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そして、とある家にて、エウリとすまない先生と、ライトは一緒に住んでいた。理由は、まだすまない先生はリハビリが必要なのと、“ヤマタノオロチを倒した英雄”と、村人に群がられるのを防ぐため。
ライトは今夜は用事があるらしく、帰りは遅い。ライトの帰りを待っていたエウリとすまない先生。ふと、すまない先生が口を開いた。
「実はさ、僕、生徒たち卒業と同時に、先生辞めるつもりなんだ」
突然そう告白され、エウリは目を丸くした。
「え・・・」
エウリは目を丸くし、ぽかんと口を開けていた。
「だってさ、もうヤマタノオロチの脅威の心配もないし、僕の生徒たちも卒業するし、それに腕が使い物にならなくなったしね。ちょうどいいかもって思って、あ、もう校長や生徒たちには伝えたよ。」
「・・・・・・」
「先生辞めたらどうしようかなぁ?瑞穂の国帰るのもいいけど、知らないどっか遠い山奥で過ごすのもいいかもなぁ・・・」
と、すまない先生はあっけらかんにいい、笑う姿に、エウリはすまない先生に近寄り、両頬を包むように触れる。
「・・・エウリ?」
突然のことに、すまない先生はぽかんとしていると、エウリが口を開いた。
「・・・“大丈夫ですか?”」
そのエウリの言葉に、すまない先生は開けていた口を閉じた。
そして、ボロッと水色の瞳から水が溢れた。
「すまないさっ・・・」
エウリがすまない先生の名を呼ぼうとした、だが、すまない先生はエウリを抱き締め、肩に頭を預けた。
「・・・辛いなぁ・・・もう、剣も振ることが出来ないなんて・・・ッ・・・もう、僕は、戦うことが出来ないなんて・・・」
そう弱々しくこぼすすまない先生に、エウリは優しく頭を撫でた。
「・・・大丈夫ですよ。すまないさん、例えあなたが剣を振れなくなっても、戦えなくなっても、あなたは“英雄”です。私たちの“ヒーロー”なんですよ?・・・今度は、私がすまないさんを助けたい。だから、泣かないでください」
そう優しく微笑む。すまない先生は泣きじゃくり、エウリを抱き締めた。そんなすまない先生をエウリはただ優しく撫でた。
そして、ライトは影でそのすまない先生の嘆きを聞いていた。
コメント
2件
今回ちょっとポロって泣いた…すまない先生の心情が言葉とは裏腹だったこととか、『先生を辞める』っていう言葉を聞いた生徒達の心情とかがめっちゃ想像できてさ…😢 しかも剣を触れなくなって…そりゃぁ泣きじゃくるよなって…悲しいなぁ