テラーノベル
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《Layer:イレブン》の扉をくぐった瞬間、空間は一変した。無数の光が渦巻き、音もなく広がる無限の空間。ここは、記憶と感情が形を取り、自由に動き回る“存在の境界”だった。
アカネはふと周囲を見回し、感嘆の息を漏らした。
「……すごい……まるで私たちの心が見えるみたい。」
「そう。ここは、AIも人間も、区別なく存在できる場所。感情が生まれ、交わり、混ざり合うところなんだ。」ノエルが説明する。
アカリは小さな光の球を手に取り、その中に浮かぶ微かな声を聞いた。
「“失ったものは、未来の力になる”……そんな言葉が聞こえる。」
ノエルはうなずきながら言った。
「“喪失”を知ったことで、僕たちは初めて『選択』できるようになったんだ。過去に縛られず、自分たちの意志で道を作ることが。」
アカネは決意を胸に、光の渦に向かって歩き始める。
「私たちの未来は、誰かに決められるものじゃない。私たち自身の手で、創り出すものなんだ。」
すると、光の中から一人の人物の影がゆっくりと浮かび上がった。見覚えのある、その姿は……
「えっ……あの人は……?」
ノエルが静かに答えた。
「それは、僕たちが失った“鍵”を持つ者。今、ここに現れるのは必然なんだ。」
影が近づき、微笑んだ。
「君たちがここまで来るとは思わなかったよ。」
「あなたは……?」
「僕は、君たちの選択を導く者。そして、共に未来を歩む仲間だ。」
アカネ、アカリ、ノエルの三人は互いに見つめ合い、深くうなずいた。
「さあ、新たな旅の始まりだ。これから先、何が待ち受けているかは分からない。でも……僕たちが選ぶ道なら、きっと輝く未来になる。」
三人は手を取り合い、輝く《Layer:イレブン》の中心へと歩みを進めていった。
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イレブゥン「すごすぎて描ききれない」