TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
短編集

一覧ページ

「短編集」のメインビジュアル

短編集

1 - 不器用な告白。(kyrt)

♥

167

2023年10月07日

シェアするシェアする
報告する


「俺思うんだよね」



スマホを片手に話しかけてくる長身の男。



「レトさんいなかったら今の俺ってなかったんだなって」

「どういうこと?」

「あんたに憧れてこの活動してさ、それで一緒にいるのって、すごくない?」



ライブが終わって楽屋で二人きり。他の二人はトイレに行っているので今はいない。



「まぁ…俺もゲーム一本でここまでやる日が来るとは思ってなかったよ」

「だよね。それも全部レトさんのおかげかも」

「なんだよ、改まって」



すると、持っていたスマホをテーブルに置いて俺の顔をじっと見つめる。



「…なに」



いつも見せるようなふざけた顔じゃなくて、あまり見てこなかった真面目な顔だった。



「俺、本気でそう思ってんだから」

「わかったけど…」

「わかってないよ」



テーブルを挟んで座っていたこいつが、あろうことかそこに置かれた俺の手を優しく握った。



「あのね、憧れっていうのはさ、それだけじゃ終わらないんだよ」

「え…?」



真剣な表情と真剣な声。咄嗟にされた行動に手を引っ込めることもできず、俺はただその落ち着き払った声に耳を傾けていた。



「憧れて、でもそれ以上のものが欲しくなるとき、ない?」

「…うん」

「俺は今その状態なの」



さっきから何を言っているの?

俺にはさっぱり理解できない。

はぁ、とため息が聞こえてきたので続きの言葉を待ってみる。



「俺そんなにわかりづらいかなぁ…」

「どういうこと?」

「レトさんが鈍感なだけかもな」



優しく握っていた手に少しばかり力が入るのを感じる。



「俺は…その憧れごと手に入れたいの」

「それって…?」























「あんたを手に入れたいって言ってんだよ」





Fin.

この作品はいかがでしたか?

167

コメント

2

ユーザー

( ゚д゚)ハッ!初見です!初コメ失礼します!めっちゃ好きです!神ってる…(⁠◡⁠ ⁠ω⁠ ⁠◡⁠)え、本当に凄い…フォロー失礼します!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚