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コメント
2件
ひかがポロッと乙女出すの好きすぎてきゃわちぃ🥺
💙side
デカイ……。
俺の『ひか』に関する印象はまずそれだった。
仲良く話す佐久間とふっかさんは、初対面のはずなのにもう手を繋いでいる。俺とひかは、その後ろをなんとなくついて行く。もちろん手を繋ぐような距離感でもない。話もしないし、前を行く佐久間とふっかさんの会話を聞くだけの立場だ。
💜「照、お前も待ち合わせだったとはな」
🩷「俺っちも驚いたんだよね~。まさか翔太と同じ時間に同じ場所で会うことになるなんて思ってなくて」
💙「おい、名前」
🩷「あっ。悪い」
💛「お前もな、辰哉」
4人ともハンドルネームを使っていたのに、佐久間たちのせいで思いがけず本名を晒すことになってしまった。嫌だな…。ネットの出会いとかこえぇし。
改めて自己紹介をすると、ふっかさんが俺たちに聞いてきた。
💜「で?君たち本当に20?」
🩷💙「そうでぇす」
俺と佐久間は現役大学生という設定だ。そこは口裏を合わせていた。本当は高3だけど…。
ひかたちは俺たちの年齢詐称をさほど疑うこともなく、居酒屋へと連れて行った。
夜の街が似合うサラリーマン。スーツ姿がかっこいい。学校にはこんな大人はいないし、やっぱりマッチングアプリってピンポイントで相手を探すには便利なツールなのかもしれないなと思った。
店に入ると、運よく年齢確認はされなかった。
初めての居酒屋で、どきどきする。
佐久間は何度か来たことがあるらしく、堂々とカクテルなるものを頼んでいた。苦くないやつを教えてもらい、真似して頼んでみる。リーマン2人は慣れた様子でビールをジョッキで頼むとぐいぐいと飲み込んでいた。大人ってやっぱりかっこいい。
ひかの喉仏が上下するのになんとなく見惚れていると、ふっかさんに突っ込まれた。
💜「翔太くんは、照みたいな男が好きなの?」
慌てて周囲を見回す。
店の中はかなり混雑していて、俺たちの会話に注目する人なんかいなかった。それにしてもあまりにもストレートに質問されたので頬が赤くなるのは止められない。
🩷「すいません、こいつ奥手で。前は俺と同じ人好きになったりもしたけど、今はガチムチ系が好きみたいで」
💙「やめろよ…」
ひかの鍛えられた上裸のプロフィール写真を思い出す。
最近は俺も見よう見まねで憧れから筋トレを始めた。もともとガリガリなのがコンプレックスで、少しは肉を付けたいと思って始めたけどちっとも身体が変わって来ない。ひかに会ったら教えてほしいことはたくさんあった。
💛「筋トレが趣味だって…?」
2杯目を頼みながらひかが聞いてきた。隣りにいるふっかさんとは違って、顔色ひとつ変えずにジョッキを空にするのがかっこいい。ふっかさんは酒に弱いらしく、真っ赤な顔をしている。それを見て佐久間がふっかさん可愛いとか言いだしてるけど、お前も大概赤いからな。
💙「そう。でもあんまりわかってなくて…。教えてくれますか?」
💛「いいよ。今度一緒にジム行く?」
💙「やった」
純粋に嬉しくて喜んでいたら、ひかが目を逸らした。
💜「照、照れてら」
ふっかさんが突っ込んで、メニューで顔を隠すひかはなんだか年齢よりも可愛く見えた。