でもまぁ、朝は会えるしな。
寂しくなったらいつでも俺の教室こいよ」
そう言って桜志は猫や犬を撫でるみたいに、
僕の頭を撫でた。
「恥ずかしいから、やめてよ、」
悪い悪いと言いながら、桜志は朗らかに笑う。
照れくさいような嬉しいような、なんともいえない感情が僕の中でごちゃ混ぜになった。
いつのまにか、女子から桜志へ向けられる視線は気になくなっていた。
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