コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
裸足で道路を歩くということは初めての経験だ、なんとも歩きにくかった、だから人間は靴を履くのね・・・・
妙な悟りを開いて一人むなしく微笑んだ
ゴツゴツした砂利や小さなゴミが歩くたびに、足の裏に刺さった
もしかしたら小さなガラスを踏んだかもしれないが、そんなこと他の痛みに比べたら、どうでもよかった
こんな時に相談できる友人などもいたら良かったのに
しかし私は友人も家族もすべて捨てて、俊哉のもとに行った、彼が幸せにしてくれると信じ込んでいた、なのでこんなことを相談できる友人など一人もいなかった
父も母も頭に浮かんだけどすぐに消えて行った
こんな時に私が頼りになる人物はただ一人―――
兄の拓哉だった
あの兄と弁護士のお嫁さんの弘美さんなら、この件を表沙汰にせず、きっと私を助けてくれるはず・・・・
今の私にはあの二人以外に信頼できる人はいない
京都から大阪まではいったい何キロあるんだろう・・・
歩いたらいったい何日かかるのだろう、でも行くしかなかった
なぁに時間はたっぷりある・・・
だって今の私には・・・たった一つの真実だと思っていた愛さえも、無くしてしまったのだから
トボトボと私は裸足のまま、兄のいる大阪の方向へ歩き始めた