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異世界ランデヴー

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異世界ランデヴー

1 - 異世界ランデヴー

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2023年12月24日

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ガタンガタン、ガタンガタン

踏切を通る電車の音が響く。

ガタンガタン、ガタンガタン

徐々に音が小さくなる。

電車が通り切ると向かい側に制服姿の女子高生が居た。

「いい?目を閉じながら歩道橋を想像する。想像したら口でゆっくり3秒数えて踏切を渡りきる。おっけー?」

と女子高生が楽しそうに言う。

「…うん」

と僕が言う。

「行くよ!せーのっ」

と女子高生がさっきより楽しそうに、大きな声で言う。

僕は目を閉じてとある歩道橋を想像する。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

僕は死にたかった。

幼い時に両親が事故で他界、中学2年生まで祖母が面倒を見ていてくれたが認知症が悪化し、逆に面倒を見る側になった。

中学校では僕が親を殺したのではと噂をされ、虐めを受けていた。

そして中学3年生の夏休み、近くの歩道橋で飛び降りをしようとした。

僕は飛び降りた..はずだった。

はずだったのに同い年くらいの女子学生に助けられたのだ。

なんでだったんだろう、助けられた瞬間僕は泣いてしまった。

おそらく誰かが自分なんかを助けてくれた事が嬉しかったからなんだと思う。

「勝手に助けてごめんね‼️見て見ぬふりするのは気持ち悪かったというか胸糞悪かったっていうか..とにかくごめんね‼️けどちょっとっていうか凄く急いでるから💦もう行くね‼️ほんとごめんね‼️」

と早口で言ってどこかに行ってしまった。

あれから家に帰った。

「ただいま」

と僕が言う。

「どちら様ですか?」

と祖母が困った顔で言う。

「僕は貴方の孫だよ、おばあちゃん。」

(何回目だろう。この会話を繰り返すのは。)

そう思いながら階段をのぼり、自分の部屋に向かう。

寂しく静かに階段が軋む音が響いた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

助けられた後の学校生活は前よりかは少しマシだった。

両親が他界したのは僕の所為ではないし両親が居ないことも悪い事じゃないのにお前が両親を殺したと出任せで虐められるのは違う と思ったからだ。

いや、そう思うようにしたからだ。

そのおかげもあって受験勉強も順調に進み僕は高校生になった。

地元で普通より少しだけ偏差値が高い高校に受かった。

高校の入学式で少し見覚えがある人が居たが、その時はあまり気にしなかった。

入学式を終え、各教室に戻り一人一人の自己紹介が始まった。

1人自己紹介を終える、その次に1人、また1人と自己紹介が終わっていき自分の番が近づく。

そんな時、確実にあの人がいた。

歩道橋で助けてくれた人だった。

「朝日奈 凛(あさひな りん)です❗️趣味はオカルト研究👻です。みんなと仲良く🤝して、楽しい😁学校生活🏫にしたいです❗️」

この人、喋り方で分かる。

絶対、LINEで絵文字いっぱい使う系の人だと思う。

その次に何人か自己紹介をし、僕の番が来た。

「一ノ瀬 冬真(いちのせ とうま)..です。趣味は読書です…。よろしくお願いし..ます….。」

緊張して最後の方は聞き取れないくらいに声が小さくなってしまった。

その後何人か自己紹介をし、10分休みとなった。

朝比奈さんが僕の机に来た、

「ねぇ、あの時の子だよね❓」

と朝比奈さんが食い気味に言う。

「そう..です。」

と僕は少し気まずそうに言う。

「あのさ、」

と朝比奈さんが言う。

僕は少し身構える。

「あの時マジごめん‼️🙏💦あの日は下痢気味💩‪🚽で助けた後すぐトイレに こもってたんだよね❗️」

僕は予想外のことに少し思考が停止した。

「なんかさ、君が落ちようとしたのを見て本能的🦁に助けちゃって💦、けど助けてたら、めっちゃ腹痛が酷く💩‪🚽🧻なってさ!マジでゴメン‼️🙏💦」

この人は絶対、絵文字が入ってる。

改めて強く確信した。

そんなことを思った後、急いで返事を考え、口に出す。

「げ、下痢?あ、あんまり分かんない..けどあ、朝比奈さん、あの時助けてくれてありがとうございました..!お礼を言おうとしたらどこかに行ってしまったの..でずっとモヤモヤしていたんです」

「よし、偶然同じ高校🏫なったし運命と思ってこれからも仲良く🤝しようね!」 と朝比奈さんが無邪気な顔で言う。

「う、うん」

と少し困りながら僕が言う。

「あと、朝比奈じゃなくて凛ね。よろしく冬真くん‼️」

と朝比奈さんが言う。

この人、距離の詰め方すごいな。

「よ、よろしくお願いします.. 朝比n..じゃなくて..凛さん」

と僕が言う。

「ではさっそく明日、私のオカルト研究👻に付き合ってね、放課後🌄の2時に…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして僕は今、自殺しようとした歩道橋を想像して、ゆっくりと3秒数えて踏切を渡りきる。

「1…2…3」

そして目を開ける。

ゆっくり辺りを見渡した。

そこは、不思議な世界だった。

凛さんは居ない。

そのとき、僕の異世界ランデブーが始まった。

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