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注: この作品はUT-AUの🐙と😎🤟のcp表現があります。
設定捏造
人によってはキャラクターの解釈不一致を感じる場合が あります。
作品は完結していません。中途半端な場面切り替え、中途半端な切り上げがあります。
あと、とてーも短い。
ワンクッション
俺とは正反対のアイツがいる。
奇想天外なアイツがいる。
誰とでも仲を深めるアイツがいる。
どこだろうと周りに溶け込むアイツがいる。
感情豊かなアイツがいる。
楽しそうなアイツがいる。
すべてのアイツが崩れ落ちるとき、俺はなにを思うだろう。
などと、つまらないことを考えた。反りが合わぬ者とはどうやっても叶わない、というのは確かな真実で、俺はその”アイツ”がどうも気に食わない。
__どうしたって、あそこまで違うんだ、憎たらしい。
激昂してしばらくはしないと気付けない感情を知る、という流れを毎日繰り返しているのも、俺のアイツへの感情が、他の有象無象らとはまるで違うことも、ほとんど分かっていなかった。
その日から、いつだったか、いや、その日から、俺の普通にアイツが来る。
”その日”は、俺が以前グラフで確認したネガティブの数値よりも遥かに下回った日だ。違う、正確に言えば、”その日”ではないが、噂ばかり耳にしてきたアイツの存在と対面したのがこのときなので、その日の範疇であろう。
部下を働かせてネガティブを搾り、己の醜さに自己嫌悪して無意識にでも自身からのネガティブを搾る。どう頑張っても、この最低な時間は止められないから嫌になる。
つまりは、退屈だってことだ。なにかしら、自分の興味を掻き立てるような事態を待っていたし、そのために外へぶらついたことも五回程度じゃない。
放浪癖が染み付いたばかりに、アイツと会ってしまったのだから、そこには感謝したい。違う、感謝じゃない。
俺についての話をしようか。いつしか部下にそう言ったことがある。いやなに、特別なことなど、そう教えていない。ただ、俺の名前がナイトメアなんて、不気味な名前だってことと、俺が負の感情の物体化、だと。それだけ。
いわゆる秘密主義者だから、それ以上聞き踏まれたくなかったので
『過去のことはこれっぽっちも覚えていない。』
となんども繰り返し話した。
後悔している。
俺の周囲は、俺自身のことを上辺だけの印象で語っている奴らでたくさん。
闇の帝王のナイトメアがいる。
極悪非道のナイトメアがいる。
サイコパスなナイトメアがいる。
化け物なメアが…。
噂を立てるだけ立てて、他者と愉悦する、他人を馬鹿にして仲が良くなる、けど、その噂が一番間違っていないんだ。
だが、それはほんの一面が噂されているだけで、その一面の噂が世界中に流れたって、それだけがすべてではない。
話が随分脱線した。昔を思い出したんだ。要していってしまえば、俺は噂通りだが、その少ない情報でできた噂よりももっと違う側面がある。変に、極悪非道などと一括りしてもらっては、傷つく。
ネガティブしか感じられないが、ネガティブのすべてを感じられる。
話を戻すが、もちろん過去を覚えていないわけではない。皆が幼少期時代を断片的にうすらとしか覚えていないのと同じ。500年あまりの年月は、尊くて忌々しい子供時代を、より程遠く感じさせる。
周りからの印象と俺自身からの印象のギャップを、靄がかったような気持でぐるぐる考えている。ただのルーティンだが、それすら鬱陶しい。そうして、流れのままにぶらぶらと淀んだ街に出かけた。
その最中でさえ、地面を目に映してぼんやりと歩く。
打ち明けたくはないが、前のようなことになるのはうんざりだ。
俺は近づき難い、それは分かっている。人生のすべてが近づき難さでダメになったから。そもそも、ネガティブを蔓延させようとしている悪役に、悪い噂が絶えないのは当たり前では。なら、昔も俺は、村にとっての、
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「アンタになら俺っちの秘密教えたげる!一つだけ」
もともと、あの噂だけの印象でよかった。なのに、コイツときたら、オレに図々しく近寄ってくるから。
結局、利用する羽目になった。
コイツ、自分では気づいていないのか、他人に期待を抱かないと豪語しておきながら、オレが秘密を明かすとなると、赤子のような目で見つめてきやがる。
「…なぜ黙った!」
「まぁ、そう焦るなよ」
しばしば反応を観察していたら、よほどその秘密とやらが気になるのか、早く教えろとせがまれた。なんなんだコイツは。
「おれっちね、お前のこと好きじゃないよ」